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CTOインタビュー!検査AI MENOUの特徴と今後の展望・開発チームについて

AIやプログラミングの専門知識を必要とせず、画像検査AIを誰でも開発できるノーコード統合開発環境 「検査AI MENOU」。MENOU創業からその開発に携わり、現在も自ら開発しながらエンジニアチームをリードするCTOの森谷さん。

検査AIに関するプロダクトとしての特徴や、開発フローについてのこだわり、また今後の開発方針についてインタビューしました。MENOUのエンジニアポジションに興味がある方は是非ご覧ください!

――MENOUを共同創業する前のご経歴を教えていただけますか?

新卒でシステムインテグレーターに10年ほど勤め、主にクライアント先でWindowsのデスクトップアプリケーションやライブラリの開発を担当していました。

ソフトウェア開発に携わるのは社会人になってからだったのですが、単純に「動けば良い」ところから、どうすればメンテナンスがしやすいか、安定して動作するのか、やればやるほど、より良い考え方・アプローチが理解できるようになっていくことに醍醐味を感じました。

ただ、当時はユーザーがかなり遠い位置にいたため、私が開発に取り掛かる際にはすでに要求や仕様が明確に決まっており、それを実現する段階まで進んでいることも多くありました。そのため、ユーザーが実際に何を求めているのか、この仕様や機能が本当にユーザーにとって最適なのかを把握することができないという悩みがありました。

よりユーザーに近い位置で開発を行いたいと思い、フリーランスを経て、大手光学機器メーカーの子会社であるシステムインテグレーターに転職しました。メーカー系SIerであれば、実際に業務運用している担当者と直に要件や仕様の議論ができると考えたためです。

――そこでMENOUの創業メンバーと出会ったんですよね。

はい、その通りです。そこでは、当初装置組み込み系のアプリケーションの開発を担当していました。

その後、部署異動を経て、現MENOUの代表取締役CEOで、当時は外観検査の画像処理エンジニアであった西本と一緒に働く機会がありました。その際にお互いのエンジニアとしての技術力や考え方を共有し合っていたこともあり、西本が起業をする際に是非CTOとしてジョインしてもらえないか、と声をかけてもらったんですね。

正直最初は迷ったのですが、根気強く説得してもらったこと、自分自身、製造現場における検査とAIの組み合わせには大きな可能性を感じていたと同時に、開発のスピード感が大切な領域と感じていたこともあり、MENOUの創業にCTOとして参画することを決意しました。

――現在のMENOUのコアプロダクトになっている、検査AI MENOUですが、どのように開発を進められていったのでしょうか。

はい。「検査AI MENOU」は、検査AIモデルを開発・学習するためのMENOU-TEと、検査AIを現場に組み込むためのMENOU-RNの2つのプロダクトで構成されています。現状のMENOU-TEにあたるプロトタイプを私と西本で開発し始めたのが、2019年の11月頃でした。私は主にシステム全般の設計や基盤となる仕組みに関わり、UI画面のデザインは西本が担当していました。

――2020年の5月にMENOU-TEをリリースしているので、半年程度の開発期間だったんですね。

検査は世の中でつくられるモノ全てに行われているので、対象の製品も、実施したい検査もさまざまですし、全ての課題を一般化して、完全な形で製品をリリースするためには、非常に多くの時間とお金がかかります。

なので、ある程度機能を限定された状態でプロダクトをリリースし、ユーザーの反応を見ながら徐々に機能を充実させていくというサイクルが重要だと考えていました。

――世の中に検査AI関連のプロダクトはいくつかありますが、その中でのMENOUの特徴を教えてください。

1つ目の特徴は、検査AIモデルを開発するだけでなく、生産ラインの機器と通信をしてアウトプットするという部分までを全てノーコードで実現できることと考えています。

多くのプロダクトでは、AIが開発できたとしても、カメラから撮った画像をAIに入力したり、その結果を外部に出力して工場の機器をコントロールしたりするための開発は、ユーザーがプログラミングで行わなければならないケースが多いです。

AIを工場の機器に組み込む際には、カメラや通信機器、具体的にはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)と呼ばれるものなど、多種多様なメーカーの製品を組み合わせてシステムを構築する必要があります。MENOU-RNでは最初から全てのメーカーをカバーするのではなく、一部のメーカーだけでも対応することから始めたため、業界内でも最速で実運用に載せることができていると思います。

2つ目の特徴は、全てのユーザーに向けた一般化された共通プロダクトとして実現できていることです。ユーザーごとにカスタマイズは基本的にしておらず、多くのユーザーの間で課題になっていることを一般化して共通機能としてリリースしていくことがMENOU AI開発プラットフォームを開発する上での基本方針です。

――「共通機能としてリリースする」という点について、ひとつの機能開発を例に、開発フローを教えていただけますか?

まず、新しい機能のアイディアは色々なところから出てきます。社内のセールスやカスタマーサクセスチームからのフィードバック、直接お客さんからの要望、あとは我々自身がこれはあった方がいいな、と思ったものですね。こうした意見や要望を元に、まずは開発チームで話し合います。それが何を解決したいのか、何が問題なのかをしっかり理解するためです。

初期検討段階でリリースすべきだ、と判断された機能サービスについては、開発チームメンバーの一人が主担当となり、要望を具体化してUIデザインも含めて機能設計をしていきます。その後改めて開発チームで機能レビューを行い、実際にコードを書いていきます。それからはコードのレビュー、テストを行い、問題がなければ新しい機能がリリースされます。

ただ、初期の段階ではこのような流れではなく、お客様から要望が出たらすぐに開発チームがそれを受けて、すぐに実装してリリースしていました。しかしそのようなやり方だと、一部のユーザーには問題ない機能でも、他のユーザーにとっては使いにくいといった問題が生じることがありました。そのため、現在では多くのユーザーが実際に必要とする機能か、どうすればより使いやすいと感じてもらえるか、という視点も強く意識しながら開発を進めています。

――多くのユーザーが必要としている機能か見極めるという点で「MENOU フォーラム」が一役買っているんですね。

そうですね。MENOUの公式ユーザーフォーラムでは製品について質問したり、ユーザーが自由にフィードバックや意見をシェアしたりすることができます。

このような開発フローでは、ユーザーからの要望をどんどん頂くことが重要と考えています。フォーラムがあることで、ユーザーの心理的なハードルが下がり、要望を気軽に伝えていただきやすくなっていると思います。実際、多くの新機能はフォーラムで頂いたご要望を元に実装・リリースされています。

――現在の開発課題や、今後の開発方針についても教えていただけますか?

現状の課題は、開発サイクルの高速化を実現する仕組みの整備ですね。すでに現場でご利用いただいているサービスなので、トラブルや運用に関する課題を解決しつつも、新機能のリリースと既存機能のブラッシュアップの両方を、スピードを落とさずに行う必要があります。

今後の開発方針についてですが、まず1点目のテーマは、MENOU-RNの機能強化を通じて、運用可能な環境を拡大することです。製品によっては複数のカメラで検査したり、コンベヤ上で段階的に検査を行ったりと、現場で運用される環境は多岐にわたるため、どんなケースでもノーコードで運用構築できるようなプロダクトに進化させることが重要と考えています。

次の重要なテーマとしては「検査結果を上流工程へフィードバックするプロダクト開発」があります。

MENOUのミッションは”検査に付加価値を”です。検査工程は製造業の品質を支える重要な工程ですが、その中で利益を生み出す要素が少なく、投資対象として大きな価値を見出しにくいというのが実情です。

そこで、検査を自動化して得られた統計的な情報をもとに、例えばどの箇所で欠陥が発生しやすいのかといった情報を可視化し、製造工程の改善を促すプロダクトの構築を進めていきたいと考えています。

現在すでに、実際の検査データを集計・統計的に可視化するサービスの開発が進行中です。

――「検査」の「価値」を世の中に広める上で重要なプロダクトになりますね。実現するために、今後はどういったチームづくりを考えていますか?

現在、エンジニアチームは私を含めて6名で構成されており、MENOU-TEとMENOU-RNの開発、そしてバックエンドとしてのクラウドサービスなどの運用とメンテナンスを行っています。

現状はMENOU-TEやMENOU-RNの専門チームという形は取っておらず、先ほどお伝えした通り各機能やプロダクトについて都度リーダーを決め、フレキシブルに開発作業を行っています。

しかし、クラウドを含めて専門性が求められる分野が増えてきており、すべてのメンバーが全ての分野をカバーするのは難しいですし、効率的でもありません。

そのため、MENOU-TE、MENOU-RN、クラウドサービス、などに分けて開発を進めていくことがリリースのスピードを維持するためには必要になってくると考えています。

――最後に、どういう方にチームに参加していただきたいですか?

なにより、ユーザーの声を直接聞き、自分のアイディアや技術力で解決し、それを製品に反映していきたいという想いを持つ方に入社していただけると嬉しいですね。実際に社員のアイディアから生まれた機能もたくさんあります。

また、今後も引き続きプロダクトを継続的に改善・リリースしていくことになるので、継続的インテグレーションや保守性の高いソフトウェア設計にご興味がある方も是非。

さらに、新しい機能やサービスもどんどんリリースしていきたいと思っているので、最新技術の検討やフルスクラッチの開発に挑戦していきたいと考えている方にも参加していただきたいです!

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