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株主インタビュー #01 | ジャフコ グループ 藤井淳史氏「まだ誰も歩んだことのない道へ」

こんにちは、ゼロボード広報の太田です。
2月15日、ゼロボードはシリーズA 1stクローズと2ndクローズの資金調達を発表しました。24.4億円というシリーズAにしては大型となる調達において、今回新たに株主となってくださったVCの1社、ジャフコ グループさま。空気がピンと張り詰めた冬晴れのある朝、出資に至った背景をうかがうためジャフコ グループの藤井さんを尋ねました。

ジャフコ グループ パートナー 藤井 淳史氏
2003年入社後、現在までベンチャー投資に従事。IT領域を中心に製造・サービス業まで幅広い分野で投資を担当。2018年3月よりパートナー。
Forbes Japanが選ぶ日本で最も影響力のあるベンチャー投資家 BEST10 2021年 1位。
ジャフコ グループホームページ

ー 今日はよろしくお願いします。まずは弊社との出会いを教えていただけますか。

はい、以前からゼロボードさんのサービスのことは認識していました。まだA.L.I. Technologies(ゼロボードの前身であったスタートアップ)さんの1事業部の時でした。その後、MBOされたというニュースが入ってきて、会いに行こうと思いこちらからコンタクトしました。

ー 初めて面会されたとき、弊社代表の渡慶次にどのような印象を持たれましたか。

渡慶次さんとお話ししてみて、良い経営者だと思いました。誠実ですし、実直でとても真摯な方だからです。これは出会ってからファイナンス実行までにどんどん強く感じました。経営者がそのような方だから、その文化は絶対組織に派生していきます。ですからおそらく良い文化を持っている会社なんだろうと思いました。独立されるタイミングで出資できたら良かったなと、実は率直に思いました。
起業された背景も、もともとの金融から商社へ移籍され、そこでエネルギー関連の知見を蓄積されたことが今のサービスの起点となっていることも、事業に掛ける思いと起業のストーリーとして非常に説得力がありました。

ー 面会ではどのようなことを聞かれるのでしょうか。

ご本人のことであればこれまでの経歴や育った環境を一通りうかがうことが多いです。事業においても説明いただいた上で、分からないところは質問させていただきます。他には主要メンバーとどのように出会ったかもうかがいました。会社によってさまざまだと思いますが、御社はMBOの際に当時の事業部のメンバーと一緒に独立されていることから、渡慶次さんが非常に人望の厚い方なんだと思いました。
出資決定までは、しっかりとしたミーティング以外にも短いオンライン会議や電話を含めて頻繁に会ったり話したりしましたよ。

ー 弊社事業について評価されたところはどこでしょうか。

まず、zeroboardがScope3の削減を見据えた設計になっていることですね。CO2の算定から削減するという取り組みの第一ステップにフォーカスしている点を評価しました。戦略ですと、パートナーの巻き込みが上手で、全方位でアライアンスを組める仕組みが良いと思います。
脱炭素の領域は、まだ明確な規制がなく将来が見えない中ではある一方で、中長期としてはトレンドなのは確実です。あまり決まっていないことが大きなチャンスであると思います。その決まってない中での取り組み方という意味では、将来の発展性を見据えた展開をなさっているという印象を持っています。

私自身、2000年代に京都議定書の採択を受けてカーボンクレジット関係の企業に投資をしてきました。景気変動を含めて潮の満ち引きはありつつも、大きな流れはあるとずっと思っていました。渡慶次さんにお会いして、現状の流れやそこへのアプローチの仕方を聞いて目から鱗でした。私が取り組み続けたいと考えていた領域で、ぜひご一緒したいと思いました。

ー ズバリ出資を決断したポイントを教えていただけますか。

・事業の発展性
・現状の実績(導入社数、大規模排出事業者へのアプローチ、仕組みづくり)
・経営者と経営陣の事業へのフィット感
端的にまとめるとこの3点ですね。

ー 加えて聞かせてください。どんなところにzeroboard事業のユニーク性を感じられましたか。

独立性があり、中立的なスタンスを取っているところです。サービスのマッチングには中立性が大事だと考えています。特に今後排出権取引という話になれば、より中立性が大事で、色を持たないことが発展性に繋がります。いわゆるTHE MODEL方式で広くSaaSを展開するのではなく、産業界で多くの排出をしている企業にターゲットを絞って入っていくというアプローチの仕方が非常に興味深く、意義のある手法だと思います。

ー 中立性は弊社サービスでとても重要なポイントです。
それでは、今後弊社に期待することをお聞かせいただけますか。また、何か連携できることがあれば教えてください。

海外を含めたCO2算定をはじめとした脱炭素経営の標準作りやルール作りに期待しています。アジア圏での勝負も楽しみにしています。
ジャフコ グループのファンドのLP(リミテッドパートナー)の多くが大企業になります。大企業は脱炭素領域の中でも中心プレーヤーになりますから、ゼロボードさんと弊社が連携して一緒に大企業の課題解決をしていければと考えています。

ー そのような連携もできるのですね、楽しみです。
最後に、ゼロボードのメンバー、そして今後メンバーに加わる皆さんにメッセージをいただけますでしょうか。

はい。日本のテクノロジー系のスタートアップが海外に進出して成功することは、今までほとんど事例がありませんでした。遡ると当時スタートアップだったホンダやソニー、パナソニックになるのではないでしょうか。
炭素を介することで、日本からアジアへの進出がしやすい領域だと思います。
二刀流を目指す日本ハム時代の大谷翔平選手に、当時の栗山監督がかけた言葉が真っ先に浮かびました。

「日本人の誰も歩んだことのない道を一緒に歩きましょう」

これが私から伝えたいメッセージです。

脱炭素はまだルールが固まっていない状態で道がありません。領域でも、海外という観点でもみなさんが道を作っていけると思います。期待しています。

ー 大変励みになる言葉をありがとうございます。今後の連携を楽しみにしております。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

ファーストクローズに参画いただいた株主の皆さま
左から:Coral Capital / James Riney、ジャフコ グループ / 藤井 淳史、インクルージョン・ジャパン / 吉沢 康弘、ゼロボード / 渡慶次 道隆、Keyrock Capital Management / Jonathan Shih、DNX Ventures / 倉林 陽(※敬称略、ゼロボードオフィスにて)

■取材後記
「株主さんへの取材は何社目ですか?」と尋ねられ「1stクローズではジャフコさんだけです」と答えると、「光栄です」と途端に恐縮される物腰の低い藤井さん。(すごい方と話せてこちらが恐縮しているというのに汗)
インタビュー終わりに「ゼロボードさんに転職される方って、変なストレスを抱える必要がなくて良いですよね。本質的なコミュニケーションができるって良い文化ですね。」と藤井さん。
良いコミュニケーションができることは、仕事の効率やモチベーションに本当に良い影響を与えるものですね。実感しています。
私たちゼロボードは「誰も歩んだことのない道」を歩めるよう会社一丸となって頑張ります。ジョインしてくださる方を心よりお待ちしています。お気軽にお問い合わせください。

ジャフコ グループさまオフィスにて(ジャフコ 藤井さん、ゼロボード 太田)

<参考プレスリリース>
【2023.2.15発表】脱炭素経営支援ソリューション提供のゼロボード、シリーズAで24.4億円の資金調達を実施

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