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資格取得ルポ 「Oracle Master Silver DBA 2019」編


心の声「Bronze合格したし、じゃあその勢いでSilverとろっか」

わたし「あ、ハイ」



みなさんこんにちは。OTです。

グロトムでは2023年9月現在、カリキュラム修了者を対象に月5,000円の教材費を支給する制度をとっています。

私はこの制度を利用して、2冊の本と2つの資格を取得しましたので、前回に引き続き今回はその2つ目について、資格の概要と学習方法、得られる恩恵やコストパフォーマンスについてお伝えしていこうと思います。

今回ご紹介するのは表題の通り「Oracle Master Silver DBA 2019」です。

参画現場でOracleを使っているので、よりOracleについて知識を定着させるべく資格を取得してきました。今回はその経験から、資格や試験概要について軽くご紹介いたします。

前回の記事『資格取得ルポ 「Oracle Master Silver DBA 2019」編』をご覧になった方は「試験について」の項よりお読み進めください。


目次

  • はじめに
  • what’s Oracle? オラクルとは?
  • Oracle Masterについて
  • 試験について
  • 試験概要
  • 試験対策
  • 受験するには?
  • 試験当日の流れ
  • この資格を保有すると?
  • おしまいに

はじめに

what’s Oracle? オラクルとは?

みなさんはOracle社をご存知でしょうか。

前回のコラム、『資格取得ルポ 「Oracle Master Silver DBA 2019」編』をご覧になった方には今更説明することもないでしょうが、まだご覧でない方向けに再度Oracle社について簡単に説明しましょう。

(説明不要!という方は次の見出しまでスキップしていただいて結構です)

Oracle社は、アメリカ合衆国カリフォルニア州創業、テキサス州に本拠を置く、民間法人や公的機関を対象とするビジネス用途に特化したソフトウェア会社である。

そんな巨大ソフトウェア企業であるOracle社の主要製品がOracle DataBaseです。単純にOracleという単語を会話で出す場合、このOracle Databaseを指すことがほとんどです。

Oracle Databaseは、多くの製品に使用されている主要なデータベースの1つで、特に規模の大きなサービスでは非常にシェア率が高いとされています。国内の主要なITベンダーがリリースしている製品やサービスの多くはOracle Databaseを採用しているとも言われます。

良くも悪くもデータベースを語る上では比較対象として必ず挙げられるほどその浸透率は高く、それが故にOracle Databaseを扱えるというのは、それだけで潰しが効くという強みがあります。

MySQLやPostgreSQL等のいわゆるOSS(OpenSourceSoftware…有志により開発・運営が行われており、ソースコードが公開されていて誰でも無料で使用できるソフト)とは異なり、企業(ベンダー)が手厚いサポートを提供しているのも強みと言えるでしょう。

一方、環境構築の複雑さや周辺ソフトの多さ、独自用語や概念の多さが返ってとっつきにくさとなっているという短所もあります。

今回紹介するOracle Masterの資格はそういったOracle Database特有の要素を学び、実務を行うにあたって必ず身につけておくべき知識を体系的に学ぶのにもってこいと言えるものです。


Oracle Masterについて

Oracle Masterには2つの観点から資格が分けられています。

1つは求められる知識や技術の難易度、もう1つはどのバージョンのOracle Databaseを元にしているかです。

難易度は、DB基礎知識レベルのBronze、運用担当レベルのSilver、設計担当レベルのGold、スペシャリストレベルのPlutinumという4つに分類されます。

一方、資格名の最後についてる数字はOracle Databaseのメジャーリリースバージョンとなっています。最新は21だったはずですが、資格としての最新版は19が最新です。今、資格取得を目指すのであればこの2019版を受験することになります。

試験について

試験概要

さて、試験概要は以下のようなものとなっております。

  • 試験名: Oracle Database Administration I
  • 試験番号: 1Z0-082
  • 出題数: 72問
  • 出題形式: 選択形式
  • 試験時間: 120分
  • 合格ライン: 60%
  • 受験費用: 34,300円(税抜)

Oracle Universityよ

出題内容としてはOracle Databaseを構成する要素、具体的なRDBMS(*1)の仕組み、運用にあたって必要となる設定の方法、周辺ソフトウェアに関する知識、OracleDatabese独自のSQLについて等、Bronzeと比較するとその内容はかなり広がりを見せます。その分、合格に値する正答率はBronzeよりも低い60%となっています。出題形式こそ選択式ですが、そのバリエーションはけっこう豊富で、よくある「4つの選択肢から1つ正当を選ぶ」タイプのものから、「8つの選択肢の中から5つ正当を選ぶ」なんていうそれなりの難易度のものも混ぜこぜです。

加えて、本来は英語の試験であるものを日本語化しているため、少々表現がわかりづらく独特に感じることもあります。そのため、事前に対策問題集等で言い回し等に慣れておくと本番で面食らわずに済むことでしょう。

*1: Relational DataBase Management System … 関係データベース管理システム

試験対策

では、実際どのように学習をしていくのが良いかですが。私は以下の教書を購読しました。

こちらは一般的に「黒本」と呼ばれる教科書で、試験の概要から対策、問題集まで兼ね備えている良本です。Bronzeの回でもお伝えしましたが、内容としては非常によくまとめられたものとなっており、本文に各章末問題、一回分の模試がついていてこの1冊で多くの内容をカバーしてくれます。事実、私も本文を2回ほど通読し、各章末の問題集や付属の模試を2回ほど行った程度で7割ほどの正答率を得られました。それほどに完成度の高いものとなっています。

また、試験概要等については、執筆者である株式会社コーソルの公開している記事でも確認することができます。

Bronzeの場合は黒本1冊でどうにかなるレベルだったのですが、Silverに関しては内容がより実践的なものとなっていることから、正直なところお手元の実機にOracleDatabeseをインストールして触っていただくのが良いのではないかと思います。GUI操作(*2)に関する部分については本だけではどうしてもイメージが沸かない部分が出てきますので、そこはご自身の目で確かめていただくのが一番でしょう。

環境によってはどうしてもインストールが難しいということもあるでしょうから、その点については、他の教材を用いるのも1つだと思います。動画形式のもの、実際に画面を公開している記事を参考にするのも有用な学習方法の1つと言えるでしょう。

また、SQLについての学習を行いたいのであれば、私は以下のサイトをおすすめします。

こちらはOracle社が提供している、OracleSQLを実際に打ち込んで実行することができるWebツールです。Oracleのアカウントさえもっていれば誰でも無料で使用することができるため、これを活用しない手はありません。SQLは読むのではなく、とにかく手を動かして書いてみる。これに尽きます。多少、他のRDBMSで用いる標準SQLとは異なる記述の仕方がありますが、概ねMySQL等で学習した文法が通用しますので、その違いを学ぶためにも役に立つことでしょう。

SQLの出題は体感で4割ほどを占めていたため、他をカバーする得点源として押さえておくのも戦略の一つだと思います。

*2: Graphical User Interface … グラフィック(アイコンなどの画像)マウスのようなポインティング・デバイス(入力装置)によって操作する方式のこと

受験するには?

ここまで試験概要について学んできましたが、実際に試験を受けるにはどうすれば良いかについてもご紹介します。

Oracle Masterの試験を受ける方法は2つあります。

1つは試験センターに行って監督官つきの会場で受験する方法。

もう1つは自宅で受験する方法です。

前回も述べましたが自宅での受験にはけっこう制約が伴うため、ご家庭の状況によってはなかなかクリアできないこともあるかと思います。そのあたりは、試験の主催団体であるピアソンVUEのWebページ で確認することができます。

私は自身のパソコン周りの環境をガタガタ動かすのが面倒だったのでピアソンの試験センターへ向かいました。予約自体は翌日からでも取れますので非常に便利ですね。思い立ったらすぐに試験を受けに行けるというのはとても気軽と言えましょう。値段を除いて、ですが。

80時間ほどの学習を終え、私は試験の予約を取ることにしました。当然ですが、日中は現場の仕事をしながらだったため、平日夜や週末に1時間強ほど平均で学習していたことになるのでしょうか。期間としては70日程度でした。同時並行で自分が一番好きなゲームの最新作を攻略もしながらやっていたので存外時間がかかったイメージです。それは置いておいても、Bronzeと比べて2倍近い時間を要した形となります。

予約の手順は以下のサイトの案内文に従っていけば問題ないと思います。

(試験の予約には必ずOracleのアカウントが必要になりますので、予約の際に必ず作成しておきましょう。試験結果や合格証明書等を受け取るためにも必要となります)


試験当日の流れ

(※Bronze受験の際とまったく変わりありません)
当日、昼過ぎの15時前。前回に引き続き受験会場は新宿西口にあるDAIWA西新宿ビル 8階です。

受付では試験への同意書、受験にあたっての注意事項、写真撮影を行います。その後、手ぶらであることを確認し試験室へ。透明な壁に囲まれたスペースにはずらっと受験用PCが並び、既に試験中の方もちらほら。

席に案内されるとすぐに受験開始できるようになっておりました。試験を受けるにあたっての説明をモニターで確認し、試験開始。あとは選択問題をひたすらにこなしていく作業です。解答に自信のない項目、あとで見返したい項目はチェックをつけておくことでリストアップをすることができますし、一応A4サイズ程のホワイトボードも渡されるのでメモを取ることも可能です。私はまったく使いませんでしたが。

受験スペースの中は、みなさん非常に集中されていて静かな環境でした。しかし、人によってはマウスのクリック音や人が動くことで起こる小さな音、入退室時の音が気になることでしょう。その点はご安心ください。そんな方のため、席には遮音用のヘッドホンも設置されています(人が入れ替わるたびに毎回消毒されていました)。

無事試験が終了するとその場で正答率と試験結果が画面上に表示されます。緊張の一瞬ですね。まあその頃には疲れていて「あー、ハイハイ」という気分になっているかもしれませんが。もちろん、120分フルに受験しなくても、自身で良いと思ったタイミングで試験終了・退室することができます。

受付に戻ると、試験完了の署名が求められ、先ほど画面に表示されていたスコアレポートが手渡されます。こちらは後からOracle Certviewのサイトでも確認ができますので保管するかどうか任意です。(ちなみに最初に受付で撮った写真はここに掲載されます)

この資格を保有すると?

それでは、この資格を保有するメリットはどうでしょう?

目に見えて何かが変わるということはありませんが、基礎知識をもっているという保証になります。

Silverは日常の運用を行うにあたり必要な知識を問うものとなっていますので、その資格を保有しているということは、概念のみではなく、ある程度OracleDatabeというソフトの基本操作から基本的なSQL操作が可能であるということを証明することができるものとなっております。そういう意味では、現場入場前の選考においてもある程度評価に値する指標の一つとなりえるでしょう。仮に実務経験がなかったとしても、受け入れ先を安心させられる材料の一つになるのは間違いありません。

もちろん、実務においてもメリットはあります。現に、私は運用担当ではないものの、案件先でテストに使用するデータの探索や仕様の調査を行うにあたり、学習したSQLの知識を用いてこれをこなしていました。

当然、Bronzeでは得られない知識が多く詰め込まれていますので、開発するシステム・サービスに組み込まれているデータベースの構成をある程度推測しながら設計書を読むことができるようになるという点も資格を取得するメリットと言えましょう。

本資格はデータベースをこれから学ぶ人、興味がある人にとってはお勧めできるものとなっております。Oracleの紹介でも触れましたが、Oracle DBは採用率の高いデータベースですので、もっておいて損をすることはあまりないでしょう。

ただし、Bronzeの学習をしておらず、いきなりSilverの資格取得を目指す方には少しハードルが高く感じる部分もあるかもしれません。内容としてはBronzeの内容を完全踏襲しつつ、より深掘りしていくものとなっておりますので、まずはBronzeで基礎知識や概念を理解してから挑むというものプランとしては良いかと思います。

とあるサイトでは学習に要する時間はBronze同様40時間と記載していましたが、実際に終わってみるとそれほど短い間に合格ラインまで持っていくにはかなり効率的な学習をしなければならなそうです。加えて、Bronzeを飛ばしていきなりSiliverの学習を始めた方にとっては内容の理解をするのにそれなりに時間を要するものと思われます。(実務経験がある程度備わっている方についてはこの限りではないでしょう)

手っ取り早く資格が欲しい、という方についてはその人の経験次第と言えますが、初学者の方であればBronzeの受験を視野に入れることをお勧めします。

こちらの試験はBronze同様、受験費用が非常に高価ですのである程度の出費は覚悟しなければならないところ。ただし、この次のGoldを受験するのであれば、Silverの資格を所持していることが受験条件となっておりますので、より高みを目指すのであれば必ず取得するようにしましょう。

おしまいに

以上、OTの資格取得レポでした。

再掲となりますが、株式会社グロトムでは2023年9月現在、カリキュラム修了者を対象に月5,000円の教材費を支給する制度をとっています。せっかくなのでいろんな教材を購入し、身につけた知識や技術をみなさんで是非共有してみてください。(今井さん、いつもありがとうございます!)


次回については未定となっております。…が、私の次の現場がJavaとAWSを用いた開発を行うこととなっていますので、どちらかに関連する資格取得のレポを執筆するかもしれません。


それではまたどこかで。素敵なエンジニアライフを!



※このコラムはグロトム入社後のエンジニアのみなさんに役に立ちそうで立たない、ちょっと役に立つかもしれない情報をお届けする不定期通信です。


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