なにをやっているのか
ランデフトは、持続可能な未来のためによりよい素材を追求する材料科学者を支援するBtoB SaaSスタートアップです。これまで無視されてきた材料科学者の強いニーズに応えるため、誰も聞いたことがないユニークなプロダクトを作っています。2021年12月時点でクローズドテスト版を開発しており、並行してすでに弊社プロダクトに興味を持っている国内の素材系大企業約10社と対話を始めています。
なぜやるのか
もしあなたが材料科学に携わったことがあるならば、数年前の測定や解析の結果を探すことがいかに面倒か知っていますよね。私たちはこの課題を解決し、データストレージの底に埋もれた研究データの価値を掘り返します。ここでは、私たちの事業の面白さを伝えるために社会における材料科学の位置付けや専門家のニーズの背景について簡単に説明します。
- 素材はいたるところに
「素材」という単語を聞いてもそれが日常生活とどう関わっているのかピンと来ない方が多いかもしれません。実は、素材は文字通りそこらじゅうに溢れています。車、住宅、ノートパソコン、スマートフォンなど現代社会に欠かせないあらゆるものが最先端の多様な素材、あるいは言い換えると材料科学者の絶え間ない多大な努力の結晶に支えられています。リチウムイオン電池は良い例です。1970年代にリチウムイオンを充電池に使うアイディアが提案されてから製品化まで20年以上の月日がかかりました。こういった研究者たちの絶え間ない努力がなければ、私たちは日々の生活にすっかり浸透したモバイル機器の利便性を享受できていません。身の回りの製品の意識したこともない大事な部品の一つ一つにこのような研究の歴史があると考えると、材料科学の進歩がいかに社会に大きな影響を与えうるかがわかります。
- データがデータ活用の障壁に
材料科学という単語は、金属、ガラス、ゴム、プラスチック、磁石、電池、その他の耳慣れない名前のついた機能性材料に関する多様な研究分野の総称です。その多様さは相当で、ある二つのカテゴリの間に固体であるという以外の共通点がみつけられないことがあるほどです(例えば金属とゴム、ガラスとプラスチックなど)。この本質的な多様さは研究が進むにつれてデータのタイプやフォーマットとしてどんどん増大していきます。一方、他のビジネスの領域と同様に、機械学習を使ったデータ駆動型のアプローチは科学の世界でも注目されており、材料科学も例外ではありません。このようなアプローチはできる限り整理された入力データを必要としますが、これは材料科学者が日々目にする実験ノートや自分のノートパソコン、あるいは研究室の共有ファイルサーバーにおける状況とは大きくかけ離れています。私たちの調査によると99%の材料科学者がデータの取り扱いに関する問題を抱えています(そう、99%です)。私たちはこの問題を解決して、放置されたデータに再び価値を与え、材料科学者が研究データを円滑に見つけて共有できるようにします。
- 誰も聞いてこなかった声を聞く
データ管理はいろいろな科学の分野においてずっと頭痛の種でした。研究者人口が多かったり、研究費が潤沢な分野には外部のソフトウェア会社による支援があったものの、材料科学ではそういったことは起きていません。データ駆動型科学の台頭により、データ管理インフラの改善から得られる恩恵はこれまでになく大きくなっており研究者たちは解決策を探しています。私たちは今まで誰も聞いてこなかった彼らの声に耳を傾けます。
どうやっているのか
- カルチャー
設立したばかりのため、まだ組織の文化と呼べるものはありません。ただ、CEOが大人数でワイワイ騒ぐよりも話すときに大きな声を出さなくてよい程度の少人数でしっぽり飲むことを好むタイプであることから、ある程度の方向性はすでに決まっているかもしれません。
- 早めの国際化
弊社が解決しようとしている課題は世界中の研究の現場で生じています。また、日本におけるエンジニア不足は年々深刻になっていくことが目に見えています。弊社は早い段階でインターナショナルなチームになることを目指し、現在のチームメンバーは全員日本人ですが、近日外国籍エンジニアがフルタイムでジョイン予定となっています。まずは開発に関わるやりとりに部分的に英語を導入する可能性が高いです。
- プライベート生活の尊重
若いメンバーの多いスタートアップでは長時間がんばるという方式も可能かもしれませんが、家族のいる30代半ばのCEOが創業した会社にはそのような仕事の進め方はマッチしません(あるいは体力的にも時間的にも不可能です)。メンバー全員がそれぞれに大切にする時間を確保しながら仕事を進められるような制度や文化の構築を目指します。
- 時間と場所
全員フルリモートで副業メンバーを中心にして開発が始まったこともあり、時間と場所に関する制約は今のところ何もありません。今後、フルタイム勤務の方の場合はコアタイムを設定するかもしれませんし、ときおり対面でのコミュニケーションを主な目的としたオンサイトミーティングを開催するかもしれません。いずれにしろ、できる限り柔軟なコミットの仕方ができるようにしたいです。