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なにをやっているのか

島根県隠岐諸島・海士町では、隠岐島前地域(西ノ島町・海士町・知夫村)をフィールドに、還流(人の流れづくり)を起点とした魅力的な地域づくりに取り組んでいます。 全国の若者のみなさんを対象に、「1年間の就労型お試し移住制度“大人の島留学”」「島の暮らしを考える3ヶ月インターンシップ制度“島体験”」制度を創設しました。離島への人の流れをつくるための以下の①~④の事業を行うことで、新しい風を起こし共に島の未来を開拓していける風土づくりに取り組んでいます。 ■仕事内容 ①人の流れづくり事業  1年間の就労型お試し移住制度「大人の島留学制度」、島の暮らしを考える3ヶ月インターンシップ制度「島体験制度」の設計運用。  国内外の若者と隠岐島前地域を繋がりを太くしていくために、この2つの制度に取り組んでいます。 ②研修事業  上記お試し移住者向けへのスタートアップ/フォローアップ研修業務。  お試し移住期間が充実したものになるよう、仕事と暮らしを含めた伴走業務を行っています。(定期的な面談、研修の設計など) ③拠点整備事業  お試し移住者の住居となる空き家を活用したシェアハウス整備・運用業務。  島内では「空き家問題」が深刻化しています。大人の島留学関連事業において、空き家の利活用を行うことで、課題解決への1歩となるよう目指しています。(空き家の清掃・修繕含めた整備)  ④隠岐島前3町村との自治体連携推進事業  これまで大人の島留学の活動は海士町を舞台の中心としてきましたが、今後は隠岐島前3町村(西ノ島町・知夫村・海士町)でより一層連携を深め、隠岐島前地域全体を活動の舞台としていきます。 ■隠岐島前地域について 島根県・隠岐諸島のうち、3つの島(知夫里島・西ノ島・中ノ島)から成るのが隠岐島前地域です。 「大人の島留学・島体験」の舞台の中心となるのは、そのうちの中ノ島(海士町)となります。 海士町は、人口約2,300人の小さな離島ではありますが、対馬暖流の影響を受けた豊かな海と、名水百選(天川の水)に選ばれた豊富な湧水に恵まれ、自給自足のできる半農半漁の島です。(西ノ島町:2700人、知夫村:600人) また、これまで冷凍加工の新技術導入(CAS)による加工新商品の開発製造販売、島生まれ島育ちの「隠岐牛」の肥育、いわがき:春香の養殖などに取り組んで新産業と雇用の連鎖に取り組んできました。島で生産される農林水産物に高付加価値を付け、地産地消による内需拡大と、島外からの外貨獲得により安定収入を確保させ、生産者の意欲と生産性が相乗的に高める取組を実施しています。 その他にも、これまでの約20年間取り組んできた交流事業や、新産業づくり、高校魅力化事業等などにより、島のファンを増やしてきました。 より一層、全国各地の若者を巻むことを通した交流盛んな面白い島の実現に向けて、動き始めています。

なぜやるのか

西ノ島町・海士町・知夫村からなる島前地域では、10年前、人口流出や財政難などの問題をかかえ、地域に唯一の県立高校も廃校の危機にありました。 島に唯一の高校がなくなると、高校生は元よりその家族も島外へと引っ越していくことになります。子どもや家族が減っていくことは、地域の急速な衰退へとつながっていくなど、日本の各地で起きている課題を先取りしているような状況でした。 そこで立ち上がったのが「隠岐島前高校魅力化プロジェクト」です。 高校・公立塾・学生寮、そして地域が連携しながら試行錯誤を重ね、今では国内のさまざまな地域や海外からも生徒が集まる「島留学制度」を創設し、生徒数は当時の約2倍になり、V字回復しました。輩出した卒業生たちも全国各地で活躍をしはじめています。 その一方で、地域においては、人手不足・担い手不足といった課題は依然として続いています。 その背景には、「離島」という地で「暮らすこと・働くこと」に対する心理的・物理的なハードルが高いことが大きな要因としてあるのではないかと考えています。 そこで、「離島への人の流れづくりを起点とした地域づくり」という新しい挑戦を始めました。離島への人の流れをつくることで、新しい風を起こし共に島の未来を開拓していける風土づくりに取り組んでいます。 【島の滞在人口の創出に向けて】 わたしたちはこれでまで、隠岐島前高校魅力化プロジェクトの発足や、観光や産業の魅力化などに取り組む10数年の中で、島の応援団となってくれる”島のファン”を増やしてきました。 それが今でいう”島の関係人口”と呼ばれるものだと考えています。 これまで島では、関係人口創出や移住促進を見据えた取り組みに力を入れてきましたが、これからは「一定期間島に暮らし、島で働くこと・学ぶこと」を経験したことがあるような”滞在人口”と呼ばれる層の人口創出・拡大または関係の深化に向けた取り組みにより一層力を入れていきます。 若者を中心とした一時滞在者が、島で働きながら・学びながら滞在することは、地域に活気をもたらします。 わたしたちは、5年後には大人の島留学事業を通して、全国各地の若者たちが「毎年200人」島で働きながら・学びながら滞在しているような”若者であふれる島”を目指していきます。 【大人の島留学・島体験の受入れ実績】 ■大人の島留学 令和2年度 21名(令和2年度 募集定員20名) 令和3年度 15名(令和3年度 募集定員15名) ■島体験 令和3年度 累計40名 ※一部予定含む(令和3年度 募集定員累計40名) 4-6月期:10名 7-9月期:10名 10-12月期:11名予定 1-3月期:10名予定

どうやっているのか

■大人の島留学事業の推進 隠岐島前地域では、 ・全国の若者を対象としたお試し移住制度「大人の島留学」 ・全国の学生を対象としたインターンシップ制度「島体験」 に取り組んでいます。 私たち大人の島留学運営事務局は、この2つの制度が、「三方よし(事業よし、地域よし、若者よし)」となるように、制度運営に取り組んでいます。 この取り組みを令和2年度9月より開始したことにより、離島への新しい人の流れが出来はじめてきました。 ■徹底した若者への伴走支援 離島という環境での挑戦を求めて、大人の島留学などの制度を活用して、多様な若者たちが来島します。 隠岐島前地域は課題先進地であるため、多くの人がなんとなく描いているような “憧れとしての島暮らし” と、“実際の島の暮らしや仕事” には、必ずギャップがあると思います。 大人の島留学では、そのギャップに向き合ってもらい、挑戦(実践)する中で得られる【学び・成長・失敗】を大切にしています。 離島の良いところ と 若者の新しい価値観 とが上手く混ざり、島にとっても、大人の島留学生にとって充実した滞在期間となるように、事務局スタッフとして伴走していくことが最も重要な業務となります。 わたしたちは、来島される若者たちにとって、挑戦しやすい環境づくりに取り組んでいます。 ■移住促進と、関わり続ける 大人の島留学や島体験制度を活用して来島された方々は、制度期間を終えて「離島される方」と「移住される方」に分かれます。 私たちは、移住という選択をしやすいようなサポートと、離島された後も関わり続けたくなるようなサポートを行っています。