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ケタミンの効果とは?:うつ病治療における最新の革新

こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の小林です。

近年、抗うつ薬としても効果を発揮するということでケタミンが注目を集めていますが、

本記事では、そんなケタミンについてご紹介していきます。

ケタミンの抗うつ効果は?

ケタミンはもともと麻酔、鎮痛などに使われている薬です。つまりうつ病のための薬ではなかったのですが、抗うつ効果もあるということで注目されています。ケタミンを投与することで2時間以内に抗うつ作用を示し、その効果は数日間維持されると報告されています。既存の抗うつ効果が低いうつ病患者にも効果を発揮していて、抗うつ薬としても期待されています。

ケタミンの効果とは?

ケタミンは脳内の神経伝達物質であるNMDA受容体に作用します。NMDA受容体はグルタミン酸受容体の1つです。うつ病との関係性が深いセロトニン受容体との関係性は不明だったのですが、近年の研究の結果ケタミンがセロトニン受容体にも作用することが判明しました。セロトニン受容体が活性化することで幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの作用が強まり、抗うつ効果を発揮するというメカニズムです。

ケタミンの禁忌は?

ケタミンの禁忌として、妊娠、肝機能障害、重大な冠動脈疾患、精神病が挙げられています。抗うつ薬として注目されているケタミンの禁忌に精神病が含まれている点は着目すべきでしょう。ケタミンの投与によってうつ病を含む精神病を発症、悪化させる可能性もあるため、抗うつ薬としてケタミンを用いる際は副作用の影響も考慮して観察する必要があります。

ケタミンの効果時間は?

ケタミンを静脈内に投与すると、30~90秒で麻酔効果が現れます。麻酔効果は通常3~10分程度持続します。筋肉内に投与した場合は3~5分で麻酔効果が現れ、最大60分程度持続します。ただしこれは犬や猫での実験なので、人間でのデータは不足しています。また犬の実験ではケタミンは肝臓で代謝されますが、猫での実験では大部分が肝臓で代謝されずに腎臓から未変化で排出されます。

ケタミンの解離作用は?

ケタミンの解離作用とは、脳の一部を抑制、逆に一部を刺激し、結果的に脳の機能を解離させることです。具体的には、大脳皮質は抑制し、大脳辺縁系は刺激します。解離作用の影響により、幻覚、散瞳、眼振、顔面紅潮、筋緊張などが起こることがあります。

ケタミンの解離作用によって夢を見る場合もあり、これに関する実験が行われた事例もあります。ケタミンによって見る夢は不快と言われることがありますが、実験結果としてはケタミンと夢の内容の関係性は不明です。

健康な人が抗うつ剤を飲むとどうなる?

健康な人が抗うつ剤を飲むと、焦燥感や不安が強まり、自殺傾向を示す場合もあります。また長期的な視点では、うつ病の人が抗うつ剤を飲み続けた場合、自殺を含む死亡率が高まるというデータもあります。

うつ病の人のうち、抗うつ剤を飲む人と飲まない人を18年間継続的に比較したところ、抗うつ剤を飲む人の自殺を含む死亡率は3倍増えたと報告されています。抗うつ剤はうつ病を改善する効果があるものの、長期的に使用した場合や、ある程度改善に向かっているにも関わらず使用し続けた場合、かえってうつ病の症状を悪化させる可能性があると考えられます。

ケタミン麻酔の副作用は?

ケタミン麻酔の副作用として、痙攣、喉頭痙攣、声門痙攣、全身痙攣、夢、不整脈、 低血圧、頭痛、精神症状、流涙、発疹、嘔吐、などが挙げられます。これらの副作用は、ケタミンを抗うつ剤として使用した場合も、麻酔、鎮痛などの目的で使用した場合も同様に発生する可能性があります。

ケタミンを抗うつ剤として使用する場合、上記にくわえて他の抗うつ剤同様の副作用が発生するケースもあるでしょう。つまりうつ病をかえって悪化させる可能性があるということです。他の抗うつ剤同様、副作用も考慮しつつ観察し、適正な期間、分量で摂取する重要性が高いと考えられます。

ケタミン いつから違法?

ケタミンを許可なく所有するのは違法です。平成18年3月23日の政令改正によりケタミンが麻薬に指定され、平成19年1月1日の法令施行によって違法となりました。違反した場合、麻薬取締法違反になります。

具体的には、麻薬取締法は以下のように定められています。

(1)みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者は、1年以上10年以下の懲役。営利の目的で上記の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金。

(2)みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者は、7年以下の懲役。営利の目的で上記の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金。

ケタミンの毒性は?

ケタミンの毒性は用量依存性です。許容できる用量は人によって異なるため、経過観測が必要です。しかしいずれにしても極端に用量が増えると作用よりも副作用が目立つことは間違いないでしょう。作用と副作用のバランスを見て投与する必要があります。

即効性のある抗うつ薬は?

即効性のある抗うつ薬として注目されているのはアクサム・セラピューティクスのオーヴェリティです。オーヴェリティは早ければ1週間で効く新薬で、アメリカ食品医薬品局も承認しています。

多くの抗うつ薬はドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質に対して働きますが、オーヴェリティはグルタミン塩酸受容体に主に働きます。副作用については、概ね他の抗うつ薬と同等です。

最後に

抗うつ薬としても注目され始めたケタミンですが、その需要は徐々に増えつつあります。

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