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ソーシャルインクルージョンの実現に向けて【檸檬会代表 前田】

こんにちは。本日は社会福祉法人檸檬会代表 前田さんにお話を伺いました!

前田さんがどのような思いで檸檬会を立ち上げ、これまでどのようにして事業を展開してきたのか、さらに今後のビジョンについてもお話を伺います。

保育に興味をお持ちの方、そして社会課題に向き合う事業に関心がある方にとって、非常に参考になる内容です。ぜひ最後までお読みください。

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1.檸檬会の始まり     

2.「ソーシャルインクルージョンの実現」というビジョン

3.檸檬会が目指す社会とは

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檸檬会の始まり

本日はお忙しい中ありがとうございます!早速ですが、前田さんご自身のご経歴について教えていただいてもよろしいでしょうか?

和歌山県和歌山市で生まれ育ち、幼少期から地域社会に根ざした環境で育ったこともあり、人とのつながりや地元のコミュニティを大切にする価値観が形成されました。

18歳でアメリカに留学し、アメリカではビジネスやリーダーシップについて学ぶと同時に、多様なバックグラウンドを持つ人々と接することで、異なる価値観を理解し、尊重することの重要性を学びました。

そして帰国後、23歳で最初の起業に挑戦しましたが、当時の私にはビジネスの経験や人材のマネジメント能力が不足しており、残念ながら事業は失敗してしまいました。その後1年間フリーターとして生活する中で自分自身を見つめ直す時間になったことが、私にとって大きな転換期となりました。自分の足りない部分を見つけ出し、特に「人」の重要性を痛感しましたね。ビジネスは人が中心であり、彼らが躍動できる環境を作り出すことが、成功への鍵だと実感しました。さらに地域社会への貢献や、社会の中での自己実現についても深く考えるようになりました。28歳の時に和歌山に戻り、地元のニーズに応える形で訪問介護事業を立ち上げました。この事業では、自分自身もヘルパーの資格を取得し、現場に出て直接利用者と関わりながら事業を拡大していきました。

現在は訪問介護事業よりも保育事業に力を入れていらっしゃるかと思いますが、それはどのような背景があったのでしょうか?

訪問介護の事業を進めていく中、現場で働く多くの女性が子育てと仕事の両立に苦労していることを目の当たりにしました。特に、0歳から1歳の幼い子どもを持つ母親たちは、保育園が見つからずに仕事を諦めざるを得ない状況に直面していました。当時、少子高齢化を社会課題として取り上げられてはいましたが、保育施設の不足については問題視されていませんでした。高齢化が進み、さらに働き手が不足する中で、私はこの問題と直面した際、「なぜこの問題を解決できないのか?」と強く感じました。そうした背景があり、保育施設を増やすことで、子育て中の母親たちが安心して働ける環境を作り出すことが、私にできる社会貢献の一つだと考えました。こうした思いから2005年に保育事業を開始しました。

「ソーシャルインクルージョンの実現」というビジョン

保育事業を始められた当初、どのようなビジョンをお持ちだったのでしょうか?

保育事業を始める際、私には「社会のひずみを埋める」という信念がありました。つまり、社会で困っている人たちが直面している問題に対して、何か解決策を提供できるような事業を立ち上げたいという強い思いがありました。最初は明確な理念やミッションを持っていたわけではありませんでしたが、事業を進める中で、その考えが徐々に形になってきました。

私たちが目指すのは

「カラフルな◯△□(こせい)が凹凸(ひずみ)ある世界で躍動するソーシャルインクルージョンの実現」

です。これは、多様な価値観や個性を尊重し、誰もが平等に社会に参加できる環境を作ることを意味しています。

「ソーシャルインクルージョンの実現」というビジョンを改めて掲げるに至ったきっかけはなんだったのでしょうか?

初めは、理念やビジョンを言葉にすることに対して、そこまで重要視していませんでした。自分が行動で示せば、それで伝わると思っていたからです。しかし、事業が拡大し、職員の数が増えるにつれて、自分の考えをきちんと伝えることがいかに重要かを痛感しました。この数年で檸檬会のビジョンを明確に掲げるようになってから、職員や外部のパートナーからの理解と共感が得られるようになり、一体感が生まれたと感じています。

また、私がこのビジョンに至った背景には、現場での経験が大きく影響しています。訪問介護の現場で見た「働きたいけれど働けない」という母親たちの現実。そして、保育事業を通じて気付いた「子どもたちが持つ無限の可能性を引き出す環境の重要性」。これらの経験を通じて、私は「社会のひずみ」を埋めることが、事業としてだけでなく、社会全体にとっても重要な役割を果たすと感じるようになりました。

檸檬会が目指す社会とは

今後の檸檬会の展望について、具体的にどのような方向性を考えていらっしゃいますか?

檸檬会がSocial Inclution Partnersのパートナー企業と共に目指すのは、国内外での教育と福祉の分野における新たな事業の立ち上げです。これまでも、保育事業を中心に、障がいを持つ子どもたちの支援や、障がい者の就労施設の運営など、幅広い分野で事業を展開してきました。また、日本国内だけでなく、ベトナムや中国、タイ、フィリピンといった海外でも事業を展開し、現地での教育や福祉の発展に寄与しています。

特に私は、日本の乳児保育のレベルが非常に高いと感じています。世界中の保育や幼児教育の現場を見てきた中で、日本の乳児保育はその質の高さで群を抜いています。これを、もっと海外に広めていきたいと考えています。檸檬会では、海外の保育士や教育者を積極的に受け入れ、日本式の保育を学んでもらうプログラムを展開しています。彼らが母国に帰り、日本式の保育を導入することで、世界中の子どもたちに良質な保育が提供されることを目指しています。

2023年4月に「ソーシャルインクルージョンの実現」をさらに推進するために、奈良県三郷町で「ソーシャルインクルージョンヴィレッジ」を開村しましたこれは、教育や福祉を中心とした事業を通して、赤ちゃんからお年寄り、人種や国籍、障害の有無に関わらず、誰もが生きがいを持って共に暮らせるコミュニティをつくることを目指しています。このプロジェクトを成功させることで、他の地域にも同様のコミュニティを広げ、日本全体で「ソーシャルインクルージョンの実現」を推進していきたいと考えています。

実現のために、檸檬会ではどのような人材を求めているのでしょうか?

檸檬会で働くためには、まず成長意欲があり、学び続ける姿勢が重要です。特に保育の分野では、常に新しい知識や技術を取り入れていく必要があります。私たちは、スキルや経験だけでなく、強い成長意欲と冒険心を持ち、常に新しい挑戦を楽しめる人材を求めています。

また、檸檬会の理念に共感し、組織のビジョンを実現するために努力できる方を歓迎しています。特に、海外展開が進む中で、海外での研修や業務に積極的に参加し、日本の保育を広めたいという情熱を持った方に、ぜひ加わっていただきたいと考えています。さらに、国内外での多様な経験を通じて、保育や教育の幅広い視野を持つことが求められます。私たちと共に、未来の子供たちのために新しい価値を創造していける人材をお待ちしています!

それでは最後に、前田さんにとって檸檬会とはどのような存在でしょうか?

檸檬会は、「ソーシャルインクルージョンの実現」を目指すための重要な組織です。私たちは、社会に求められることを見つけ、それを形にしていくことで、多様な人々が共に生きる社会を作り上げようとしています。この理念のもと、檸檬会は単なる保育事業の枠を超え、福祉や教育など幅広い分野での事業展開を目指しています。

私自身、これまでに多くの失敗や学びを経験してきましたが、それがあったからこそ今の檸檬会があり、私が掲げるビジョンを実現できる環境が整ったと感じています。檸檬会の一員として働く従業員たちも、皆このビジョンを共有し、共に歩んでいます。

今後も、檸檬会は日本国内外での教育や福祉の発展に寄与し、誰もが平等に参加できる社会を目指して邁進していきます。ソーシャルインクルージョンの実現を通じて、より良い社会を作り上げることが私たちの使命であり目標ですね。

 


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