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「自分自身が人生の主人公だ」と思うきっかけづくり~九州大学「キャリアのための自己探求学」の講師として

こんにちは!株式会社ジコウの有留です。

今回から、ジコウのCEO以外にも様々な顔を持つ平田さんにインタビュー企画を行うことになりました👏

第一弾は、平田さんが講師を務めている、九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センターの「キャリアのための自己探求学」という授業についてお話を伺います。

今年度から文部科学省のアントレプレナーシップ推進大使にも任命された平田さんの思いに迫ります!


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目次

  • 🌟キャリアのための自己探求学とは
  • 🌟なぜこの授業をやっているのか?
  • 🌟どういう授業なのか?
  • 🌟今後この授業をどうしていきたいか?
  • 🌟読者へのメッセージ


🌟キャリアのための自己探求学とは

有留:「キャリアのための自己探求学」とはどのような授業なのでしょうか?

平田:「キャリアのための自己探求学」は、九州大学の学生を対象に、2022年度から1年に二回、春と冬に2日間の集中講義の形式で開講しています。
自身のライフチャートをもとにした学生同士の意見交換やゲストとのディスカッション等を行い、「自分らしさ」について考える時間を過ごします。

▲授業の様子

🌟なぜこの授業をやっているのか?

有留:「キャリアのための自己探求学」を始めるきっかけとなった出来事や思いは何ですか?

平田:この授業を始めたきっかけは、2020年から九州大学の起業家精神を育む授業の講師を担当する中で、就職活動に関する相談が非常に多かったことです。私は、学生たちが自分自身の人生や価値観について深く考える機会が少ないのではないかと思いました。
私自身も新卒社会人のころ、社会人としての人生をどうしていきたいかをほぼ考えずに働いていました。その経験から、「いい会社に入る」という選択肢を選ぶだけでなく、自分の人生やこれまでの価値観を知る機会が非常に重要だと感じるようになりました。
そこで、多くの学生に対して、就職活動が本格化する前の一定期間に集中的に授業を行うことを提案しました。この授業を通じて、学生たちが自己理解を深め、自分自身の人生に対する視点を広げるきっかけを提供したいと考えています。


有留:この授業を通じて、受講生にどのような変化や成長を期待していますか?

平田:この授業を通じて、受講生には「自分自身が人生の主人公なんだ」という思いを持つきっかけをつかんでほしいと考えています。そのため、授業では講師やゲストの生き方を教えるのではなく、学生自身がどう生きたいかを軸にして情報を取り込んでもらいます。
学生同士の対話を重視し、同世代の受講生と意見を交わす中で、自分が本当にどうしたいかを深く考える機会を提供します。この授業で言う「キャリア」とは、特定の会社に入ることを指しているのではありません。むしろ、自分自身がどう生きていきたいかを模索することを目指しています。
受講生たちが、自分自身の人生に対するオーナーシップを持ち、自分の価値観や目標を明確にすることで、納得感のある選択ができるようになることを期待しています。


🌟どういう授業なのか?

有留:講義形式ではなく、学生自身が考えたり、学生同士での対話を重視しているのはなぜですか?

平田:この授業は、自分自身の幼少期から今に至るまでの出来事を通じて、その人自身の価値観を探ることを重要視しています。生まれ育ちは全く異なる学生たちが、同じ環境で学んでいる中でお互いの話を聞くことにより、自分自身に対して新たな気づきを得ることができます。

九州大学の学生といっても、それぞれの人生経験は大きく異なります。だからこそ、多様な気づきを得ることが大切だと考えています。価値観は相対的なものであり、自分の価値観を一つに決めつけることなく、さまざまな人と対話を重ねることで視野を広げることができます。そのため、授業では5回くらいペアを変え、異なる10人の人生を聞く機会を設けています。


有留:価値観が相対的なものとはどういうことでしょうか?

平田:価値観は状況によって変わるものだと思っています。誰と話すか、いつ話すか、どんな状況で話すかによって、その人らしさや価値観は変わるものです。授業では「環境と自我の相互作用」という概念を使っています。これは、自分がいる環境によって価値観や自我が形成されるということです。

多くの人と話す中で、学生たちは自己理解を深め、自分の価値観がどのように形成されてきたのかを認識できるようになります。これが、授業で対話を重視している理由です。


▲「キャリアのための自己探求学」より引用


有留:授業をする中で、印象的だった学生の言葉や変化はありますか?

平田:特に印象的だったのは、自己受容できていない学生たちが、授業を通じて少しずつ前進していく様子です。この授業は、過去の経験や価値観を、将来どうなりたいかに変換することを目的としています。
ある学生は、初めは人と話すことに緊張していましたが、学生同士で話すことを通じて、少しずつ前進することができました。将来について共有する中で、その緊張を乗り越えられたのです。
また、自分に対してネガティブな思い込みを持っていた学生が、初対面の人と話してフィードバックをもらう中で、自分の人生について話せることに気づきました。そして、「自分ができないと決めつけていたのは自分だけだった」と気づいたとき、その変化を見て非常に嬉しく思いました。こうした学生たちの成長を見ることが、私にとって最も印象的であり、やりがいを感じる瞬間です。

🌟今後この授業をどうしていきたいか?

有留:今後、この授業をどのように発展させていきたいと考えていますか?将来的なビジョンについて教えてください。

平田:九州大学の先生方とも話している大きな目標として、九州大学の全学生がこの授業を受けることを目指しています。地方にいるからとか、特定の家庭環境だからといった理由で可能性を狭めてしまう学生たちに、この授業を広く提供したいです。

さらに、私たちのミッションで「あらゆるおとな」を掲げていることから、はたらくビジネスパーソンや子育てをしている親にもこの授業を提供できたらいいなと思っています。全員が「自分自身が人生の主人公なんだ」と感じられるようになることが目標です。

多くの人にこのプログラムを提供し、自己発見と成長の機会を広げていきたいと考えています。



🌟読者へのメッセージ

有留:ジコウやキャリアに関する仕事に興味がある人に向けて、どのようなメッセージを伝えたいですか?

平田:私たちは、はたらくおとなの創意工夫に貢献する事業を作ることを目指しています。
今回お話しした授業は学生向けへの提供ですが、おとなに向けては、事業を通して「自分自身が主人公だと思えるコンテンツ」を提供したいと思っています。
もし少しでも共感したり、事業に興味がある方がいたら、ぜひ声をかけてください!


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