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【社員インタビュー】研究分野を活かして事業化した大学発ベンチャーを創業期から知るメンバーが語る、インフラ業界で働く理由

アーバンエックステクノロジーズは、都市インフラのアップデートをミッションに掲げ、主に自治体向けにサービスを展開しています。代表の前田さんの大学時代の研究が事業に繋がった経緯があるアーバンエックスには、前田さんの大学時代を知る同期もジョインしてくれています。今日は、都市インフラのデータを専門とし、大学時代は同じ学科で苦楽を共にしてきた福冨さんのインタビューをお届けします。

福冨 義章

大学院にて交通工学・空間情報学を専攻した後、高速道路会社へ入社。新線の建設工事現場の管理や、道路交通情報データの収集・提供・利活用業務に従事。渋滞予測や安全運転のポイントをメディア等で一般向けに解説する「高速道路ドライブアドバイザー」も務める。その後、自治体向けの公共交通データ基盤の構築・利活用に携わるスタートアップを経て、2024年3月より当社に参画。


大学時代の専門分野は交通工学。経験を活かしたやりがいある仕事に就く

— これまでのキャリアについて教えてください。

大学時代は、代表の前田さんと同じ専攻で学んでいました。
前田さんは当時から「My City Report for Citizens」のプロトタイプとなるサービスを開発し、自治体との実証実験を始めていたのでそれを横で見て、応援していました。

私は、前田さんとともに大学院まで学び、卒業後は高速道路を運営する会社に入社しました。

最初の配属は新線の建設工事のプロジェクトチームで、八王子エリアを担当。皆さんがよく知るような高速道路の建設工事が円滑に進むよう、発注者として建設コンサルティング会社や、実際に工事を請け負う建設会社と会話をしながら、現場でどのような問題が起きているかを把握し、課題解決のための方針検討や安全管理などを担当しました。

工事は長期間に渡りますし、沿線の住民や市区町村にも大きな影響があります。そのため、役所への申請や地権者の方、近隣住民の方ともコミュニケーションを図り、工事に対するご理解を得るのも仕事でした。

アーバンエックスのこれまでの歩み。学部生だった2016年の頃から実証実験は始まっていた

入社した初年度から、数十億単位のプロジェクトを同時並行で担当するダイナミックな仕事でした。

仕事を覚えていく中で、入社前に「高速道路建設」に対して抱いていたイメージが思い切り覆されましたね。入社前は、あれだけ広い地域に影響があるので、住民の方などからのお声は、ある程度汲み取れない、強く言えば無視しせざるを得ない場面もあるのだろうと想像していたんです。しかし、実際に現場に立ってみると、驚くほど丁寧に地元の皆さんに工事背景や影響を説明し、ご要望にはしっかり耳を傾け、できる限り希望を反映する努力をしていたんです。「早く道路を通してほしい」と心待ちにされる地元の方のお声も多く聞かれ、経済的にも影響が大きいことを実感する現場でした。

高速道路を運営する会社での勤務時代のお写真

3年ほどその部署を経験した後、「道路管制センター」という壁一面に道路状況をチェックするためのモニターが設置してある、その隣の部屋で働いていました(笑)

道路管制センターに集められた交通データ、例えば「渋滞データ」や「事故の発生データ」などを解析して、通行止めや車線規制がお客さまへ与えてしまう影響をシミュレーションして工事の計画をサポートしたり、交通事故が多い地点・シチュエーションに合わせた対策を計画する等の業務を担当していました。

マスコミなどを通じてお盆や年末年始の渋滞予測をお客さまにわかり易く伝える役割も担っていましたね。この交通データの分野は大学時代の専門だったので、これまで学んだ専門性を存分に活かすことができて楽しい部署でした。

学んできたことに驚くほどフィットした現場で働けていて楽しい社会人生活だったのですが、新卒の何も知らない就職活動の選択にそのまま40年近い人生を委ねるのは違うだろうと考えていたので、社内を含めて、社外にも新しいキャリアの選択肢はないのかは考えていました。人生、選択を続けた方が面白いことが起きるというのがモットーなので!

そんな気持ちで、2社目の公共交通データ基盤の構築・利活用に携わるスタートアップ企業に転職しました。日本は公共交通をそれぞれ異なる機関が運営していて、それぞれに異なるデータや支払い情報、時刻表などを持ってバラバラに動いています。そこをデータの力で統合し、一つのサービスとして展開することで地方創生や観光客の域内回遊のしやすさなどに繋げる事業を行っていました。

労働人口不足に伴って、自治体もDXに充てる予算を増やすトレンドになったものの、自治体の皆様にとって未知の領域のサービスを提供していた会社だったこともあり、受け入れていただくのには大変時間がかかりましたね。

大学時代、近くで見ていた同期が創業した会社へジョイン

— そこから大学時代の仲間である前田さんと一緒に働こうと決意されるまではどんな経緯があったのでしょう?

同じ専攻で学んでいたので、卒論の頃から「ちばレポ」を扱っていたことなどはよく見ていました。

使った市民の約90%の意識が変化。まちと市民を繋ぎ、シビックプライドを育てる「My City Report for citizens」の活用ストーリー(千葉市編)|My City Report コンソーシアム
市民の投稿によりまちの「こまった」をはじめとした情報を収集する市民協働投稿サービス「My City Report for citizens」。 このサービスは、千葉市が地域の情報を収集する仕組み「ちばレポ」を前身としたもので、現在は「My City Report for citizens」として全国展開され、全国27の自治体に導入されています(2023年6月現在)。 今回は、My City Report for citizensの前身となる「(旧)ちばレポ」が生まれた場所であり、現在も様々な方法で市民との
https://note.com/mcr_consortium/n/n83567cd9e53e

同じ専攻だったくらいなので、自身のこれまでの経験を活かせる分野の会社を起こしているのもわかっていたので、転職を考える際に自分から「募集してないの?」と声をかけたのがきっかけですね。

— 常に働く場所に対して「選択」を続ける福冨さんが、3社目のアーバンエックスを選ぶ際に重要視したのはどんな点でしょうか?

業務分野が自分の興味に合っているかどうかは常に大前提として、あとは働き方が自分に合っていそうかどうか、でした。

1社目が伝統的な大企業、2社目が創業数年のスタートアップだったので、それぞれの良し悪しや特徴がある程度把握できたと感じています。その結果、自分には後者の働き方が合っていそうだ、と思った訳です。

大企業には多くのルールがあり、勿論それぞれは何らかの意図を持って制定されたものなのですが、中には時間の経過で形骸化して単なる風習と化してしまったり、その現場・その状況には適切でないと考えられる場面でも形式的に適用されてしまったりして、無駄な作業や制約を生んでいるだけではないか?と感じられる場面も多々ありました。
では、ルールのほうを変えようか、としても、それはそれで非常に労力を使う訳です。

その点、これからルールが出来上がっていくスタートアップでは、その場に合った最低限の決めごとだけをしていけば良いですし、人数も少ないのでルールの柔軟な改廃も大企業に比べればあっという間に可能です。勿論、ルールが無いことによる苦労もたくさんあるんですけどね。

例えば、私は1社目でコロナ禍を迎え、テレワークの導入も急遽決まりました。現場を持っている会社なので全面的には無理ですが、それでもテレワークで出来る仕事も沢山あったので、私は出社と在宅を上手く組み合わせて働いていました。

幸いにして私の上司は柔軟で理解のある方だったのですが、中にはテレワーク自体をサボりだと言うような人もいたようです。組織自身がそれまでテレワークなど全く想定してこなかったので、ある意味これが自然な成り行きかなとも思います。

一方で、スタートアップであれば、初めからテレワークを前提とした制度設計ができます。そもそも当社はコロナ真っ只中の2020年4月創業ですしね。

もちろん大企業にはスタートアップには無い良いところもあるので、あとは自分がどんな環境が良いか次第なのですが、私には、スタートアップの働き方が合っているなと感じたんです。

アーバンエックスの技術を「気づかれないくらい当たり前に」

— 現在は、どんな業務を担当されていますか?

同じく事業開発担当の山本さんと一緒に、新設のユニットで、アーバンエックスの既存の技術を使った新たな活用シーンを生み出せないか、日々検討しています。「RoadManage」「My City Report」「ドラレコ・ロードマネージャー」以外の領域はこのユニットで担っています。最近発表したものでいうと、東京都と運用が始まった盛り土のプロジェクトなどもその一つです。

市民投稿で盛土を管理する新サービス「まもりど」を公開!東京都での運用を開始、全国の自治体への展開を目指す
株式会社アーバンエックステクノロジーズ(本社:東京都渋谷区、以下 アーバンエックス)は、自治体が行う盛土管理業...
https://urbanx-tech.com/news/3537
ドラレコ活用安全マップ  園児散歩危険な道把握
【読売新聞】ドライブレコーダー(ドラレコ)などに自動車が走行中に記録したデータを活用し、交通安全に役立てる取り組みが広がっている。交通量の多い危険な道路を把握して散歩コースを決めたり、修繕が必要な損傷箇所を見つけて道路点検に役立てた
https://www.yomiuri.co.jp/local/tokyo23/news/20240808-OYTNT50021/

カメラで撮影した画像データの解析を応用していくことで新しいビジネスを模索中です。

— 福冨さんご自身は、事業開発担当として働くのは初めてなんですよね。

そうなんです。

事業開発といっても会社によってやることや業務フローは異なると思いますが、アーバンエックスの場合は、大学やインフラ関連企業を通したパイプがすでにあるので、ご連絡をいただいた事業会社の新規事業部門の担当者の方などとお会いし、弊社の技術や強みを紹介。その後、企業の課題を、アーバンエックスの技術を使って解決できないか考えるために、とにかく相手のお困りごとや人手を要している業務についてヒアリングします。

それを持ち帰り、解決策をチームでブレストしながら、次の提案に持っていく流れです。その提案を飲んでもらえたら、PoC(概念実証)が始まります。2024年4月から始まったばかりの部署なので、これから徐々にやれることを増やしていきたいと思っています。

— 日頃からお客さまの課題と向き合っている福冨さんの目線では、アーバンエックスの技術や取り組みの将来性をどうお考えでしょうか。

労働人口が不足しているのは、お客さまとの会話の中などから日々実感しています。これから社会全体として人が減ることによる影響は大きくなっていくでしょう。そんな社会課題を解決に導ける「技術革新」を起こせる会社は、今後より一層必要になってくると思います。

— 最後に、今後のアーバンエックスをどんな会社にしていきたいか、思いがあれば教えてください。

私がインフラ業界を志した理由は「縁の下の力持ち」になりたいからでした。それは新卒で就職活動をした頃からです。例えば高速道路って、生活において関係ない人がいないんです。たとえ普段車に乗らない人でも、コンビニに行けば商品が売っているし、ECサイトで物品を購入すれば自宅に届きます。それを実現してくれる物流網は高速道路があることで成り立っています。そんな風に「気づかないくらい当たり前」の存在にアーバンエックスがなればかっこいいですよね。
会社の名前を聞いたことがない人にも、アーバンエックスの技術が使われていることを知らない人にも、我々の技術の恩恵が届くような会社を創っていけたらと思っています。

— ありがとうございました。


福冨さんと一緒に働きませんか?

アーバンエックスでは、「都市インフラをアップデートし、すべての人の生活を豊かに」のビジョンに向かって、一緒に事業開発・サービス開発に取り組んでくれる仲間を募集しています。

株式会社アーバンエックステクノロジーズでは一緒に働く仲間を募集しています

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