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アップストリーム創業ヒストリー

リクルート在籍時に幕を開けることになった“配信事業”

苅谷翔太郎(現アップストリームCEO)は幼少期からインターネットを使った様々な事業を実践していた。中学生のころからメルマガでお金を稼ぐ方法を考え、大学時代には法人会社の起業を行った。日常の中でいくつもの新規事業の立案を行うことが当たり前になっていた。

苅谷は大学時代に行っていたSEOマーケティングで毎回リクルートのサイトと競合することに気づき、ノウハウを学びたいと2012年4月に新卒社員として株式会社リクルートホールディングスに入社。2年目まではアルバイト求人の新規アプリの企画・開発に携わっていた。そんな中、2013年に大きな転機が訪れる。内定者時代から欠かさず応募していたリクルートグループ会社従業員を対象にした新規事業提案制度で苅谷の企画が通過したのである。その時の事業内容が現在のアップストリームの事業内容でもある「配信事業」だった。

需要と供給が一致していない”配信マーケット”

まず苅谷が目を付けたのはテレビ放送コンテンツの需要と供給のバランスだった。特にアニメコンテンツの供給が、世の中の需要より少ないということが見えてきた。当時のアニメ放送は首都圏でしか放送されないことも多く、インターネットでの配信もあまり行われていなかった。ましてやテレビ放送をインターネットで同時配信するようなシステムは存在していない。首都圏と地方での供給の偏りが存在すると感じた。苅谷はインターネットでテレビコンテンツの配信を行うのは今が絶好のタイミングだと確信していた。

アップストリームの技術の原点は民放初の常時同時配信サービス

リクルートの新規事業コンテスト受賞後に苅谷はリクルートホールディングス内のメディアテクノロジーラボに異動となり、自らが企画した配信事業の開発を行うことになった。まず初めに東京の民放局と協業し、スマホでテレビの番組を見ることができるアプリを企画した。この企画を実行するためには配信周りで必要な知識が多く、配信の知識が豊富なエンジニアが必要だった。そんな時に苅谷が出会ったのが同じくメディアテクノロジーラボに勤務する小西響児(現アップストリームCTO)だった。小西の過去の配信関係の制作記事を見つけ、彼ならこのプロダクトを実現できるかもしれないと声をかけた。そこからは一気に話が進み、プロダクトの開発が進んでいった。2015年7月に民放初の常時同時配信サービスがリリース。2015年7月時点、インターネットでテレビコンテンツを同時配信したアプリのリリースは日本で初めての試みだった。

創業時のミッションを拡大し、新たなフェーズへ

リクルートホールディングスの配信事業は着実に実績を積み重ねていき、その実績をもとに「テレビのコンテンツをインターネットに開放する」というミッションのもと2018年に株式会社アップストリームとして独立した。

アップストリーム創業後はNHK、テレビ東京、スカパー、TVer、radiko、日本テレビ、東海テレビ、中京テレビ、CBCテレビ、テレビ愛知などの放送関連会社から依頼を受けて配信プロダクトの開発を行った。

ここから先はテレビのコンテンツに限らず、プロダクトの開発で培った技術で様々な業界のコンテンツをインターネットに開放していきたいと考えている。その第一弾がアップストリーム初の自社開発案件となる「授業全録システム」である。「授業全録システム」は今までのプロダクト開発で培ったアップストリームの配信に特化した技術を活かし、学校で行われた授業を録画変換してクラウド上で公開するシステムとなっている。時間割登録によって自動的に授業ごとに記録されて生徒に配信されるため、生徒はいつでも授業を後から見返すことが可能となる。この仕組みで感染症において修行に出席することができなくなった生徒や学校に行くことが出来なくなってしまった不登校の生徒などの学習的格差を埋める効果が期待されている。さらに動画を見返して授業の復習を行うことによる生徒の学習効果の向上、録画することによって教員によって異なっていた授業の質の統一をすることが出来ると考えている。(2023年リリース予定)

これから先も新しい事業・新しい開発に挑戦しつづける企業でありたい

同時配信サービスの開発時代から築いた配信にかかわる知識と技術を武器として、今後も配信業界で多くの新しい技術の開発を行っていきたい。そして配信事業だけにとどまらず、別の業界でもアップストリームの知識と技術を活用しあらゆるプロダクトを実現していきたい。その思いからアップストリームは2023年に“「社会が変わるインパクトのあるプロダクト」を実現する”という新しいミッションを掲げた。新しいミッションのもと、アップストリームはこれからも成長し、新しいことに挑戦し続ける企業でありたいと考えている。

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