グローバルな環境で多様な経験を積みながら、技術力を高められる場所がある
QuantumBlackは2009年に英国ロンドンでデータとアナリティクスをF1レーシングに応用したことからスタートしました。2015年に戦略コンサルティングファーム最大手のMcKinsey & Companyとの合併を経て、2019年10月に東京オフィスを始動。McKinseyのAdvanced analyticsを担う中心として成長を続けています。
今回は東京オフィス所属の若手データサイエンティスト(以下DS)3名にコンサル業界でDSとして働く理由や入社後のリアルな日常を語っていただきました。
Wurihan(W): 京都大学経済研究科を卒業後、DSとして研究所での就業を経て2021年2月にQuantumBlack(以下QB)へ入社。
Shuhei(S): 東京大学工学部の技術経営専攻を卒業後、保険会社にてアクチュアリーを経験し日系コンサルティングファームでDSとして就業後、2020年4月にQBへ入社。
Daniel(D): 漢陽大学でCS工学部を卒業後、BtoBのEC系の会社でDSとして就業後、2019年9月にQBへ入社。
グローバルな環境でDSとして幅広い手法を試しながら、リアルなインパクトを生み出せる機会が豊富
ーーまず初めに、なぜコンサル業界を選んだのでしょうか?さらにその中でQuantumBlack/McKinseyに入社された理由を教えてください。
D:以前はBtoBのEC系の会社でDSをしていたんですが、デジタルのインフラが整った会社だったため、私の役割は論文を読んでモデル開発し、モデルの精度を上げてKPIをコツコツ積み上げることでした。もっとDSとしてダイナミックな変化を経験したいと思い転職を考えたとき、コンサルティング業界ならビジネスをきちんと理解した上でインパクトを生み出せる環境だと思ったのと、QBはMcKinseyの戦略コンサルタントとチームを組んで一緒にプロジェクトを行うので、技術だけでなくコミュニケーションスキルも磨けると思い入社しました。
W:私は大学卒業後Reseracherとして国立研究機関にいました。研究は楽しかったものの、研究結果によるインパクトが出るのはある程度時間がかかるため、より短期間にインパクトが見えバリューを出せる仕事がしたいと思ったのと、今後の自分のやりたい方向性が定まっていなかったため、色んな業界が経験できるコンサル業界を志望しました。色々な会社の面接を受ける中で、QBのプロセスが全体を通して一番印象的でした。面接官が色んな国のメンバーで多様性を感じ、選考プロセスに関するインストラクションも明確で、面接もとても良く組み立てられていて良い印象をもちました。選考を受ける中で「この会社で働きたい」と思いQBに入社しました。
S:私も二人とほぼ一緒です。コンサルは色んな業界に携われるため、DSとしていろんな手法を試せる機会があることが魅力的でした。また大きな企業のCxOレベルの方にリーチアウトしやすいため、社会への変化を起こしやすいと感じました。1人のDSとして事業会社の中から組織全体を変えるのは難しい場合もありますが、コンサル側からならよりインパクトを与えやすいのではと思いました。さらにコンサルティングファームの中でもMcKinseyは一番CxOレベルにリーチしやすいイメージがあり、実際に入社してからもこの点は体感しています。
ーー入社されてから感じた、QBで働く醍醐味や魅力ってどんなところですか?
D: なんと言ってもグローバルリソースが豊富な点が醍醐味だと思います。プロジェクトに必要な人を全世界からアサインする環境や、Slackを通じてエンジニア・DSのネットワークが全世界に広がっていて、知識の共有がグローバルレベルでとても高く、質問すれば誰かが答えてくれる。これって結構すごいことだなと思います。
S: 同じくグローバルリソースは魅力的だと思います。QBは自分よりはるかにすごい人達がグローバルに沢山いて、例えばPhDホルダーが沢山いるためより高い専門性に触れられ、環境的に恵まれていると感じます。またSoftware Engineeringに力を入れているのも好きな点です。Kedroが良い例だと思いますが、機械学習パイプラインを、アナリティクスの観点のみでなく、ソフトウェアの観点からも高いクオリティで作ることが組織として浸透している点は非常に良いと思います。
W: 勉強するためのリソースが豊富な点が魅力だと思います。McKinsey Globalの過去の事例やナレッジ、CourseraやCoding Platformなど、テクニカルとビジネス双方の力を伸ばせる環境が整備されているところが大きなアドバンテージだと思います。
ーーQBにはどんなメンバーがいるんですか?
S:日本メンバーだけでも本当に色んな人がいます。元研究者の人もいれば、Software Engineering(SWE)バックグラウンドの人もいたり。コンサル出身の人もいるし、まったく別の業界からの人もいる。こう見ると、これといった共通点は特にないかもしれません。
D:そうですね。DSでも色んな観点を持っている人がいて、SWEに長けている人やアルゴリズムの理解が深く正しいアプローチを提供できる人、インプレメンテーションにおいてクライアントにアルゴリズムをきちんと説明するのが得意な人など色々。これは日本だけでなくグローバルも同様で、グローバルだとよりDiverseになりますね。
W:私の実感としては、日本もグローバルも同様ですが、エンジニアとして技術力が高いだけでなく、コミュニケーション力が非常に高い人が多いと強く感じますね。あと、グローバルのDSのSlack Channelがあるんですが、何か分からない点やアイディアがあった時にメッセージを投げると沢山の人が声をかけてくれてサポートしてくれます。
S:そうそう、Sam Bourton(編注:QB創始者の一人)が普通に質問にレスしてくれたりね(笑)
McKinseyとQBそれぞれのエキスパートが集まり、お互いを尊重しながら企業の最も困難なビジネス課題に挑戦
ーーこれまで経験されたプロジェクトで一番印象に残っていたり楽しかったプロジェクトについて教えてください
W:私は今年の2月に入社したので、まだ2つしか経験してないんですが、1つ目のプロジェクトはQBの優秀なDSが勢揃いしたプロジェクトで、QB・McKinseyでの働き方を学びました。2つ目のプロジェクトではクライアントのCapability Buildingも経験させてもらい、実際にいくつかのWorkflowを担当したのでその内容を深く勉強し、クライアントに分かりやすく伝えるという経験ができたのが私は一番面白かったです。
S:直近行ったあるヘルスケア関連クライアントでのリソース最適化プロジェクトは、QBメンバーもクライアントも人数が多くお互いから学べるプロジェクトでした。QBは日本、シンガポール、インドからそれぞれ数名のメンバーに加えてAPAC地域のシニアなDSメンバーが入っていて技術的な学びが多く、腰を据えて実際のモデル導入と運用まで視野に入れた中長期的な設計・開発ができて面白かったです。もう一つの印象的なプロジェクトはAnalytics x Strategyを実際にやったプロジェクトで、まさにQBのエンジニアリング力とMcKinseyの戦略コンサルティング力の両方がないと成り立たないプロジェクトでした。Causal Inference(統計的因果推論)にチャレンジしたんですが、ゼロベースで色んな方法を洗い出して、手法にとてもこだわり、ピュアに一番正しいモデルの選定に相当な時間を割きました。企業の戦略の根幹に関わるビジネス課題でかつ自由度があって、リソースもしっかり確保されており、やりがいのあるプロジェクトでした。
D:入社1年目で経験した小売企業クライアントとのプロジェクトが面白かったです。構築したモデルを実際に100店舗以上に導入しABテストを行いました。プロジェクト後に数億円のインパクトがあったとクライアントから聞き、すごく嬉しかったです。複雑なアルゴリズムを構築してもビジネスインパクトにつながらなければ結局Sustainableではないと思うのですが、McKinseyやQBでやってるプロジェクトはファイナンシャルインパクトもあるし、目に見える変革も起こします。ビジネスを理解している戦略コンサルタントと一緒にプロジェクトを行うので、どのレバーでどういったインパクトが起こるかを理解している人が多く、実際に利益につながるプランやアクションを実行できるのだと思います。
ーー平均的なプロジェクトの期間や規模、構成について教えてください
D:プロジェクトの期間はケースバイケースで1-2か月から6か月くらいまでばらつきがあります。Extensionと言ってプロジェクトを延長したり次フェーズをそのまま行うことも多いです。典型的なチーム構成としてはDS1名とデータエンジニア(以下DE)1名にMcKinseyのマネジャー以上がプロジェクトマネージャー(以下PM)として入るのが最小構成ですね。DEはパイプラインの構築、DSは特徴量エンジニアリング、仮設立てとモデルの調整、PMはビジネス側の人と連携して全体のプロジェクトを進行するというのがざっくりとした役割ですね。大きめのプロジェクトだとDS4-5人にDE4-5人など、他オフィスのメンバーに入ってもらうことも結構あります。ほんと、ケースバイケースですが。
S:最近のプロジェクトはDSとDEは必ず両方がアサインされますね。私が経験したプロジェクトでは期間が2-3か月でDSとDE、Mckinseyのコンサルタントがそれぞれ1-2名の構成が多いですね。
ーープロジェクト中の働き方について教えてください
S:プロジェクト中でも忙しい時と、忙しくない時があります。私は朝は苦手なので平日は大体朝10時くらいから仕事をしていますが、メンバーの中には朝型で8時から働く人もいます。夜は7時くらいに終わる日もあれば繁忙期には12時を回る時もありますが、チーム内で働き方を共有していたり、チェックインがあるのでオーバーワークになることはあまりないです。日中の時間の使い方としては、プロジェクトの序盤はデータやビジネス理解のためのミーティングが多く、中盤は8割程コーディングに時間を割くこともありますが、終盤は開発したものを説明する時間が多いのでクライアントとのミーティングやその準備が5~8割くらいになるイメージですね。
D:プロジェクトメンバーのタイムゾーンが違うと言う制約はややありますが、ある程度自由にスケジュールの組み立てができる環境だと思います。私は朝早くからやるのが好きで、睡眠時間を十分に確保したいので夜はしっかり寝ます。忙しいタイミングもあるけどある程度自分でコントロールできていますね。忙しい時もありますが、比較的これまでスムーズにできていると思います。
W:私もほぼ同じですね、ただ私はまだまだ仕事をキャッチアップする時間が必要なため、勉強する時間を仕事が終わったあとに作っています。Work-Life Balanceは入社前の期待よりもだいぶ良いです。入社前は激務なイメージがありましたが、これまで経験したプロジェクトは両方とも計画がきっちりされていたので勉強やキャッチアップもプロジェクトと平行してでき、私はWork-Life Balanceが担保できています。
お互いが学びの源泉となるために、知識と技術を常に学び続けることを全力でサポートしてくれる環境がある
ーープロジェクト以外で技術的なキャッチアップはどうされていますか?
D:プロジェクト中はプロジェクトから学び、プロジェクトが終わったらQBのR&Dに関われるので、結果的にずっと学べる環境です。プロジェクト内ではProblem Solvingが常に試されるセットアップで、今やっていることが正しいかというチェックが頻繁に入ります。PSをするには自分がしっかりした知識がないとできないため、自分を試されるタイミングでもあり、それに備えるために常に勉強し続けなければなりません。そのためにより詳しい人に話しを聞いたり、知識を持っているほかのDS等と1on1をセットして学びを深めています。社内のR&DではDeep Learning, Reiforcement Learning, Explainable AIとかいくつかトピックがありますが、プロジェクトの成果物をアセットに落としこむことで他の人でも活用できる仕組みを作っていて、足りない機能を作るために論文を読んだりして学びを深めています。
S:社内のR&Dはとても勉強になりますね。あとは自分はランダムに勉強したい、面白そうだなと思ったトピックを勉強します。そうしてランダムに勉強したことが次のプロジェクトに役立つケースがあります。(クライアントのビジネス課題に対して提案するとき)持ってる引き出しからしか引き出せないし、知らないものは提案できないので、薄い理解のものを幅広く持っておくことを意識しています。100%分からなくても引き出しとしては持っておいて、プロジェクトで実際に使うことになったら一生懸命勉強します。自分が説明責任をもつことで一番学びを深められると実感していますね。他、QBロンドン主体でやっている勉強会や、APAC主体の勉強会を隔週でやっていて、これにはほぼ毎回参加しています。これまでのプロジェクト経験や個人の知識などみんなのためになりそうなものをお互いに共有していますね。
ーー今後QBでチャレンジしたいことはありますか?
W:私はプロジェクトの重要なパートを担当できるようになって、技術力だけでなくマネジメントも経験したいです。
S:私はもともと入社した理由の通り、クライアント企業をより変えられる立場になりたいです。自分の役割をもっと大きくして日本企業の大規模なアナリティクストランスフォーメーションをリードしたいです。McKinseyの持つグローバルな知見も活用し、企業のデータの活用の仕方やビジネス自体を変えるなど。そういった変革を技術面でリードできたらいいなと思います。
D:以前Analyticsのインフラを持っていないクライアントのCapability Buildingをゼロから経験したんですが、プロジェクトは苦しかったけど数か月後にクライアントからメールが来て、自分が伝えたことを未だに活用してくれていることや、クライアントのチームが更に広がってより広範囲でロールアウトされていることを聞いて感動しました。企業と言っても人なので、データの力やデータの魅力を気づかせられる人、人をデータに魅了させられる人、その結果として人を変えられる人になりたいと思っています。
ーー最後に、QBは現在積極的に仲間を募集していますが、どういう方がQBに向いていると思いますか?
W:どんなことがあっても一緒に問題を解決していく気概があるポジティブな人と一緒に仕事をしたいです。Ownershipがあり、積極的に解決方法をみつけられる人が向いていると思います。
S: どんな人でもWelcomeですが、QB-Japanの良いところである多様性をさらに伸ばしてくれる人と相乗効果でより良いものを作れたらいいなと思います。何かしらの強みを持っている人と一緒に働きたいです。
D:できない理由よりできる方法を考える人が向いていると思います。McKinseyは難しい問題ばかりを扱うので、色んな障害や制約に妥協しない人が結局Out of Boxの考えを生み出せると思います。できる方向でずっと追及しつづける人のエネルギーは周りの人に伝染するので、そういう人にぜひ入ってほしいです。
QuantumBlackについて更に詳しい情報は下記をご覧ください。
- https://www.quantumblack.com/
- https://www.instagram.com/wearequantumblack/
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