今日はSAMANSAで取締役兼エンジニア部門を担当されている山本さんにお話を伺います!会社経営、開発・エンジニア、海外留学に興味のある方、そして地域振興に興味のある方はぜひご一読ください!
◎日本とアメリカの差を知る
ーSAMANSAで働いている人は留学経験者が多いですよね。山本さんも大学時代に留学されたということですが、どういう経緯で留学をされたのか教えてください。
留学はそんなに深い理由じゃないんですが(笑)、昔から漠然と海外には憧れがありました。親戚がロサンゼルスにずっと住んでいて、その一家が日本に帰ってくると、ロサンゼルスはこんな感じで…と聞かせてくれたんですよ。それを聞いてへぇ…!っていう興味はあって。
僕の大学は学部の多分3、4割ぐらいが長期留学に行くんです。その流れもあって、留学に行きたいなと思っていて。はじめは安く行けるフィリピンに行こうと思っていたんですが、親戚がどうせ行くならもっとお金を使ってでも本当に行きたいところに行け!と言ってくれたんです。じゃあアメリカで!という安直な考えでした(笑)
ー語学学習が目的でしたか?
一番は語学でしたね。元々英語に苦手意識があって、5教科の中で一番苦手でした。でも英語が得意になれば、いろいろな人と話せるようになって世界も広がる。良いことが圧倒的に多いから学びたいなと思いつつも、日本にいると心が弱いので学べず…(笑)これはもう無理だ!環境を完全に変えるしかない!と思って決心しましたね。だから国内で勉強できる人たちを本当に尊敬しています!
ーそこからアメリカの大学に留学されたんですね
そうですね、代表の岩永と同じ、UCLA EXTENSIONという大学のコースにいきました。日本でいうと大学の夜間コースみたいなところですね。僕はずっと日本の大学で経営、ビジネス関連、金融について学んでいたこともあって、UCLAでもビジネス学科を選択しました。
元々経営に興味があって、お金の流れ、資金については日本の大学でも学んでいたんですが、じゃあアメリカだとどんな授業をしているのかなって気になって、どこでどういう違いがあって経済力、経済リテラシーの差につながっているのか自分で学んでみたいと考えて選びました!
ーどういう点で違うんですか?
アメリカは「金を稼ぐことが汚い」という意識が圧倒的にないんですよ。サービスの対価としてしっかりお金が支払われる、という。それ自体は普通の仕組みなのに、日本だと何の対価をもらわずにやることがちょっとえらいみたいな風潮がありますよね。そういう意識自体が根本的に違うというのはありましたね。
ー留学を経てご自身の考え方や価値観の変化はありましたか?
変わったところは意外となくて、むしろ自分が日本で変わっていたんだなっていうことを認識できましたね(笑)
ー自分が変な人だと認識できたと?(笑)
そうそう!アメリカに行くと、日本人は日本人同士で固まったりとか、ありますよね。ホームレスの人々に対してちょっと距離を取ったりとか。全然悪いことではないと思うんですが、僕はどちらかと言うとそうではなかったと思います。
ほとんどずっと現地の人と一緒にいて遊んでいました。話しかけるのも苦ではなかったですし、現地で貧困層と言われている人たちともすごく仲が良かったんです。よく一緒にバスケットボールをしていましたしね(笑)
日本でいうスクールカースト?とかいうやつでも、どのグループにも仲の良い人がいたんですが、意外と普通じゃなかったんだなということに気がつきました。
人それぞれ気にすること(価値観)は本当に違うんだな、ということに気づけたのが一番大きかったかもしれないですね。
それでも留学が初めての海外経験だったので、衛生面ではカルチャーショックがありました!
トイレのドアが上下開き過ぎていたり、家の中で靴で歩くところを裸足でも歩く、みたいなことを普通にやる人が多いんですよ!(笑)
日本だと中々ないと思うんですが…(笑)
3人のアメリカ人とシェアハウスをしていた時は周りが何も気にしなかったので、潔癖症の僕は1人だけ気が狂いそうになって自分のところだけはめちゃくちゃ綺麗に整頓する、っていう…ちょっとしんどかったですね(笑)
ーアメリカから帰ってきてやりたいことは固まったんですか?
「新たな価値観を作りたい」という考えはずっとありましたね。SAMANSAのように新しい短編映画のサービスを作るというのもそこにピッタリでした。
あとは「地方の文化をぶち壊したい」というのもあります。僕は「出る杭は打たれる」という風潮がすごく苦手で、アメリカでは全く知らない人たちも「それいいね!」とか「こうやったらもっといいんじゃない?」って向こうから声をかけてきてくれて、しかもそれが当たり前のように起こっている。だから多くの人が様々なことに挑戦しやすいですし、周りもサポートしてくれることが多いです。そうすれば自ずと「良いもの」が生まれる確率は上がりますよね。東京も比較的アメリカに近い部分もあると思っています。
でも地方は、そうじゃないと感じることが多くて。せっかく良い「芽」があっても「和を乱す」「普通じゃない」ものは早いうちに摘んでおく、ということが割とあります。昔からそういう文化が苦手だったから、価値観を変えていくというのはずっとやりたいこととしてあります。
◎自分の好きな生き方を貫くために
ーそれが自分の好きな生き方を貫こうという考えに繋がったんですか?
そうです。そこで確信をもちました。留学に行く前も割と貫いている方ではあったと思うんですが、とはいえ僕も人間ですから、人から色々言われると窮屈に感じたりネガティブになることもありました。
それがアメリカに行くと、自分と同じように感じていた日本人がたくさんいて、でも楽しそうに生活したり、ビジネスで成功していたりする。それを見てやっぱりこうやって生きよう!と感じました。
ーそもそも「出る杭は打たれる」に対して嫌だなという考えは小さい頃から?
高校1年生くらいから顕著に思い始めましたね。僕の学校は地方の中でもちょっとグローバルな方で、毎年1学年に2〜3人程度交換留学ができる制度があったんですよ。彼らは1年間みっちり英語を勉強して、すごく上達して帰ってくる。でもその帰ってきた人たちに向かって、周りの人間は「かぶれてんな〜」という雰囲気で接することもあった気がします。高校生の大事な1年を使って海外で勇気を出して勉強してきたのに、なぜ!?って思っていました。でもそんな自分も、留学に行った友人に海外のことを聞いたりする時はコソコソ聞いたりしていて、他の人たちに対しておかしいよって伝えられなかったんですね。今でも後悔しています。
これは地方特有の文化だと思っていて、東京でも無いとは言いませんが、割合が圧倒的に少ないです。偏見も入っているかもしれませんが、地方では自分たちの知っているもの以外が入ってくるとその地域全体で嫌悪感を抱いて排除しようとする風潮があると思います。
ーどうやって新しい価値観を根強いものにしていくか考えたことはありますか?
僕みたいな、少し変わった道を歩んでいる人たちが直接学校に足を運び、学生と交流することは1つの方法だと思っています。地方の学生たちは、そう言う少し変わった道や世界があることを知らないまま進路を選んでしまっていることも事実ですし。彼らはまだまだ吸収力があって、いろんな選択肢があるので、学生のうちから僕らみたいにスタートアップ起業に携わったり、留学をした人に話を聞いて、こんな世界もあるんだと知ってほしいです。先生方のお話も非常に大切ですが、すべてを経験しているわけではないので。
それこそ、今年の夏に母校が中心となって、海外の高校生たちや大学の教授たちとの交流プログラムを行うと聞いたので、僕も主催者から誘ってもらってそこに参加することになっていて。そういう小さなところから地道に始めていくと、少しずつ変えていけるのかな、と考えています。
―自分の好きな生き方を貫くために、何をして何をしないかというのが気になったんですが…
物事に対して「食わず嫌いを無くす」ということはずっと大切にしていました。食べ物では苦手なものも沢山ありますが…(笑)
食わず嫌いなくしたことによって、絶対これ僕にあってなさそうだなと思うものでも、やってみたら意外と合ってるなみたいなのもあったし、エンジニアも元々は全く興味なかったけど、一回経験したことによってできることの幅が広がって他の経験にかけ合わせることができている。その経験がなかったら今の出せる成果の1/5ぐらいだったんじゃないかな(笑) だからとりあえず興味がわいたり、誘われたものは一回やってみるということは大事だと思いますね。
あとは、辞める勇気も同じくらい大事なことですよね。いろいろ試してみて、全力を出した上で「なんか違うな」と思ったら別にやめてもいいと思うんですよ。とりあえず3年は続けてみようという美徳もあるけど、時間は無限にあるわけじゃないですし、向いているかどうかわかるのが早い時も全然ありますしね。試すことが多くなると、その分できないことも出てくるのは当たり前で。それは仕方ないと割り切ってちゃんとやめることは大事にしています。その時に何に力を入れるべきか意識していますね。
◎SAMANSAとの出会い
ー大学を卒業された後は企業に就職をされたんですか?
そうです。もともとは日本に帰国する予定はなかったんですが、妻が「日本に行きたい!」というので帰ってくることにしました(笑)
就職した企業はコンサルティングが主なお仕事だったんですが、しばらくして配属された新しい部署がシステム開発にかかわるところで、そこで初めてエンジニアについて学び始めましたね。それまでは全く興味もなかったけどやってみたら意外と面白くて。
一般的なエンジニアは要求されたものを作ったりとか、プログラミングの中のロジックを考えて楽しむ人が多いんですが、僕はどちらかというとエンジニアをやりながら、クライアントと話して実際にどんな機能が欲しいのか、直接コミュニケーションをとってやり取りできる、というのがすごく楽しかったんです。プログラミングそのものがあまり得意じゃなかったというのもありますが笑
これは今のSAMANSAでのお仕事の大半にもなっていますね。ちょうど同じ時期くらいに、SAMANSAも立ち上げることになって1年半程ダブルワークをしていました。本業、SAMANSA、本業、SAMANSA、SAMANSAみたいな(笑)
ーだいぶハードな生活ですが、モチベーションはどうやって保っていましたか?
仕事を頑張ろうというよりかは、やっている内容や考えることが僕の脳に合っていて楽しいって感じていたから続いたんだと思います。漠然としていますけど、気づいたらずっとやってしまっている感覚。モチベーションというよりは単純に楽しくて続いているという感覚のほうが強いかもしれないです。
ダブルワークもまぁまぁハードですけど、僕の場合どちらの企業でも担当していたことが似ていて、インプット、アウトプットそれぞれしていくのがやっぱり楽しかった!単純に働く時間が伸びるくらいでした(笑)
ちょっとドライですけど、ミスをしたときに落ち込んでくよくよするよりは、起こった問題に対して今からどうしていこう?って考える方が自分に合っていますね。時間ももったいないし。すぐに何か次につながることをやった方が少し先の自分が幸せになれるのかなと考えています。
ー岩永さんとはアメリカでの学校が同じだったということですが、SAMANSAの立ち上げまでのエピソードを教えてください!
それこそ岩永や遠山が日本に帰ってきて、当時2人で脚本をweb上で簡単に作ることができるサービスをやっていたらしいんですが、なんか違うなと思ったらしく、短編映画で何かやりたいねって話していました。その時に岩永が僕に「周りにエンジニアいない?」って聞いてきたんです。あれ?僕エンジニアだ、と思って一緒にやることになりました(笑)
もともと岩永とはアメリカ時代のルームメイトで、向こうにいたときも、日本に帰ってきてからも一緒に何かやりたいなって話していたんです。そんなタイミングだったのでやってみようか?と始まったのが2021年の4月ごろでした。
ー最終的にはSAMANSAに専念することになったわけですが、何か決め手はあったんですか?
このポジションでこういう大きいことを経験できるのは、本来もう少し先じゃないですか。あるとしても30代、40代とか。当時の僕は23歳とかで、この年齢でこれだけ経験できるのは貴重だろうなって思ったのが一番ですね。
サービス自体もうまくいくだろうな、ってなんとなく予感していたので(笑)前の企業でも色々任せてもらえて凄く充実していたけど、経営陣として上に立って指揮を取るという経験はなかなかないですからね。今のメンバーと一緒に頑張りたいなと思いました。
―2023年6月13日には念願のAndroid版アプリがリリースされて、どんどんサービスの輪を広げていますが、今のSAMANSAに対してはどんなイメージを持っていますか?
もう自由(笑)
会社自体も人間もサービスもすごく自由。アーティスティックな雰囲気のある会社、サービスだなと思っていますね。SAMANSAが立ち上がったときから、いい意味で変わらないというか、そのまま会社としての規模が大きくなったみたいなイメージです。
ー山本さん個人としても、開発側としてもSAMANSAで成し遂げていきたいことは何ですか?
個人としては、新しい価値観として自分が生み出したものを世の中に浸透させたいという目標はありますね。SAMANSAでいえば、新しい人生の楽しみ方というか、短い時間でこんな楽しみ方ができます!というのを打ち出して行きたいです。今でもたくさんのサービスがありますが、ちょっと時間があるというときに「どうせならSAMANSA観た方が人生にプラスだな」というのが当たり前になっているみたいな。
開発としては、一番は使いやすさですよね。まだまだ改善できることは山ほどありますし、何より今まで以上にお客さんの声を聞きたいですね。例えば、SAMANSAにもコアなファンの方たちがいらっしゃるので、一緒に企画して面白い機能を開発していくとか。いずれはやっていきたいです。
ーエンジニア部門から見た、SAMANSAのおすすめ作品3選は?
コメディだったらGoogleシリーズ!(『もしGoogleが人間だったら』)とか、CEOシリーズ!でもリアルでも起きていそうなホラーだと『ザ・ドールメーカー』も外せないですね。
ヒューマンドラマでは『ヘリウム』もSAMANSAが初めての方には良い入口になるんじゃないでしょうか!
※ 各タイトルに予告のリンクを貼っています!よろしければぜひご覧ください!
ー最後になりますが、山本さんがSAMANSAで働く仲間に求めるものは何ですか?
一番は、「自分で考えて様々な提案ができる人」がいいかな。それは一緒に働くうえで絶対外せないですね。やはりスタートアップであり今まで無かったようなサービスという特性上、答えがないことが多いんですよね。方向性も頻繁に変わりますし。となると、自発的に課題を発見して解決・改善に取り組むことができる人とは是非一緒に仕事をしたいですね。
あとは「何でも楽しんでくれる人」!楽しみ方は何でもいいんですが、自分で仕事の楽しみ方を見つけてくれる人は良いですね。どんなお仕事にも必ず苦しい時期はあると思っているので、その中でも自分なりの楽しみを見つけてパフォーマンスを出せる人は強いと思います。この二つが結構大きいですかね。
開発においても同じです。「こう作って欲しいです」を鵜呑みにして作るんじゃなくて、自分でも考えてみて「こうした方がいいんじゃないですか?」って提案できる人を求めています。
そんな方がもしお近くにいらっしゃいましたら是非SAMANSAにお待ちしております!
ーありがとうございました!
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