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みなさんこんにちは。元グロトムエンジニアのOTです。
グロトムでは2024年3月現在、カリキュラム修了者を対象に月最大5,000円の教材費を支給する制度をとっています。
私はこの制度を利用して…というわけでは今回はありませんが、また1つ資格を取得しましたので、せっかくなのでその資格についての概要と学習方法、得られる恩恵やコストパフォーマンスについてお伝えしていこうと思います。
今回ご紹介するのは表題の通り「Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE」です。
2023年10月からの参画現場でJavaを使うことになったので、改めて学習するついでに資格を取得してきました。今回はその経験から、資格や試験概要について軽くご紹介いたします。
目次
みなさんはOracle社をご存知でしょうか。
PCに幼少から触れてきた方であればネット上のポップアップ広告等で目にしたことがあるかもしれません。
Oracle社は、アメリカ合衆国カリフォルニア州創業、テキサス州に本拠を置く、民間法人や公的機関を対象とするビジネス用途に特化したソフトウェア会社である。
そんな巨大ソフトウェア企業であるOracle社ですが、2010年にJavaの生みの親である「サン・マイクロシステムズ」を買収してJavaの開発元となりました。今ではOracleの最重要技術でありながら、世界で最も有名なプログラミング言語としても広く私たちの生活の中にも浸透しています。
Javaは、Oracle社の記事によれば11億のデスクトップにインストールされ、30億の携帯電話がJavaで稼働しているのだそう。アプリケーションに限らず、IoT家電、組み込み機械等、多くの製品に使用されており、今やJavaなしで世界は回らないほどの存在感です。エンジニアにも人気の言語の一つで、何かにつけてはランキングのトップにその名を馳せています。エンジニアが学ぶべきプログラミング言語としても常に比較対象として挙げられ、多くの開発現場で用いられていることからもおすすめの言語と言えます。
2006年にOpenJDKとして開発環境がオープンソース化(誰でも自由にソースコードを参照し、開発をすることができる状態)してからは、多くの企業や個人が様々な開発環境やライブラリの提供、サービスを展開をするようになりました。
プログラミング言語としても、きっちりと型が決まった構造をしている関係で、一度習得して仕舞えば非常に読みやすく書きやすいものと言えるでしょう。
今回紹介するJava Programmerの資格はそういったJavaの要素の基本を学び、開発を行うにあたって必ず知っておくべき前提知識を体系的に学ぶのにもってこいと言えるものです。
Oracle Javaは2つの観点から資格が分けられています。
1つは求められる知識や技術の難易度、もう1つはどのバージョンのJavaを元にしているかです。
難易度は、プログラミング言語未経験レベルのBronze、初心者レベルのSilver、中〜上級レベルのGold、Plutinumという4つに分類されます。なお、Bronzeは日本限定の資格となっております。BronzeからSliverまでは特に受験にあたっての前提資格等はありません。
一方、資格名の最後についてる数字はOracle Javaのメジャーリリースバージョンとなっています。最新は21だったはずですが、資格としての最新版は11です。今、資格取得を目指すのであればこの11版を受験することになります。
試験概要は以下のようなものとなっております。
出題内容としてはJavaの概念、利用方法。文法、クラスやオブジェクト指向、継承とポリモーフィズムについて等、Javaのみならずオブジェクト指向型言語の基本を問うものとなっております。出題形式こそ選択式ですが、そのバリエーションはけっこう豊富で、よくある「4つの選択肢から1つ正当を選ぶ」タイプのものから、「8つの選択肢の中から3つ正当を選ぶ」なんていうそれなりの難易度のものも混ぜこぜです。
では、実際どのように学習をしていくのが良いかですが、私は以下の問題集を購読しました。
こちらは一般的に「黒本」と呼ばれる問題集です。あくまで問題集となっておりますので、それ以前にJavaの知識を得るにあたってはこちらの本だけでは難しいかもしれません。もちろん、問題を解きながら回答の解説を見ることである程度知識の補完は可能ですが、ある程度プログラミングの知識があることを前提にしているような表現が目立ちますので、本当に初めてプログラミング言語を学ぶ場合には他の書籍や学習サイト等を利用するのが良いでしょう。
私の方はある程度Ruby等のプログラミング言語についての心得があったので、当書の各章の問題や付属の模試を2回ほど行った程度でギリギリの正答率で合格することに成功しました。学習期間は終業後と土日を少しずつ使用して1ヶ月。問題の難易度は正直なところけっこう高かったように思います。例えるならば「全ての出題にひっかけの選択肢が入っている」というところでしょうか。また、割合として文法のミスがあるかどうかをすべてチェックする必要がある問題が多かった印象です。ただ、「問題集の例題にそっくりな問題が本番で出てきた」なんてものもありますので、迷ったらまずはこの本を購入しても良いでしょう。
こちらもOracleが公式監修している本となっておりますので、問題集として安心して手にとっていただけると思います。序章には試験概要等も書かれているため全体像を把握するのに役立つでしょう。
また、実際にJavaのコードを書いて実行してみる環境を用意するのが良いでしょう。環境構築について詳しく解説している動画サイトもあるのでそちらを参考にするのをおすすめします。
ここまで試験概要について学んできましたが、実際に試験を受けるにはどうすれば良いかについてもご紹介します。
Oracle Javaの試験を受ける方法は2つあります。
1つは試験センターに行って監督官つきの会場で受験する方法。
もう1つは自宅で受験する方法です。
実は今回、自宅で受験しました。試験実施を請け負っているピアソンVUEのオンライン受験はそれなりの制約が伴うため、ご家庭の状況によってはなかなかクリアできないこともあるかと思いますが、ことJava Bronzeに関しては非常に簡易的に試験を実施することができるのが嬉しいですね。
前回、前々回のOracleDBA試験のように予約自体はその場で取れますので、思い立ったらすぐに試験を実施できるというのはとても気軽と言えましょう。値段もOracleの認定試験の中では安価ですね。尚、予約後は48時間以内に受験をする必要がありますのでご注意を。
2023年10月半ば、40時間弱ほどの学習を終え私は試験の予約を取ることにしました。
予約の手順は以下のサイトの案内文に従っていけば問題ないと思います。
(試験の予約には必ずOracleのアカウントが必要になりますので、予約の際に必ず作成しておきましょう。試験結果や合格証明書等を受け取るためにも必要となります)
金曜日の夜、予約完了。本番は日曜日の昼にしようと決めました。
ここまで黒本の各章の問題を2回ほど回してきていたので仕上げと思い立ち、同本に付録としてついている模擬試験を実施することにしました。
本番想定の時間で計測開始…正答率71%
「あかん(あかん)」
2周回してある程度理解ができていたつもりでしたが少々甘かったようです。
模擬試験で7割はちょっと黄色ライン…
実際、65問を60分というのはけっこうカツカツな時間設定で、1問あたり1分10秒弱で解き進めていかなければなりません。これは言うなれば「見た瞬間わかる!」という問題が半分、2分程度時間をとって考える・確認すべき問題が半々くらいでなければならない割合だと個人的には感じておりますが、実際のところは上述ように「ひっかけの選択肢」が含まれている問題がほとんどであるため、慎重に問題文を読み進めていく必要があります。
模擬試験を終え、私は「見た瞬間わかる」という問題を増やすことが試験実施予定時刻までの課題と捉えました。
土曜日は結局間違っていた箇所の復習と、時間をかけてしまった問題の出題意図を掴むことに費やすこととなりました。
そして日曜日の試験本番。
試験開始フォームを開き、覚悟を決めて試験に臨んだわけですが…
「難しい…」
昨日の復習を含めても本番問題は予想を上回り難易度が高く感じられました。不安が残る中での受験であったことからの緊張感が、冷静に問題を解こうとするのを妨げていたからかもしれません。
準備期間の短さと対策の甘さを痛感しながら、なんとか試験時間ギリギリに最終問題まで辿り着き、見返しを行うこともできずにそのまま試験が終了しました。
(ダメだったかもしれん…)
なんてことを思いながら合否の結果を確認したところ、なんとか合格でした。
資格の認定証やサムネに設定してある認定バッチをもらいましたが、うーんという感想。
振り返ってみると、確実に合格するためには各出題の意図を汲めるようになるなってから挑む必要があったかなと思います。「この手の問題はここにひっかけ要素をおいてあるから、そこをチェックしてね」という出題者側の意図がすぐに見抜けなければ苦戦を強いられることは必至でしょう。
それでは、この資格を保有するメリットはどうでしょう?
これまでのルポでもお伝えしているのと同様、この資格を保有しているだけではそんなに効果はないかと思います。入門用の資格というのは、それを保有しているだけでは案件の獲得や転職への優位性というものは働き辛いものです。
ではなぜ私がこの資格の取得を目指そうとしたのか。
正直にお話をすると私は今回が実務での開発経験が初めてとなります。それまでは自身でオリジナルアプリケーションを作成したり、グロトム内で研修カリキュラムを実施したり作成したり…なんていうことはしておりましたが、実際に案件として客先でプロダクト開発を行ってはきませんでした。
どの程度のレベルの技術が求められるのか、どこまで知っていれば喰らいつくことができるのか、それも「初めまして」の言語で。
そのため、ひとまずはここまで準備をしてきたぞというアピールと体系的な基礎固めを行ううえで資格試験というのは手っ取り早い指標として建てることができたというのがあります。
少し脱線しましたが、この資格はプログラミング言語をこれから学ぶ人、興味がある人にとってはお勧めできるものとなっております。Javaの紹介でも触れましたが、Javaは採用率の高い開発言語ですので、もっておいて損をすることはあまりないでしょう。
Javaは変数や関数(メソッド)の型付をはっきりと決めて宣言を行う静的型付け言語となります。PHP、Ruby等の動的型付け言語をこれから学ぼうという方にも、「型」を意識してプログラミングを行うことの重要性を教えてくれるため、ご自身の専攻言語を別で考えている方にも学習をお勧めできるものとなっております。
ある意味、Javaのみならずプログラミング言語を用いての開発に対する最低限の知識は持っているという証明にもなるかと思います。
また、この次のレベルであるSilverの取得を目指しているのであれば、基礎固めという意味でも非常に良いのではないでしょうか。(まず自分が取れという話ですが)
以上、OTの資格取得レポでした。
再掲となりますが、株式会社グロトムでは2024年3月現在、カリキュラム修了者を対象に月最大5,000円の教材費を支給する制度をとっています。せっかくなのでいろんな教材を購入し、身につけた知識や技術をみなさんで是非共有してみてください。
2023年10月2日(月)
現場PM「OTさん、参画ありがとうございます。早速なのですが、
」
「あっハイ…しょうちし…
※このコラムはグロトム入社後のエンジニアのみなさんに役に立ちそうで立たない、ちょっと役に立つかもしれない情報をお届けする不定期通信です。