なにをやっているのか
独自に開発した『犯罪予測アルゴリズム』を強みとして、犯罪を未然に防ぐという社会課題解決に貢献すべく国内外の警察・自治体向けの犯罪予測ソフトウェア『CRIME NABI』と、その予測結果を用いた防犯・警備ソリューションである『Patrol Community』を提供しています。
『CRIME NABI』は理論物理学の手法を用いた独自の時空間解析アルゴリズムを開発し、過去の犯罪データとリアルタイムに収集したデータを学習し、いつ、どこで未来の犯罪が起こり得るかを予測する「犯罪予測ヒートマップ」を構築しています。犯罪に関するデータ数は小さいことが多く、普通の機械学習の手法では精度が出にくいことがありますが、犯罪の傾向をモデリングして理論物理の手法を組み込むことで、計算を安定化、精度を向上させています。
例えば、「殺人」のような犯罪件数に関するデータが少ない罪種についても、より発生件数の多い「銃犯罪」や「違法薬物所持」等のデータと掛け合わせて予測する手法等を組み込んでいます。犯罪の傾向は常に変化しているので、時間や空間の変化に合わせて「今、この場所」に即した予測データを常時アップデートしています。2019年にはアメリカ、シカゴのオープンデータを用いて犯罪件数の多い10罪種から予測精度を検証、既存手法に比べて優位性があることが確認されました。
『Patrol Community』はCRIME NABIによる予測結果をもとに、パトロール経路を自動策定するモバイルアプリであり、自治体の青色パトカーと市民ボランティアによる警備における活用について自治体との実証実験を経て正式版がリリースされています。Patrol Communityを利用することで今まで、警備をする人の勘に頼っていたパトロール経路の策定を犯罪予測結果に基づき犯罪の発生しうる可能性の高い場所を長く警備するような経路が計算されます。
なぜやるのか
『安全を守るしくみをデザインし、世界の犯罪を減らす』というビジョンのもと、『科学技術の力で、あらゆる警備を最適化』することをミッションとして活動しています。
どうやっているのか
社名の“Singular(特異的な)Perturbations(摂動たち)”は、 理論物理の手法名に由来します。 私たちはやがて社会を変えるような大きなインパクトを与えることになる、 今は小さいけれど特異的な技術の芽を育てていく会社です。
メンバーの67%がPhD取得者で、Computational Criminology (計算犯罪学) × 数理(数学、統計、機械学習)× 犯罪学の専門家で組成された研究のチームと、それ成果をもとにプロダクト開発を行う開発チームの両輪で社会課題の解決に貢献しています。