※この記事は2021年2月9日に初回公開されたものです。
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こんにちは、メンバーズデータアドベンチャー(以下DA)採用広報担当です!
今回は、2020年4月に刷新された新ミッション・ビジョン(以下MV)について、社長の白井にインタビューを行いました。
MV変更の背景を踏まえつつ、新MVに込められた意味合いや思い、そしてそれらが事業や組織へどう作用するのかなど、DAへの入社を考えていらっしゃる方にぜひ知っていただきたいDAの目指す姿・そこに向けた運営方針をお伝えしていきます!
旧MVは何も言っていなかった。必要だったのは変数の固定。
ーーまず2020年4月にDAのMVが改定されましたよね。
■改定前
・Mission-我々は何のために存在するか:「データと人の力を武器に、誰もが可能性を広げられる未来をつくる」
・Vision-実現のためにどんな状態を目指すか:「データ領域のプロフェッショナル人材の育成・常駐を通して、未来を思って行動する企業の最適な意思決定を支援する」
■改定後
・Mission:「データと意志と情熱で心豊かな社会をつくる」
・Vision:「データをキーに人の心を揺り動かし、持続可能社会への変革をリードする」
ーー今回、なぜMVの変更を考えたのでしょうか?
理由は「この言葉って何も言っていないな」と思ったからです。
以前に別記事でも書いたのですが、創業時になんとなくでミッションを立てたものの、事業を進める中で振り返ると、
・「誰もが」って「誰」?
・「可能性を広げる」の「可能性」って何?
・「未来」ってどんな「未来」?
と、「1文字あたりの情報量が少なく、具体性の無い言葉だな」と思えてきたんですよね。
「未来を作るのは当たり前じゃん? じゃあどんな未来?」のように、自問自答する機会も増えてきて。
つまり、言葉に色がなく、どんな言葉を入れても成立する文章だと感じていました。
例えば、旧ミッションの「誰もが」って意味する範囲が広いですよね。変数が多すぎるんです。
広すぎて、何かを言っているようでいて何も言っていない。気持ち悪いなと思ってしまって。
ーーつまり、変数を固定することが色を付けることだと?
はい、必要なのは変数が取り得る値の範囲を固定するということだと考えました。 「この幅は許容します・それ以外は許容しません」と示すということですね。
「この中でならば、どんな値をとってもDAとしては大丈夫だよ」と伝えられる思想の大枠を決める作業ですね。
なので、もっと思想を具体化して色をつけたいと思い、MVの再策定を進めました。
人は正しさや論理で動かない。だからこそ、データを媒介に感情を揺さぶりたかった。
ーー再策定にあたり、どのような色を付けていったのでしょうか?
ビジョンからミッションへと意味が地続きになっているので、まずビジョンから説明しますね。
新ビジョンの
「データをキーに人の心を揺り動かし、持続可能社会への変革をリードする」
ですが、これは「データを媒介に感情を揺さぶって人を動かし、優しさが循環する社会をつくること」を指しています。
この中で、キーワードとなるのが「データ」と「持続可能社会」です。
ーー「データ」と「持続可能社会」がキーワードとなったきっかけは何だったのでしょうか?
子どもの頃に学校でいじめられていた経験が大きいです。
当時、私は正しさで人で動くと思っていたのですが、正しいことを言った結果として、いじめられていたんですよね。
「正論ばっかりで人の気持ちが分からない嫌なやつ」を地で行っていたと思います。
私は友達が欲しかったけど、ゴールに対して手段が食い違っていた。
友達が欲しかったら、相手に「友達になりたい」と思ってもらわないといけないし、実際に「友達になる」という行動を起こしてもらわないといけません。
そこで、「じゃあ人は何によって動くのか?」と考えたら、論理的正しさよりも感情だと気が付きました。
分かる人には最初から分かるようなのですが、私のような人間には感情よりも論理で表される考えの方が目に見えやすく分かりやすかったんです。だから論理的正しさが好きだったし、信じていました。
大人になるにつれて、「私以外にも論理的正しさを精神的拠り所にしている人はそれなりにいるのでは?」と感じるようにもなっていきました。
でもそれだけじゃ、望むものが手に入らない場合も多いんですよね。
だからこそ、論理の世界と親和性の高いツールであるデータを媒介に、論理の世界と感情の世界の橋渡しができればと思いました。
商売は人を動かしてナンボで、人は感情で動くとするならば、データを商売にすればそれができるような気がしたんです。
これが「データをキーに人の心を揺り動かす」というビジョンに至った経緯です。
ーーそうして心を揺り動かした先が「持続可能社会への変革をリードする」に繋がっていくと。
持続可能社会は「ちょっとでも他人を気にかける人が多い社会」をイメージしたらいいんじゃないかなと思っていて。SDGsとかCSVとか色々ありますけど。
他人というのは、今同じ時を生きる自分以外の人もそうですし、未来を生きる人も、もしかしたら人や命以外もそうかも知れません。
だとしたら、互いに誰かのために何かをして満足度を得ることが、自分にとっても気持ちいいことだと知っている人が多い社会がいいと思うし、私は人がその「気持ちいいこと」を知る機会を増やしたい。
その延長線上に持続可能社会があると思っています。
別に自分を犠牲にして他者に貢献する必要はないんです。
ちょっとした、自分をさほど削らずできることをして、誰かのためになったと感じられたら嬉しいと思うんですよね。
利他的なことではなくて、ある種すごく利己的だと思うんです。でもその方が無理なく続けられて良い。
自分がやりたいと思ったらからやるので「相手から何も返ってこなくてもいいや」というような、掛け捨ての優しさくらいがちょうどいいんです。
感謝されることが目的になっちゃうと、思い通りにならなかった時に辛いですから。
もし相手が喜んでくれたらしめたもので、その時の嬉しさが余裕になって、また自分を削らずに良いと思えることをするガソリンになっていく。
そういう「優しさの貯金」みたいなものが循環する社会を作りたいし、自分にとっても気持ちいい社会だなと思ったんです。
商売って、「自分にとっては実行する物理的・精神的コストやハードルが低く、相手にとっては高いものを対価に替える行為」だと思うので、優しさの流通は商売の根幹とも共通する部分があるのではないかとも考えました。
商売なら、自分が得意だったりできることをして相手からお金をもらいますよね。
優しさは、ちょっとしたことで相手に喜んでもらえたら、自分も少し幸せになる。
お金や形のあるものでなくても、優しさも対価を得ていると思うんです。
我々はMVを推進するために、そのガソリンとなる利益を稼がなければならないわけですが、それとも矛盾しないというか、むしろ一致するなと。
「社会貢献」「持続可能社会」というと儲けることとは遠い概念のようにも聞こえますが、我々がしたいことは「まず儲けて、儲けを投資してまた儲けながら、社会に自分たちの信じるよい影響を与えていくこと」なんだろうなと。
このサイクルを守ることは、とても倫理的で誠実だと思っています。
こうした思いを念頭に、ビジョン後半の「持続可能社会への変革をリードする」が出てきました。
ーー「持続可能社会」のお話は、ミッション後半の「心豊かな社会」にも通じそうだと感じました。
仰る通り、持続可能社会はミッションの心豊かな社会に内包されます。
新ミッションの
「データと意志と情熱で、心豊かな社会をつくる」
においての「心豊か」はお金、時間、物、体力、精神力などの自分の持っているリソースを感情的豊かさに変換する選択ができることだと考えていて。
なので、DAが創る未来は「自分の持っているリソースを物理的豊かさに変換するか、感情的豊かさに変換するか」を問われた際に、人が後者を選ぶ未来だなと思ったんですよね。
どちらが良い悪いでもないし、同じ人でも時によって選択は異なると思うのですが、少しでも後者を選ぶことが増えたらいいなと思って。
それも義務感からでなく、自分にとってもメリットがあるからという理由だと無理がないので持続可能性が高く、なおいいなと。
その未来を体現した例の1つが、持続可能社会です。
ーーミッション前半の「データと意志と情熱」はどういった観点から選ばれた言葉なのでしょうか?
我々はデータを武器として使い心豊かな社会をつくるために存在しているわけですが、果たしてデータだけでできるだろうかと思いまして。
データがいかに強力な武器でも、単体では道具に過ぎない。
道具は人を突き動かす情熱と、成し遂げたいゴールを規定する意志が揃って初めて意味があるんじゃないかと。
いわば情熱はエンジン、意志は羅針盤ですかね。
データがあれば何でもできるわけじゃなくて、結局はそれを使う人の思想と熱次第だなと思い、「データと意志と情熱」に行き着きました。
ミッションの役割は「求心力と遠心力の軸」となること。
ーーMVの再策定にあたり、MVの役割にも変化は生じたのでしょうか?
その点は変わりませんでした。
ただ再考する中で、MVの役割を一言で表すなら未来へつながるトンネルだなと改めて感じましたね。
トンネルは枠(=コアバリュー )と軸(=ミッション)から成り立っています。そしてある時点でのトンネルの断面がビジョンです。その時のありたい姿ですね。
ーー「枠」と「軸」とはどのような意味合いでしょうか?
「枠」は許容幅のようなイメージで、企業のフェーズによって中心からの幅が広くなったり狭くなったりします。トンネルの壁面に当たる部分ですね。
例えば、創業期はとにかく稼ぐフェーズなので、中心からの幅を広く取ります。
ただ、営業リードが増え始めると「こういうスタンスのお客様と深く付き合おう」など自社のポリシーを強めていくことができるようになる。すると良い意味で円の半径は狭くなります。
一方の「軸」は向かう未来を指し示すベクトルです。
ーー「トンネル」の例がありましたが、フェーズが進んでいくと、トンネルの幅は自然と狭くなっていきそうですね。
目指す先や意思決定プロセスがシャープになっていくので、ひとまず円錐の形に近づくんでしょうね。
シャープになればなるほど、社内外から見てもどんな企業か分かりやすくなり、自然と共感を呼ぶ企業になると考えていて。すると今度は内側から円が拡がっていく。これは円の中心となる軸がしっかりとした密度で押し固められているからできることです。
優れたミッション、ビジョン、コアバリュー が揃うと、その求心力と遠心力の軸をぶらさず大きな力を生むことができると思っています。
自分の意志に自覚的な人たちと、DAの未来を創り上げていきたい。
ーー新MVの体現にあたり、実現したい具体施策はありますか?
具体施策はこれからですね。
過去のメンバーインタビュー記事にもあるように、DAには勝手に必要な施策を生んでくれるメンバーが既にいますので、トップが全てを決めなくて良いんですよね。
ただ強いていえば、より勝手に施策が生まれやすくなるような孵化器としてDAのインナーブランディングプロジェクトを進めています。
具体的には「DA内でこんなことをやりたいけれど、どう実行したら良いかを相談したい」とアイディアを実現したいメンバーがいた時に、企画から実行までをサポートする場のイメージです。
画像:メンバー起案でDA社内向けに行われた自己紹介深堀ワークショップ
ーーでは、すでに体現されているものではいかがでしょうか?
2つあります。
1つ目は自分たちが成果を出せない案件はお断りする営業ルールです。
以前にこちらの記事でもお話したのですが、成果を出せる案件とはビジョンがある案件。
具体的には、クライアント側にありたい姿を描く意志と、そのための行動をドライブする情熱、いち手段としてデータが必要だという認識が揃っている案件を指します。
さらにいうと、そのビジョンに我々も共感し、ともに実現を目指したいと思える案件です。
そういったクライアントとともにユーザーの心を揺り動かして行動を変え、事業成果に貢献していきたい。
それが新ミッションの心豊かな社会の実現へ繋がると考えています。
ーー2つ目は何でしょうか?
2つ目はクライアント評価と社内評価が連動する評価ロジックですね。
これは、クライアントのあるべき姿に対して自分たちは何をすべきかを共に考え、クライアントの目標に紐づく形で社内目標を設定する仕組みになっています。
DAの成果のために、メンバーには「まずクライアント成果にコミットしてね」と伝えています。
我々はクライアントのビジネスの変革を通して社会を変える会社です。そのためには、クライアントにとっての成果を出し、信頼を得ること。その先にDAのMVの体現があると考えています。
ーーありがとうございます。新ミッションの通り、メンバーにもクライアントにも「意志」があるかどうかが重要なのですね。
はい。付け加えると、自分の意志や、それに伴う判断・行動に自覚的であるかどうかが大事ですね。
コアバリューに「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」とありますが、特に重要なのが「誠実」です。
これがあると「誰にとっての誠実か?」を常に問い直され続けるから、自分の判断や行動へ自覚的になっていきます。
自分が下した判断・行動に自覚的になると責任を引き受けられるので、DAのメンバーは自分たちの行動や楽しさに自覚的で自責的ですね。するとおのずと自発的にもなります。
DAには「挑戦」に伴う変化を嫌う人はいませんし、そこに「仲間」が加わると更に遠くへ行けることを知っているから、お互いの間を「貢献」で埋め合うんですよね。
コアバリューに基づいたマインドと、それを支える制度やカルチャーから、自発的な行動が生まれる。
その結果、事業が成長する中で自然と新MVが体現されていく未来を社長の自分はイメージしています。
ーーその未来を実現していく中で、これからどのような方と一緒に働いてみたいですか?
未完成の企業を育てるプロセスに手応えを感じる方と一緒に働きたいですね。
理想の未来はあれど、制度やカルチャーもまだまだ未整備なのが現状。
なので、共に未完成のDAをつくっていきたい方と働けたらと思います。
ただ、入社される上で新MVの心豊かな社会、持続可能社会など、全てに完全に共感する必要はありません。
「データと意志と情熱」、「データをキーに人の心を揺り動かす」、「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」。
これらの言葉の内、どれか1つでもエンジンになる方がいらっしゃれば応募いただけると嬉しいです。
ーー白井さん、ありがとうございました!
以上、白井さんへのインタビューでした。
(取材・文 ヤマグチタツヤ)
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