今年1月に武内製薬にジョインした取締役 小倉由渡。コンサルタントとして活躍してきた彼が、なぜ”経営者”という道を選択をしたのか。そして取締役として今後目指していく、武内製薬の未来を語ってもらいました。
プロフィール
小倉 由渡 武内製薬株式会社 取締役 兼 バブルスター株式会社 代表取締役
新卒で楽天へ入社し、計1000社以上のECコンサルティングと広告営業を担当。その後、外資系コンサルティング企業に転職し、戦略コンサルタントとして活躍。
2023年1月より武内製薬の取締役に就任し、2023年7月からはグループ会社の代表取締役も務める。
「とにかく広く深く、色んな事を知りたい」
ーまず最初に、ファーストキャリアを楽天に決めた理由を教えてください。
僕の家系が代々教師一家で、自分も教師の道を進むんだろうなと考えていたので、最初からいわゆる一般企業に興味を持っていたわけではありませんでした。だけど大学3年の終わり頃、英語の教師になるために必要な知識や経験を積む目的で一年間アメリカへ行った際、実際に現地で働いて世界中の人々や文化に触れたことで「自分にはまだまだ知らないことが多すぎる」と実感したんです。
僕は昔からチャレンジすることが好きで、それまでも常に環境を変え、挑戦を重ねてきたつもりでしたが、アメリカに行ったことがきっかけで、さらに自分が知らないことを学びたい、挑戦したいという気持ちが大きくなりました。そこで日本に帰国した後の就活では、最初から教師になるのではなく「社会人の1歩目は色んなことを知れる企業に就職しよう」と決めました。
そして色んなことを知るためには、“経験できる領域の広さ”と”関わる人から学べることの深さ”の2つの要素が必要だと考えていたので、この両方を兼ね備えている企業に行きたいと思い、一番マッチしたのが楽天だったというわけです。
楽天は扱うジャンルがとにかく幅広いことと、大企業から中小企業まで様々な企業様が出店していて、中小企業だと経営層の方が楽天の担当をしていることが多かったので、企業のトップとたくさん会話が出来るし、吸収できることも多いだろうなと。まさに僕が求めていた環境にぴったりだったんです。また、当時はECが拡大し始めた時代で、成長領域の事業に挑戦できるというのも楽天を選んだ理由の一つでした。
ー実際、楽天ではどのような学びややりがいを得られましたか?
まず、現在にも繋がっているECに関する知識を学べたことが非常に大きかったです。楽天は大きく4つのカテゴリに分かれていて、フード、ファッション、リテール、それ以外の商品はすべてホームライフというカテゴリに該当します。僕はホームライフを担当していたので、化粧品からインテリア、ペットグッズ、医薬品、サプリメントなど・・・売り方がまったく異なるジャンルを扱うことで、それぞれの売り方を学ぶことができました。
また、在籍中トータルで1000社以上のクライアントを担当させていただいたので、1000人以上の企業のトップや経営層の方と関わりを持つことができ、その分吸収できたことや学びも大きかったです。
やりがいの面で言うと、クライアントと同じ目線で伴走するパートナーとして支援させていただく中で、商品が売れたり、その結果売上・利益が増えたときに「小倉さんありがとう!」「小倉さんとだからここまで一緒に来れた」といった言葉を頂けたのが嬉しかったですし、やりがいにも直結していました。ショップオブザイヤーという限られた出店企業しか選ばれない賞をクライアントが受賞して、その授賞式に一緒に立てたときは本当に嬉しかったですね。
「さらに広い領域で頼られる存在になるために」
ー楽天ではまさに小倉さんが望んでいた仕事が実現できていたようですが、そこから転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか。
やりがいを感じる一方で、楽天を通してのソリューション提案に限界ともどかしさを感じ始めたからです。
例えば、どうしたらクライアントの売上が上がるか考えたときに、商品設計やビジネスモデルから変える必要があるのではないかと思っても、楽天を通しての提案・支援がメインとなり、なかなか深くまでは入り込めない。だったら、領域に縛られず上流から下流まで支援できるコンサルタントとして関わりたいと考えたんです。
あと僕、人から頼られることが大好きで。もちろん楽天でもクライアントから頼りにしていただけたことを体感できていましたが、もっと第三者目線で本当にその企業が良くなるための最適解を考え、提供できたらより広い領域で頼ってもらえる存在になれるのではと思い、外資系の戦略コンサルティング企業に転職を決めました。
ー同じコンサルでもECと戦略系ではクライアントとの関わり方や案件が全く異なると思います。苦労された点はありますか?
戦略コンサルは頭の使い方が特殊で、ロジカルシンキングに慣れるまでは苦労しました。
楽天ではECを通していかに売上や利益率を向上させるかというECに関する専門知識をベースに考える頭の使い方だったのに比べて、戦略コンサルはそもそもの課題を見つけ出すところから、課題を解決するための方法を導き出して実行するところまで、常に検討事項にモレやダブりがないか確認しつつ、とにかく深掘りしていくんですよ。少しでも要素のモレやダブりがあると事業に対するダメージが大きいので、この考え方は非常に重要なんですが、頭の使い方に慣れるまでは結構苦労したなと思います。実際、最初の頃は何言ってるか分からない、ここの考えが全く足りない、などとボコボコに言われたり(苦笑)。でも僕の根底には「頼られる存在になりたい」という目標がずっとあったので、「一年後、小倉がいないと困るって言わせてやる!」と自分を鼓舞していました。
結果、転職して一年である程度プロジェクトを回せるようになり、二年経つ頃には僕一人でクライアントとともに戦略を考え実行できるようになり、クライアントからも会社ではなくて”小倉さんに”担当してほしいと言ってもらえるようになりました。僕が目指していた「広い領域で頼られる存在」に近づけたと思います。
「自分が目指す姿と、挑戦したいステージが重なった」
ーコンサルタントとして活躍された後、武内製薬へジョインした経緯についてお伺いします。まずは武内製薬との出会いと当時の印象を教えてください。
個人事業主としてコンサルをしていた時期があり、その頃に楽天時代に同期だったEC事業部長 鈴木と再会して、武内製薬のECコンサルを依頼されたのがきっかけです。最初はEC全般のサポートをしていたんですが、だんだん領域が広がって、事業戦略や社内研修など会社全体のコンサルティングもさせてもらっていました。
コンサルティングを始めた4年以上前の武内製薬は、まだ従業員数10人程度のいかにもベンチャー企業!という感じだったんですが、みんな何らかの方法で前を向いて会社を成長させていきたい想いを持っていたなという印象があります。今思い返すと、その頃から現在の武内製薬のバリューである「Super Speedy、Ownership、Positive」を体現している社員が多かったんだろうなと思います。
ーしばらく外部コンサルとして関わった後、取締役として参入する決め手となったことは何だったのでしょうか。
大きく二つあります。一つ目は僕がずっと持っている「頼られる存在になりたい」という目標に繋がりますが、これまでECコンサルと戦略コンサルを経験したことでその領域で頼られる存在にはなれたと思っていたので、「さらに高次元で頼られる人間になるためにはどうしたらいいんだろう?」と考えたときに、次のステップは経営者だと考えたんです。会社というひとつの空間の中で、社員たちが楽しく前向きに仕事が出来る環境づくりを進めたり、事業戦略の検討をしたりと今まで培ってきたスキルを活かして真の意味で頼られる存在になることができる。そんな経営者ポジションに挑戦したいと思ったのが一つ目の決め手です。
もう一つは武内製薬が次なる成長フェーズにあること。これまでの武内製薬は1を10にするフェーズで、ここから先はその10を100にしていくフェーズだと思っていて、僕もその成長過程のステージで自分も会社も大きくさせてみたかったことが二つ目の決め手になります。武内製薬自体をもっと成長させていくことはもちろんのこと、ちょうどオーイズミグループにジョインした時期だったこともあり、武内製薬だけに留まらずグループ会社などを通して幅広く挑戦できるだろうと考えました。
実は外部コンサルとして関わってきた約4年間、社長の金光からずっと誘われていて。何回も何回も「うちに来なよ!」と声を掛けてくれていたんです。出会ってからこれまでコンサルタントとクライアントというパートナーとしてともに歩んできて、考え方が似ているとともに尊敬もできる金光の存在もすごく大きかったですし、自分の挑戦したいことや目指したいものが重なって、ジョインすることを決めました。
「何事も全力で楽しむ。そして周りの人たちにポジティブを伝染させていく」
ー現在はどのような業務を担当されているのですか?
既存事業の成長戦略の検討や新規事業立ち上げに伴う事業戦略の検討・事業計画の策定などの業務を中心に行っています。またミッション・バリューの策定やその社内研修など組織強化についても役割を担っています。同時にグループ全体のアセットを活用した成長戦略の検討も担っており、武内製薬を含むグループ内で成長領域と位置づけられている企業を今後さらに伸ばしていくにはどうしたら良いかについても考えています。
今年の7月からはグループ会社であるバブルスター株式会社の代表取締役に就任して、武内製薬の取締役と兼務しています。
ー武内製薬だけでなくグループ全体の成長戦略を担う中で、やりがいを感じる瞬間はどんな時でしょうか?
やりがいというか、楽しい、嬉しいと感じるのは、検討してきたアイデアや構想がカタチになったときやみんなで考えて開発・販売してきた商品が売れたときが一番ですね。自分たちが試行錯誤して動かしてきたものが、世の中に出て、日の目を浴びて、かつ会社として売上に繋がったときはやっぱりすごく嬉しいです。もともとチームプレーが好きなので、そのチームプレーが報われた瞬間も同様に嬉しさを感じます。一緒に頑張ってきた社員たちが結果を見て嬉しそうに笑っている顔を見た時とか、世の中に商品が届いてお客様のレビューを見た時とか、テンションがあがります。
あと何度も言いますが、僕は頼られるのが大好きなので(笑)、社員から話しかけられたり、これどう思いますか?と意見を求められるのが純粋に嬉しいです。これから先もそういう相談事や頼ることが一番しやすい人でいたいですね。そして僕を頼ってくれた人がポジティブになれるような存在になれたらいいなと常に思っています。
ーここまでお話を伺った中でポジティブなワードが多いのが印象的でした。そんな小倉さんが仕事をする上で大切にされている考えを教えていただけますか。
何事も「全力で楽しむ」ことを大切にしています。これは昔から大事にしている考えで、例えば学生時代のアルバイトや教育実習などのときも、周りのみんなが嫌がることすら楽しみながら率先して取り組んでいたりとか。なぜかというと、楽しむことでまず自分自身のメンタルも良い方向に向かうし、それが周囲にも伝染して周りの人もポジティブになれたり、その結果、新しい関係性が作れることに気が付いたんですよ。そこからさらに関係性が横に広がっていくこともありますし。なので僕はどんなことでもとにかく楽しむというのを大前提にしています。
ポジティブ繋がりで言うと、社会人において大変なことってたくさんあると思いますが、僕はあまり大変だと思い続けることがないんです。どういうことかと言うと、「何のために今これをやっているのか」という目的が明確になっていれば、今やっていることはあくまでその目的に向かっていく道のりなだけであって、そう思うと大変だと思いすぎることはなくなるんですよね。もちろん「疲れた~」と感じることはありますけどね(笑)。逆に目的やゴールは自分のなかで納得いっているかを常に立ち返って、違和感があればそっちを精査する方が重要だと思っています。
「もっと自分を好きになる体験を世界に届けるために、より強い組織へ成長させていきたい」
ー取締役として、今後武内製薬をどんな組織にしていきたいと考えていますか?
チャレンジしやすい環境を整えることで、より強い組織にしていきたいと考えています。
まず、会社として大事なことは、僕たちが掲げている「もっと自分を好きになる体験を世界に届ける」というミッションの最大量を増やしていくことだと思っています。そのために必要になってくるのが、武内製薬のバリューに設定している「Supper Speedy、Ownership、Positive」を体現できる人を増やすことなんですよね。社員ひとりひとりが持っている裁量権が大きく、各々がポジティブにスピード感を持って物事を前に進めていける。そんな人たちの集合体って、ものすごく強いじゃないですか。
そしてそれを武内製薬で実現するために、僕はその環境を整えていく必要があると考えていて。チャレンジしたいのにチャレンジできない会社ってシンプルにつまらないですし、そういう環境は会社の責任だと思うので、例えばもっと個人に裁量を与えるとか、自分の責任の範囲で楽しくチャレンジしていける環境をさらに整えていくとか。誰もがチャレンジしやすい環境を作り上げていくことで、ミッションの最大量を増やし、今よりもさらに強い組織にしていきたいと考えています。
ー今よりもチャレンジしやすい環境、すごく楽しみです!小倉さん個人の目標やビジョンはありますか?
自分にないものやスキルをどんどん吸収して、もっと強く、頼られる存在になっていきたいです。
新卒1年目のときに当時の上司から「周りの人には小倉より優れてる部分が必ず一つはある。その一つ一つを全部吸収できたら小倉はもっと最強になれるんじゃない?」という言葉を貰って、すごく納得したし今でもその言葉を大切にしているんです。
だからこそ僕は、一緒に働いているみんなのことを本気で尊敬していて、「この人のここ凄いな」「全部は難しいけどこの部分は真似させてもらおう」というのを常に考えています。みんなの話をよく聞いて、寄り添って考えて、を繰り返して、自分自身もより強く成長させていきたいと思っています。
今後は経営者という立場上、僕自身の成長と会社の成長がセットになっていくと思いますし、そこから社員の成長にも繋がって・・・最終的には会社、自分、社員の成長をミッションの最大化に繋げていけたらと思っています。
ー最後に、求職者の方にメッセージをお願いします。
今お話しした通り、武内製薬は裁量権とスピード感を持って、ポジティブにチャレンジすることができる組織です。その分求められることも増えていくと思いますが、ただ待っているだけではなく、前向きで能動的に動ける方にはぴったりな環境ですし、そういう方がチャレンジできて活躍できる環境を、僕はひたすら整えていきます。
まだまだ10を100にしていく成長過程の会社ですが、だからこそ自分自身の成長と会社の成長を共に作っていけるフェーズでもあります。そんな挑戦心がある方は、是非僕たちと一緒に全力で楽しく働きましょう。
創業ストーリー
取締役 塚越崇人インタビュー