なにをやっているのか
ビジネスゲーム「The 商社」
ビジネスゲームを活用した研修の様子
プロジェクトデザインは「人と組織」と「社会」の課題を解決するゲームをつくっている会社です。
就活をされている皆さんは、過去に参加したインターンシップや就活イベントで「ゲーム型のコンテンツ」を体験された経験があるかもしれません。
そのゲームをつくっているのが、私たちプロジェクトデザインです。はじめに、代表である私(福井)より創業の経緯をご説明した上で、事業内容やプロダクト(ビジネスゲーム)の強みをご紹介します。
■創業の経緯■
2009年当時、私は自信を無くし、迷っていました。
前年に起きたリーマン・ショックは人材業界に軒並み大打撃を与え、人材採用・育成の支援会社の営業職であった私の仕事は激減。お客様の人事部を営業訪問をしても具体的な商談に発展することはなかったように思います。
その代わり、人事部の方々の話に耳を傾ける時間が長くなりました。
すると、不思議なことに、人事部の皆さんは一様に同じ話をされていることに気付きました。曰く、「この苦境を乗り越えるようなリーダーシップとクリエイティビティを持った人材が欲しい」とのこと。
私は、
「リーダーシップとクリエイティビティを持った人材の登場に期待するのではなく、人事の責任者である貴方がそうなれば良いんじゃないの?」「まだ見ぬ英雄的な人や若い世代に期待するのではなく、人事の責任者たる自分自身が動かないと!」
心の中でそう叫びました。
しかし、「自分自身がこの苦境を乗り越える、リーダーシップとクリエイティビティを持った人材になるためのチャレンジをしなければいけない」。そんな内なる声が聞こえて来ました。
そして、私は自分自身のリーダーシップとクリエイティビティを試すために起業をしました。
自分自身が様々なチャレンジのロールモデルになりたいという気持ちを抱き、世の中に生じている人や組織の問題、社会や地球の問題を解決する、そんな小さなプロジェクトを仲間とともに始めたのです。
問題を解決するには、より広く、より効果的に伝え、多くの人の知恵を結集し、具体的な行動を起こしてもらう必要があります。その手段として何が良いのか。多くの挑戦の結果、たどり着いたのは「ビジネスゲーム」というテクノロジーでした。
現実の世界(社会や組織)が抱える大きく複雑な課題の仕組み・構造を分析し、課題解決に求められるエッセンス(考え方や行動)を抽出し、ゲームの世界でシミュレーション(実践トレーニング)ができるようにする。
私たちは、ビジネスゲームで「人と組織」と「社会」の課題を解決します。
■事業内容■
私たちプロジェクトデザインは、
・チームワークを学ぶビジネスゲーム「The Team」
・財務諸表を読み解く力を身に付ける「The 財務諸表」
・ワークライフバランスついて学ぶ「ライフスイッチ」
・SDGsの本質を理解する「2030SDGs」
・森の未来について考える「moritomirai(森と未来)」
など、私たちは2010年の創業以来、200種類以上のビジネスゲームを開発。ビジネスゲームを活用した研修は、企業・官公庁・学校などの様々な組織で実施されています(20カ国・20万人以上がビジネスゲームを体験しています)。
■ビジネスゲームの強み■
ビジネスゲームがお客様から支持される理由は、その学習スタイルにあります。
人間には、
1. 講義:講義を通じて座学で学ぶ(知識を得る)
2. 議論・対話:他の人との対話の中で学ぶ(発見や気づきを得る)
3. 観察:他の人がどうやっているかを観察して学ぶ(真似る)
4. 行動:自分が実際にやってみて学ぶ(経験する)
この4つの学習スタイルがあり、人によって学びの効果が高い学習スタイルは異なります。
そして、知識習得型の研修は「講義」、ワークショップで「議論・対話」、営業のロープレ研修では「観察」と「行動」といった具合に、一般的な研修は学習スタイルが固定的(1つか2つの学習スタイルの組み合わせ)です。
その一方で、ビジネスゲームを活用した研修では、4つの学習スタイルを効果的に組み合わせることで、全ての人の学習効果の最大化に働きかけるアプローチが可能です。
特に、ゲームを体験するという自分の「行動」を起点に、その行動を客観的に「観察」することで、自身が認識していないメンタルモデル(自身の行動の前提となる価値観や考え方)を発見し、行動変容につなげることが、お客様から大きく支持されています。
ビジネスゲームを活用した研修を実施することで、多くの人が、自分が変わることができる感覚を掴むことができる。このエンパワーメント(自分は無力ではなくて周囲に影響を及ぼすことができるという意識の獲得)がビジネスゲームの強みです。
なぜやるのか
ビジネスゲームではゲーム体験を通じて「自分の行動が小さな波紋を生み出し、波紋が重なり合い、やがて周囲を巻き込み変化を促す大きな渦となる感覚」を掴む機会を提供します。
世界には様々な問題があって、自分にはどうにもできないと思って、諦めたり嘆いたりしている人が多くいます。
・社会が抱える大きな問題に対して、自分自身があまりに小さな存在に感じられてしまう
・巨大な組織の中では、自分が替えのきく歯車の一部のように感じられてしまう
・いい高校を出て、いい大学を出て、いい会社入って…という社会構造がもたらす学びの格差への諦念
こういった無力感は、人の行動を阻害する大きな要因になります。私は、起業した際に、この無力感を乗り越えるにはどうすれば良いのだろうかを考え、次の答えを導きました。
①問題の構造を知ること
自分が直面している(社会や組織の)問題がなぜ起きているのか? その理由をきちんと知ることで問題解決に向き合うことができます。
②やればできるという感覚に気付くこと
問題解決の一歩は、自分の小さな力で始める必要があります。そのためには自分の小さな力でも大きな影響を与えられる可能性(やればできるんだという感覚)に気付くことが大切です。
③同じ志の仲間を集めること
自分一人の力には限界がある以上は、同じ志のある仲間を集めることが重要になります。
この①②③を実現する手段として、私は「ビジネスゲーム」にたどり着きました。ただ、私の導いた答えは、実はそんなに特別なことではないと思っています。
RPGゲームがそうであるように、主人公である勇者が1人で冒険を始め、仲間を集め、問題を解決しながら成長し、やがて魔王を倒すという偉業を成す。
この「ゲームの世界では多くの人が体験している経験」をリアルの世界でも経験できるようにしたものが、ビジネスゲームです。
誰もがビジネスゲームのゲーム体験を通じて「自分の行動が小さな波紋を生み出し、波紋が重なり合い、やがて周囲を巻き込み変化を促す大きな渦となる感覚」を掴む、そんなエンパワーメント(自分は無力ではなくて周囲に影響を及ぼすことができるという意識の獲得)の機会を提供します。
■実践者としてのプロジェクトデザイン■
私たちはビジネスゲームで「人と組織」と「社会」の課題を解決する会社として、お客様に対してだけでなく、常に自分たち自身が、その実践者で在りたいと願っています。
プロジェクトデザインの創業の地を、私の故郷である富山県滑川市に選んだのも、自らが実践者として「地方創生」の課題を解決したいと考えたからです。
例えば、都会と地方との対比においては「教育格差」があることは知られていますが、それと同様に「学習格差」も存在します。私たちが提供する研修サービスにおいても、都会では先進的な研修が行われる一方で、地方の研修では「お偉いさんが1時間ぐらいの講演をする」という研修が根強くあります。
もちろん、そういった研修を否定するものではありませんが、地方にビジネスゲームを活用した研修を持ち込むことで、豊かな学習を行うことができるようになり、学習格差の改善に貢献できる。
私はそう信じています。
<補足情報>
創業の地は富山ですが、現在は東京・京都・福岡にもオフィスを構えている他、山梨・静岡・福井で働くメンバーもいます。新卒入社の方は基本的に東京オフィスで3年間勤務いただき、その後は好きな場所で働いていただきます(地元の地方創生に取り組んでいただけると嬉しいです)。
<参考情報>
富山県の地方創生に向けた私たちの取り組みに「AROMA SELECT(アロマセレクト)」があります。これは、私たちが2014年に立ち上げた精油(エッセンシャルオイル)ブランドです。精油を作る活動を通じて自然と人間の共生を目指し、富山県に豊富にある森林資源(森林の保全活動の中で生じる廃棄予定の間伐材)を原材料として活用しています。
・AROMA SELECT | アロマセレクト
https://aroma-select.jp/
どうやっているのか
年に1度の全社合宿では、方針発表や研修に加えて、船釣りや滝行など普段できない体験をみんなで企画して実行しています。
山梨で獅子奮迅の活躍をしている武井さん(彼女のプロフィールは本ページ上部の「株式会社プロジェクトデザイン」のメンバーからご確認いただけます)
私たちが開発するビジネスゲームは3種類に分類されます。
①自社商品としてのビジネスゲーム
企画・開発・マーケティング・営業・納品の全てのプロセスを内製(自社の社員で対応する体制)にすることで、高品質なゲームをつくることにこだわっています。良いゲームをつくることが、お客様の反響や口コミを呼び、マーケティング上の優位性を築きます(事実、私たちは新規開拓でテレアポをしておりません)。
②パートナーと共同開発するビジネスゲーム
すでにビジネスゲームの第一人者として認知されている私たちには、企業から「一緒にこんなゲームをつくませんか?」という提案や要望をいただくことが少なくありません。例えば、SDGsゲームとして最も有名な「2030SDGs」は一般社団法人イマココラボとの共同開発によって生まれています。
③お客様の依頼を受けて開発するビジネスゲーム
「楽しくて、学びになる」。このビジネスゲームの特徴はインターンシップや新卒採用の「仕事理解コンテンツ」との相性が良く、トヨタ自動車や日立製作所、アシックスやオムロンなどの大企業からのオーダーが多い傾向にあります。
ビジネスゲームが「仕事理解コンテンツ」として優れている理由は下記の通りです。
“企業理念や仕事内容を伝えること自体は会社説明会でもできることです。しかし、会社説明会では企業側から1Wayで発信するので良い所ばかり伝わってしまう懸念があります。学生側も「会社説明会の場でどんなことを聞いたら企業の本質が分かるのだろうか?」と悩んでしまうことが多いと思います。
実際の仕事内容が理解できるインターンシップをやる選択肢もありますが、大多数の学生全てにインターンシップをやるのは現実的ではありません。また、インターンシップで分かることは、あくまでも、その職場限定の仕事内容や風土です。
もっとトヨタ全体のことを俯瞰的に見ることができる機会を用意することが学生の企業選びの入り口では重要ではないか?
そんな思いから、学生のキャリア教育・就活支援に繋がるコンテンツ、トヨタという会社を短期間で俯瞰的に疑似体験できるコンテンツとして「Global Impact」や「One Professional」を御社と一緒に開発させていただきました”
・引用元の記事
https://www.projectdesign.co.jp/case/toyota_original-business-game_2/
■メンバーについて■
30名超の組織体制で、開発・マーケティング・営業・研修・バックオフィスの各領域でメンバーが活躍しています。
ビジネスゲームの企画部門は存在しません。メンバー個人の自発的な企画提案によって生まれるビジネスゲームもあれば、顧客の課題解決に向き合うコンサルタントがビジネスゲームの企画を担当するケースもあります。例えば、カードゲーム「moritomirai(森と未来)」は東京オフィスに勤務するコンサルタントが企画に関わっています。
・カードゲーム「moritomirai(森と未来)」
https://www.projectdesign.co.jp/moritomirai/
メンバーは中途入社のメンバーの割合が多く、元行政職員や経営コンサルタント、教員、エンジニア、メーカーの営業経験者など、多様なバッググラウンドのメンバーが在籍しています。
■カルチャーについて■
当社では「多様性と成長」を大切にしています。多様性が尊重された環境で一人ひとりが成長することによって、各自が望む自由や裁量を掴み取るものである。その価値観が社内の制度や風土に反映されています。
【勤務地】
富山・東京・京都・福岡のオフィス勤務の他、リモート勤務も可能です(静岡や福井、千葉や神奈川で働いているメンバーもいます)。
【働き方】
本人の希望によっては週3日勤務や副業も可能です。例えば、東京オフィスに勤務するコンサルタントの武井さんは入社4年目に山梨の魅力に惹かれて山梨に移住。プロジェクトデザインの業務とは別に、空いた時間を活用して地方創生に関連する活動をされています。
【コミュニケーション】
メンバーが全国各地に散らばっている関係上、社内のコミュニケーションはオンラインが主体です。オンラインだとメンバー同士のコミュニケーションが希薄になるため、年に1度は全員が集まる合宿を行う、毎月オンラインの全社会議を行う、オンライン会議の際は近況を共有し合うなどの工夫をしています。
ちなみに、上下関係は全くありません(経営層やマネージャー層が偉いという雰囲気はありません)。良い仕事をすることに焦点を合わせて、立場や役割の壁を越えて意見を交わせる風土があります。