企業を取り巻く多様性って?
最近、ダイバーシティの観点から社会的マイノリティ(=少数派)の人々を理解していこうという考え方が、社会を賑わせている印象があります。
ダイバーシティをwikipediaで調べるとつぎのようにありました。
ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。 もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。 企業がダイバーシティを重視する背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがある。
よく取り上げられるものは、
・女性活躍
・障がい者雇用
・子育て支援
・介護支援
・LGBT(性的マイノリティ)
・外国人雇用
インターネットの記事を読み、悲しくなった記事がありました。
女性が妊娠し、職場への報告の際に
「妊娠してしまいました。すいません。。」
という内容でした。
なんたることなのか。
気持ちはわかります。
人数が少ない中で仕事を回している。
だからこその配慮としての「すいません」なんだと思います。
子育ても然り、介護支援も然りだと思います。
僕は思います。
そもそも経営者が考える事業モデルの詰めが甘い、もしくはリスク(ここでは人材離職リスク)への対応が弱かったのではないでしょうか。
事業を運営するうえで、社会や社会の変化を理解しておくことはとても大切だと思います。
社会があっての事業です。
自分たちが望む人材だけで、自分たちの考え方と完全にマッチした人とだけがビジネスを行うことは不可能です。
そう考えればこそ、経営者は多様性のある社会を理解し、多様性ある人々との接点をどうもつべきなのかを真剣に考えるべきなのではないでしょうか。
企業が多様性に取り組むことのメリットは?
企業が多様性への取り組みをするメリットは、一般的に対社内と対社外に分けて考えられます。
対社内では、人材確保/働きやすい職場環境の風土づくりが上げられます。
対社外では、新市場へのアプローチ(売上拡大の可能性)が上げられます。
日本の人口は2008年から減少に転じ、東京都の人口は2025年から減少傾向に転じるといわれています。
人材流出に待ったなしです。
それを考えると、対社内の観点からは、いろいろな人がより働きやすい職場環境をつくることは、人材確保につながることはとても大きなメリットだと思います。
対社外をみても、新たな市場が広がってくると思います。
子育てをしながら働く方が増えることで、保育園や幼稚園の充実。
介護を行いながら働く方のケアの観点からは、老人ホームやショートステイの施設の充実。
LGBT市場に向けた新商品/新サービスの充実。
企業が多様性に取り組むことは、売上拡大にも貢献するケースも考えられます。
ただし、大切なことは、目先のメリットに飛びつかないことです。
「人材が確保しやすいらしいから、ダイバーシティやろう!」
「売上上がりそうだから、LGBT支援しよう!」
この程度で取り組むと、なんとも薄っぺらい施策にしかならず、
当事者の人たちから「軽いな~」とすぐにばれます。
取り組むからには、真剣に頑張る、そこが大切です。
中小企業も取り組むべき?
中小企業も、というよりも中小企業だからこそ、取り組むべきと僕は思っています。
社会的マイノリティの人々は、悪いことをしていないのに肩身の狭い思いをしている方が多く存在ます。
日本企業のそのほとんどが中小企業です。
中小企業は、大企業に比べてグローバル化が遅いこともあり、人材確保の困難さがより顕著になってくると思われます。
ぜひ中小企業だからこそ、多様性理解に向けての取り組みを進めてみてはいかがでしょうか。
まずは「多様性ある社会を知る」ためにもセミナーへの参加がオススメです。
当事者だから思うこと
僕も社会的マイノリティです。
起業するまでは公にせず、生きてきました。
現在は、多くの方にマイノリティの観点も知ってもらいたく、クライアントの方々にはお伝えするようにしています。
また、僕自身が社会的マイノリティであるため、職場環境がフラットにコミュニケーションができているのではないかと感じています。
先日、マンションを購入する際に業者の方から「LGBT向けの不動産会社があるのでどうですか?」といわれ、業者の方がその不動産会社の方にあってきたそうです。
そのときの話を聞くと、その不動産業者は全然LGBTを理解されていなかったそうです・・・。
直接会わなくてよかった・・・。
当事者の人は、理解あるといわれると期待値が上がってしまうので、皆さん注意が必要です苦笑。