ORGOのメンバーに焦点をあて、企業のフォーカスや人を深く知るインタビューシリーズ第一弾は、執行役員であり、技術・グローバル事業の統括である中薗さんにお話を伺いました。
「技術で世界を動かし、人々の力を引き出す。」をミッションに掲げるORGOは、研究開発チームを自社内に持ち、医療・スポーツ業界において必要不可欠なテクノロジー企業を目指しています。
そんなORGOには、スキル高く、想いの強いメンバーが集まります。そのメンバーに焦点をあてたインタビュー記事を定期発信します。
今回は、新卒で東芝に入社し、その後フィリピン・セブ島でオフショア企業のCOO、CEOを経験し2023年9月よりORGO現職をつとめる中薗さんにフォーカス。鹿児島県の田舎に生まれ、高専を卒業後大学院時代は”安定志向”だった1人のエンジニアが、どうして現在は札幌のベンチャー企業で奮闘しているのか、その考えに迫りました。
中薗拓巳/株式会社ORGO 執行役員
九州大学大学院を卒業後、東芝に入社し自社製品のクラウドサービス化を担当。その後、フィリピンでオフショア事業を立ち上げ、現地のエンジニアチームを指導しながら複数の開発プロジェクトを手掛ける。株式会社ORGO入社後、技術・グローバル事業の統括を行う。
大企業志向は「安定ではなく依存」と気づいた新卒2年目
ーー新卒は株式会社東芝にエンジニアとして入社し、その後フィリピンのセブ島で友人と起業したと聞きました。当時安定志向だった考えから、どのように退職を決めたのでしょうか。
東芝への入社が2015年度で、入社してからのわずか2年で不適切会計と巨額損失とで会社が上場廃止の危機にさらされるという経験をしました。
もともと大学院時代は安定志向で、東芝に入社して終身雇用で安定に過ごして生涯を終える予定だったのですが、まだ自分が何にも影響も及ぼせないタイミングで、会社の不安定な状況に陥るかもしれない状況を経験し、「これは安定ではなく依存だ」と思うようになりました。
そのタイミングで、高専時代の同級生より、フィリピンでオフショア事業を一緒にやらないかと言われ、ものすごく悩みました。たくさん考える中で、この先いまのどんな決断を一番に後悔するかと問われたら、友人が誘ってくれたチャンスを断るほうだと思い、退職を決意してフィリピンで共同創業するという道を選びました。こうして立ち上がったのが、いまのVananaz Technologiesです。
ーーそこからどうしてORGOにジョインされることになったのですか。
自分自身が行きたいと思える魅力的な会社でもあるし、立ち上げた会社のメンバーも幸せになると考えて、Vananaz Technologiesとともにアルシェホールディングス(※)にM&Aという形でジョインを決めました。
はじめは、ORGOが少人数のベンチャーな会社でありながら、研究設備や研究チームを自社で持っていることがとても魅力的にうつりました。入社前は研究として十分な成果がある一方で、社会にどうビジネスとして実装していくかを思案しているというタイミングでした。研究と開発の橋渡し、リードを担う人が必要だと感じました。
もともと大学院時代に、博士を持つ方にあこがれていたこともあって研究者とは近い距離・立場で話していたりもしましたし、自分としては研究をビジネスにつなげることに役立てるのではないかと思いました。また、特に代表の薦田さんが自身を信頼し、働きやすいように環境を良くする提案をしてくれたりと、裁量大きくやれると感じてジョインを決めました。
ビジネス、働き方についてどんな提案をしても嫌な顔をせずに受け入れてくれたところに、会社カルチャーとのマッチを感じたのもひとつの決め手です。
(※)ORGOの親会社
大企業での積み重ねはベンチャーに生きる。
ーー東芝といういわゆる「大企業」から現在はベンチャー企業にいるわけですが、大企業からの転職についてをどのように振り返りますか。
結論、キャリアチェンジして良かったと思っています。大企業にいたときは、転職はとても”怖い”もので、自分がレールから外れるようなイメージがあって。いま考えればあまりに若かったなと思って(笑)。
実際にベンチャー環境に移る際に不安だったことは、裁量あるけれどその分の責任が負えるかどうか とか、年功序列ではない実力主義の中で自身はやっていけるのかな とか、ベンチャーの雰囲気に合わないのではないか…みたいな迷いはありましたね。
これはやってみないとわからないことではありますが、自分で裁量を持って進めることの楽しさは大きいですし、東芝でやっていた同じような業務についても、振り返ってみて広い視野を持って見れるようになったと実感したりもしています。
広い視野を持ったからこそ、こんな業務ができる人が必要だとか、こんな選択肢があるんじゃないかとか、ビジネスを多角的に見ながら業務遂行ができることそのものが楽しいと感じます。
そして、これはお伝えしたいのですが、大企業でやってきたことはベンチャーでは絶対に役立ちます。例えば、大企業のルールや組織の仕組みを知っているだけでも頼られることがあって。大企業でのあたりまえをあたりまえと思えることそのものが、ベンチャー企業に対しての価値だったりすると実感します。
社内ではいろんなチャレンジが歓迎され、可能性を拡げることができる。
ーーORGOでの働き方についてお伺いします。
忙しいです(笑)。勤務時間が長いというわけではなく、いかに効率よく意味のある時間を過ごすかということを意識していると、自ずと忙しくなってくるんですよね。僕のチームは今後のORGOが研究の成果をどのような形にして社会還元していくかに関わる業務を行っているので、ワクワクしますし、いい意味でプレッシャーを感じながら楽しく働いています。
また、ORGOのカルチャーとしては、いろんなチャレンジをさせてくれます。AIツールや福利厚生の提案が自身以外からも挙がり、すぐに試してみようとなるので、その点はたくさんアイデアが湧いてきてはすぐに試せるという点でも面白さを感じますね。
ーーORGOで展開されているサービス・プロダクトについてお伺いします。現在はMYoACT、ePose、mosaic directとメディカルテックの領域でサービス展開されていますが、中薗さんとしてサービスそのものをどのように見ていますか。
どのプロダクトもお客さんの声を取り入れ、反応を見ながら軌道修正して作っています。基盤の技術など重要な部分には、私たちの研究の成果が登用されているので技術にも自信がありますし、ビジネスの需要もつかめていると自負しています。
実際に4月の東京での展示会では、始めは試しで出してみたものの、来場者から大反響がありお客様のためになるサービスを作れていると再確認しました。
さらに、「筋骨格解析」というORGOが研究している技術は、時代に沿った色んな分野に使えると考えています。いまは、データをとるためにはデバイスをつけたり、高価なカメラを購入しなければなりません。これをAIを組み合わせて推定の精度をあげることでタブレットのカメラで解決できる可能性があります。この技術は、メディカルテックにとどまることではなく、スポーツやその他の分野に大きなイノベーションを生み出す可能性を秘めていると感じます。
こうやって話していると何をやっているかわからない会社だと言われてしまうのですが(笑)、ぜひ面談でお話できればと思います。
ーーORGOのサービスをどのように発展させていきたいですか。
デバイスをつけずに気軽にデータをとることができ、使ってくれるユーザーが増えて、例えばリハビリテーションでは施術の質の向上や、新たな施術方法などが生み出されてほしいです。またデータを取るハードルが大きく下がるので、データから新たな知見が生まれ、人の健康寿命の延伸に貢献したりスポーツ領域における技術発展に転用することで、人々の生活の質の底上げになることを期待しています。
メディカルテックからスポーツまで、立ち向かうミッションは正解がなく、誰もが当事者。
ーーどんな人にORGOに来てほしいですか。
まずは素直であってほしいです。加えて、色々アイデアが浮かび、失敗を恐れない方が向いているなと思います。
ORGOの自由に意思決定できるカルチャーを活かして、自身のものにしながら、自身の成長とともにORGOも成長するというサイクルが作れると良いですよね。ベースの素直さは、成長のベクトルを正しい方向に持っていってくれると思いますし、アイデアを活かせる環境がせっかくあるからこそ、チャレンジすることを楽しいと思ってほしいです。
ORGOが立ち向かうミッションは正解がなく、誰もが当事者です。答えがないからこそ、自分で考え、失敗してもいいから立ち向かってほしい。そんな環境がORGOにはありますし、一緒に大きなことを成し遂げたいです。
(インタビュー、文:中薗萌子/写真:田窪拓也)
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