サイバーエージェントを辞めて、Iターン社長になったワケ(上) | 株式会社プロジェクトタネ
「方言で世界を語る」というビジョンを掲げ、インターネットを通じて北陸に新たな産業を創り出すwebマーケティング専門のプロフェッショナル集団、株式会社プロジェクトタネ。今回は、タネの生みの親である...
https://www.wantedly.com/companies/company_6707423/post_articles/891310
「方言で世界を語る」というビジョンを掲げ、インターネットを通じて北陸に新たな産業を創り出すwebマーケティング専門のプロフェッショナル集団、株式会社プロジェクトタネ。
今回は、タネの生みの親である代表取締役社長の髙平聡さんに、タネが生まれた理由や思いについて、じっくりお話を伺ってきました。
※こちらの記事は【後編】になります。
【前編】【中編】はこちらから!
ーーー起業してからの8年間を振り返ってみていかがですか。良くも悪くも、印象に残っていることはありますか。
髙平さん:
嬉しかったことで言えば、社員総会を開催する部屋が年々大きくなっていることですかね(笑)。
志を同じくする仲間が増えたおかげで、少しずつ実現できることが増えてきたのは、素直に嬉しいですね。きっと自分一人では成し遂げられなかったので。
ーーーそうですね。では反対に、大変だったことはありますか。
髙平さん:
大変だったことか…。ありすぎて選べないです(笑)。
実は、タネを創業してから、自分自身が十分に満足できる結果を出せたことが一度もないんですよね…。まだまだできるはずだと悔しい思いをすることばかりなので。
ーーーそうでしたか。
髙平さん:
余談にはなりますが、今だから笑えるしょうもない失敗談はあります(笑)。
富山県からの案件で、一部5枚程度の書類を約4000部印刷して、各所に送付しなければならないことがあったんです。社内のプリンターを昼夜問わずフル稼働させてるのに、永遠に終わりが見えない、、っていうのはありましたね。
ーーーすみません。クスッと笑ってしまいました。
髙平さん:
ですよね(笑)。今となっては笑い話ですが、その当時は本当に必死でしたよ。
この話の教訓としては、「納品する」ということが、いかに大変かという気付きと学びではあるんですけど(笑)。納品まで時間が迫る中、「このペースで印刷が仕上がるのを待ってたら、寝る時間がない!そもそも間にも合わないぞ!」というような危機感や悲壮感を覚えましたね。
焦る気持ちとは裏腹に、夜中にプリンタが目詰まりを起こして全く印刷できておらず、翌朝出社して絶望したっていうトラブルもあったりして…。今だから「しょうもねー!」って笑えますけど、その時はもう必死でしたよ。大きな売上がかかった大事な仕事でしたから!
ーーー心中お察しします…。
ーーーまだまだ発展途中のタネになりますが、そんなタネで働くことのやりがいや、髙平さんが仕事をする上で大切にしている思いとはなんでしょうか。
髙平さん:
日本の99.7%は中小企業であり、その大半が地方に集中しています。そして、これらの中小企業では、マーケティングや採用に関する課題を抱えているケースがほとんどです。デジタルマーケティング業界の主戦場というと東京であり、地方では大きく遅れをとっているのが実情です。もちろん北陸においても、「ウェブに興味があるのに、使いこなせていない」といった企業がまだまだ多く残されています。
ーーーそうですね。
髙平さん:
デジタルマーケティングを武器に、こういった地方のお客様の経営課題を共に解決していくことが、この仕事のやりがいであり、タネの存在意義でもあります。
ーーーなるほど。では、髙平さん個人がやりがいを感じる瞬間とはいつでしょうか。
髙平さん:
実は、今年度の新入社員に内定を出す際に、「この先何があっても、これだけは約束します」と伝えたことがあります。それは、「あなたたちがたとえどこに行ったとしても、誰からも必要とされる、『徳』と『才』を兼ね備えた活躍人材に育てあげます」ということです。
これが経営者としての僕の使命であり、責任でもあると自覚しています。「いち社会人として生き抜いていくための"自力"と"人間力"を育むための修練の場として、プロジェクトタネが存在していたい」と考えています。
ーーー確かに。私自身もタネで、人間的に成長できる機会をたくさん与えてもらっていると感じています。
髙平さん:
やっぱり、こうして私たちが、この会社という場所で出会えたご縁は、奇跡そのものだと思うんです。こうしたご縁をいただいたからには、「(社員に対して)何かしらの貢献をしたい」「(社員の)人生に良い影響を与えたい」。そして、「お互いがお互いのパワーパートナーでありたい」と思っています。
「パワーパートナーになる」とは、"自分が成功させたい人でかつ、その人の成功が自分にとっての成功にもなる人″として、お互いに良い関係を築くことであり、そのためには、まず自分が社員の思いに応えなくてはならないと考えています。
ーーーなるほど。
そんな高い志を掲げる髙平さんの今後の目標を教えてください。
髙平さん:
創業当時から掲げる、「北陸のサイバーエージェントをつくる」という目標は変わらないです。「北陸の希望の星」になりたい!と思っています。 特に若者や女性が未来永劫に活躍する上での希望になりたいですね。
ーーータネでは、「北陸のサイバーエージェント」を目標に掲げていますが、サイバーエージェントとは一味違う、タネならではの魅力とはなんでしょうか。
髙平さん:
ただ世の中の流行りを地方に持ってきただけでは、失敗するのがオチだと思うんです。地方には、土地柄に合ったそれぞれの手段や方法があるはずなんです。だからこそ、ローカルの特性を活かした戦い方が、タネのオリジナリティであり、強みであると考えています。サイバーエージェントは日本一の会社ですが、「地方ローカルで一番」はタネが目指せるポジションであると確信しています。
ーーー確かに、そう思います。
髙平さん:
例えば、北陸で暮らす人々と言えば、真面目で働き者で我慢強いといったイメージがありますよね。北陸と同様に、日本全国各地域に、そこに根差して暮らす人たちがいて、そこでつくり上げられた独自の文化や風土が存在しています。
ーーーええ。
髙平さん:
タネの事業コンセプトは農業と共通しています。
地域の風土に適した土壌づくりや品種改良を施した上で、アイデアの種をまく。つまり、「地方の企業が抱える課題を発見し、解決に至るまで併走していく」。これこそが、単なるサイバーエージェントの真似事ではなく、創業時から大切にしているタネの核の部分になりますね。そして、タネという社名の由来にもなっています。
ーーーなるほど。
また、自分たちが良いと思えるサービスを突き詰めていくことが、世の中に求められるものをつくることにもつながっていると考えています。だからこそ、まずは、自分たちが望むものをつくるべく日々邁進しています。これは、「自分たちの手でいい会社を創ろう!」という採用メッセージに通じるところになります。
ーーー採用メッセージであるとともに、タネの存在意義が集約されているんですね。
ーーー個人的な目標や志についてはいかがでしょうか。
髙平さん:
「組織はリーダーの器以上にはならない」と言われるように、タネとして高い目標を掲げるのであれば、「まずは自分がそれに見合った成長をしないといけない」という意識は常に強く持っています。
例えば、一流企業になるためには、まずは自分が一流企業の社長らしくならなければなりません。一流企業のリーダーとしての、「徳」と「才」を兼ね備えた人間になることが、今の自分にとっての課題になります。中身も見た目も含めてですね。
ーーー以前確か、「見た目から入ってみた」とイメチェンされてましたよね。
髙平さん:
そうですそうです!それでまず髪を切りました。最近は、フルオーダーのスーツも作りました!(笑)
アチーブメント社の青木仁志社長の言葉を借りれば、「達成する前に達成している」ということです。つまり、「こういうふうになりたいと自分の中で決めた時点で、その状態をイメージできている。それはすでに達成していると同じ」ということです。
イメージができてしまえば、そのイメージに自分を近づけていくだけということなんですが、私の場合だと、いわゆる一流企業の社長ってどんな感じなんだろう、みたいなところからイメージを膨らませていって、知識や教養、外見も含めて、近づけるようにまだまだ模索している最中です。
ーーーーちなみに尊敬する経営者の具体例を挙げるとすると。
髙平さん:
サイバーエージェントの藤田社長と京セラ創業者の稲盛さんが一番尊敬している経営者です。その他にもUSENなどで活躍された宇野さんや、リクルートの創業者である江副さんも、影響を受けている憧れの経営者の方々になりますね。
ーーー最後に、働く仲間への思いやメッセージをお願いします。
髙平さん:
先程の繰り返しにはなりますが、「誰からも必要とされる人材に育てます」ということは必ず約束します。
そして、「仲間の可能性を強く信じ続けること」「否定しないこと」。これらは全て、タネのフィロソフィーにも通じる部分でもあるので、この姿勢で一人一人に向き合っていきます。
あとは、僕の人生理念である「敬意」と「感謝」と「責任感」を、仕事を通じて皆さんにしっかりと体現していきたいと思います。
ーーー貴重なお話ありがとうございました。
髙平さん:
この取材を通じて、色んなことがあったなと思い出させてもらいましたし、改めてタネの存在意義などに気付かされました。大事なことをたくさん思い出させてくれてありがとうございました。