1
/
5

【代表インタビュー前編】事業の失敗から始まった、コンサルファームとしての挑戦

こんにちは!株式会社ISSUE RESEARCH & TECHNOLOGIES(以下、ISSUE)の広報担当です。

実は当社、現在はコンサルティングファームとして事業を展開していますが、創業当初は小売事業を手がけていました。事業の失敗という苦い経験を経て、そこから得た学びが、今のISSUEの強みとなっています。

代表取締役の水野さんに、創業ストーリーについてインタビューしました。

建築家を目指した学生時代

── まずはこれまでのご経歴について教えてください。

大学では神戸大学の建築学科に進学しました。当時は「劇的ビフォーアフター」という番組に憧れて建築家を目指していました。依頼者が完成した家を見て涙を流す姿に感動し、「人を喜ばせる仕事がしたい」と思ったんです。

── そこから方向転換された理由は?

大学3年のとき、建築家の道を諦めることにしました。きっかけは、ある有名な建築家から「建築家は下積みが長く、成果が出るのは40代かもしれない」と聞いたことです。当時の私は、そこまで時間をかける自信がありませんでした。また、自分にデザインの才能がないと感じたのも理由の一つです。それで、新しい道を探そうと、いろいろな学生団体に参加していました。

大手証券会社の営業、ベンチャー企業のCFO、そしてコンサルティングファームへ

── 新卒からこれまでの経歴を教えてください。

家系に証券や銀行関係の人が多かったのもあり、新卒では証券会社に入社しました。そこでは約5年間、個人・法人向けの資産運用営業を経験しました。

この営業経験で培った「やり切る力」は、独立した今でも大いに役立っています。よくコンサルで言われる「エクセルスキル」や「論点整理」などは、後から身につけられるものです。でも営業のように、相手ありきの不確実性の高い環境で成果を出す力は、簡単には身につきません。経営を目指す人には、ぜひ営業を経験してほしいと個人的に思います。

── 次に選ばれたキャリアは何ですか?

次にITベンチャーの株式会社ファインズにCFOとして入社しました。当時の社長である武吉さんは、私が証券時代に担当していた中で一番若いお客様でした。上場を目指していた会社だったので、「証券出身の人が欲しい」と誘われたのがきっかけです。

ファインズには4年在籍しましたが、最初の1.5年は本当に苦労しました。当時28歳で、CFOとして入社したものの、必要なスキルはほとんど無くて即戦力とは程遠い状況です。そんなの、生え抜きの社員からの反発があるに決まっていますよね。「四面楚歌ってこういうことか」と思う日々でした(笑)。それでも自腹で学習教材を購入して事業計画を学び、必死に努力しました。

──  それでも続けられた理由は?

社長の武吉さんが信頼してくれたからですね。「難しくてもお前は最後はできるだろう」というスタンスで見守ってくれました。最初は苦しかったものの、その後は子会社を2社立ち上げるなど成果も出せて、私自身にもCFOとしての力がつき、結果的には良い経験でした。

── ファインズの後、なぜコンサルティングファームのYCP Japanに移られたのですか?

「経営の意思決定の場数を増やしたい」と思ったことと、「プロフェッショナルと働く経験を積みたい」と考えたからです。YCPは「経営者を輩出する」という理念を掲げ、PEファンドが設立した会社で、自社で買収した企業の経営にも関われる環境でした。

── YCPへの転職は、CFOからCEOの領域に進むためのステップという感じですか?

そうですね。ファインズに入ったときからいつかはCEOになりたいと思っていました。ただ、その前にCFOとしての力を蓄えることも重視していました。

そして、ファインズで武吉さんと一緒に働いた経験が、僕の考え方を大きく変えました。僕の経営者のモデルには、武吉さんが影響しています。「自分が満足する人生を送るには経営者になるしかない」と思わせてくれたんです。それまで漠然と「なれたらいいな」と考えていたのが、「経営者しかない」と完全に振り切りました。

── 武吉さんのどのようなところに影響を受けましたか?

彼はめちゃくちゃ自由で勝手なんですよ(笑)。でも人を大事にする人で、正直で面白い人です。エクセルやパワポは全然できなくても、人を惹きつけ、会社を成長させる力があるんです。その姿を見て、自分も経営者を強く志すようになりました。

事業の失敗から得た、コンサルとしての強み

── 自分で事業を作るまでの経緯を教えてください。

もともと35歳までには自分の会社を持つと決めて、その時点での自分の能力がどうであれ、「その時に持っているもので勝負しよう」と考えていました。それで35歳を迎えたタイミングでISSUEを立ち上げました。

現在ISSUEはコンサルティングファームとして事業を展開していますが、最初は男性向けのヘルスケア商品を販売する事業会社としてスタートしました。

── 最初は事業会社だったんですね!

そうなんです。ファインズが事業会社だったことも影響しましたし、コンサルティングをしていると、事業会社に憧れるんですよね。コンサルは意思決定を支援する立場で、自分でリスクを取るわけではありません。だから、自分で事業をやる側になりたいと思いました。同じように考えていた当時の同僚3人で休日に事業案を議論し、そのメンバーで起業しました。

── どのような事業を計画していたのですか?

AGA向けヘルスケア商品をECで販売する事業を計画し、自己資金でスタートしました。その後、エクイティ調達を目指してVCに会いにも行きましたが、調達直前に競合企業が大規模な資金調達を実施したんです。「これは勝てない」と判断し、事業を撤退しました。

── 実際に事業を起こした経験が、今のコンサルティングに役立っていますか?

失敗経験から得られた強みは、2つあると思っています。

1つ目は、意思決定者の気持ちがわかること。新規事業を立ち上げる際、責任を負っている人が感じるプレッシャーって非常に大きいんですよ。特に大企業では、失敗すれば評価されず、実績にもなりません。だから意思決定がものすごく怖いんです。その恐怖を乗り越えて意思決定するには、しっかりと材料を集め、納得感を持つことが必要です。こうした意思決定をする人の心情を肌感覚で理解しているのは、私の大きな強みだと思います。

新規事業はロジカルさだけでは上手くいきません。エモーショナルな部分も非常に重要です。ISSUEではロジカルとエモーショナルの両方を大事にしていて、これが他のファームと明確に違う点だと思います。この感覚は、自分で事業に挑戦したからこそ得られたものです。

── 確かにエモーショナルな部分も大切にしているのは、ISSUEの特徴ですね。もう1つの強みは何ですか?

2つ目は、「調査の粒度」です。新規事業の市場リサーチを依頼された際、通常のコンサルでは3C分析やKSF(成功要因)の特定など、フレームワークに基づく分析が一般的です。

しかし、実際に事業を進める時はコンサルの人が考える以上に細かい粒度でわからないと、実行まで伴わないことが多いです。調査によって漠然としたことがわかっても、その状態だと次に何をしていいかわかりません。新規事業には「ここがわからないと次に進まない」というものがあります。

例えば、私が過去に手がけた事業では、医療系だったので法規制が非常に厳しく、さらに必要な人材確保にも大きな課題がありました。「薬剤師がいないと事業が成立しない」や、「販売可能な場所に制限がある」といった、事業を進めるための絶対条件を細かく把握する必要がありました。

こうした「事業の勘どころ」や、実際に進めるための情報の粒度があるからこそ、お客様との会話も噛み合うし、アウトプットにも実行可能性が伴うと思っています。ただの構造化された情報ではなく、「ここに注意して進めたほうが良い」という具体的なアドバイスを出せるのは、私自身が事業に挑戦した経験があるからこそだと思います。

── 実際に事業に挑戦した経験があるからこその具体的なアドバイスが、お客様にとって大きな価値になりそうですね。ありがとうございました。

インタビューの後編では、ISSUEのこれからについてお伺いします!


株式会社ISSUE RESEARCH & TECHNOLOGIESからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
株式会社ISSUE RESEARCH & TECHNOLOGIESでは一緒に働く仲間を募集しています
3 いいね!
3 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

島津 由さんにいいねを伝えよう
島津 由さんや会社があなたに興味を持つかも