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第二創業を掲げ新たなステージを迎えたヒガノは、外構・ランドスケープ分野で「点から面へ」と提案力を強化し、お客様や社会に対して新しい価値を提供することを目指しています。「景観を引き立たせ、豊かさを創る」というミッションのもと、製品ラインナップを拡充し競争力の向上と事業の成長のため、2023年に株式会社フジカケとグループとなりました。このグループ発展の中核を担う、フジカケの伴走役をされる野尻さん・竹中さんに日々どんなことを感じて仕事されているのか伺いました。
◆野尻 隼平 ヒガノ株式会社 経営管理部 部長 / 株式会社フジカケ 経営企画担当
グループ会社の経営計画を達成する上で会社の利益につながるために必要、かつ、足りていない機能・役割を短期的に担っており、経営計画の実現に向けた実行支援を担当。フジカケでは群馬工場を拠点に、材料・外注品に関する仕様やコスト、商流の見直し、製造原価と見積ロジックの見直しを実施。
◆竹中 雄大 ヒガノ株式会社 社長室 室長 / 株式会社フジカケ 経営企画担当・営業部
2023年8月にグループ会社となった株式会社フジカケにて、社員のみなさまとの関係性構築しながら、経営計画策定・人事制度策定をはじめ、レイアウト変更・情報システム系のアップデート・業務効率化などの業績に関わる業務に携わる。
◆株式会社フジカケ
フジカケはハニカムパネルの設計・製造・施工を中心に事業を行っています。特許を取得している減圧接着製法による高密度強制接着を得意とし、ハニカムパネルにおける平面Rや異寸90°コーナーにも対応が可能です。さらには立面R(二次曲面)パネル等の製作も可能で、厚みは30㎜~200㎜と豊富なラインナップを展開し、すべてのお客様のニーズにお応えできる信頼の製品づくりを行っています。
はじめに、ヒガノとフジカケがグループ会社となるにはどのような背景があったのでしょうか?
野尻:まず今回のグループになる前提として、どちらの会社にとってもお互いの利害が一致していたという点が大きかったかなと感じています。ヒガノとしては外構・ランドスケープにおいて提供できるアイテムが増えることによって、グループとして目指している提供価値の実現に近づき、一方フジカケでは経営が安定することによって、高品質なアルミハニカムパネルをより安定的に世の中に提供し続けることができます。
ただこうして振り返ってみると、最後の決め手はフジカケ創業家のお二人の「思想」だったのかもしれません。例えば、お二人から従業員一人一人のフジカケに入社したきっかけや経緯、ご家族の構成、印象的なエピソード等を詳しくお話いただいたことがありました。お話の内容に加え、そのトーンからも従業員を大切にしていると感じ取れたのが今でも印象に残っております。このお二人が作った会社なら大丈夫!と、最後の一歩が踏み出せたと考えています。
お互いの目指す「世の中にもたらす価値の実現」と「価値を提供し続ける」という想いが重なり合ったのですね。実際まだグループになって1年弱ですが、今時点でのフジカケ社員から見たヒガノの印象はいかがでしょうか?
野尻:ほとんどのメンバーが直接的な関係がないので、さほどヒガノを意識していないというのが正直なところですかね。ただ、ヒガノの製造部リーダー陣が皆高級車に乗っているのは有名で(笑)、フジカケ群馬工場のメンバーには憧れの的として映っているのではないでしょうか?
個人的には、ヒガノを「事例の宝庫」として認識してもらえたらいいですね。一部のメンバーからはすでに、「ヒガノではこういった問題は無いですか?」「どう解決したんですか?」等、問題に直面した時にこういった類の質問をされることもあります。グループ間でお互いの成功や失敗を共有し合えるシーンが増えていくと、お互いに大きなメリットを享受できるんじゃないかと思います。
竹中:もちろん同じく庇という製品を作っていることもあり、もともと知らない企業ではなかったので、競合メーカーとしてヒガノは「薄型でかっこいい」「高級感がある」「傘立てのラインナップが多い」等の印象は持っています。ヒガノはDXが一歩先に進んでいたり、フリーアドレスのオフィスで働いていたりという側面から、フジカケの社員は「近い将来フジカケもこんな風に変わるんだろうな・・・」とヒガノの背中を観察しているかもしれません。
グループになったことでの相乗効果が生み出されていくことが楽しみですね。ヒガノやフジカケでの仕事を通して、お二人が日々感じていることや大切にされていることはありますか?
竹中:日本の企業のうち中小企業が99.7%占めており、その成長戦略についてはこれこれがあって、そうしていなかいと日本はダメになっていく、というような一般論をよく聞くかと思います。今回取り組んでいる中で改めて感じているのは、この99.7%は十把一絡げには絶対にできず、一社ずつソリューションが違い、そこに向き合い介在できる人に日本の今後がかかっているんだろうなぁと日々感じています。その中で“介在する人”として今大切にしていることは、まずはグループ会社にとっての成果を残すことです。フジカケ社員は経営層が突如変わり、会社運営方針≒働き方が大きく変化していて、この変化をどう捉えているかは社員それぞれ。その複雑な心境に対して僕らなりに応えられる方法は、シンプルに成果を残して信頼して頂くことなので、そこからは逃げずに日々業務を行っています。
野尻: 日本の危うさ、そして同時に可能性も感じていますね。よく言われていることですが、日本人は世界的にみても勤勉な部類に入り、どんなにモチベーションの湧かない作業でも、肉体的・精神的に負担のかかる作業でも仕事と割り切り、精度高く取り組める方々が多いとされています。フジカケはまさにそういった方々が多く、厳しい状況にたたされても愚直に仕事に邁進された結果、業界内で一定以上の知名度を獲得しています。ですが、この「厳しい状況」が当たり前になってしまい、自社の利益追求に対して非常に消極的でした。このような状況は日本の中小企業ではよく起こっていることではないかと想像しており、それこそが日本の危うさであると考えております。
その一方で、こういった会社が健全に「利益の追求」を始めることで日本はまだ伸びると思います。この部分が可能性の部分です。この「利益の追求」の部分は個人的に大事にしている部分で、グループ会社のメンバーにもそう感じていただけたらと思っております。
いまの日本の状況を俯瞰的に捉えてこの中小企業としての在り方を教えてくださいまして・・・・改めてグループ発展のキーパーソンだなと実感しています!(笑)ヒガノの枠を超えて活躍されているお二人だからこそ、これからの将来、成し遂げたいこと・目指していることを教えてください!
野尻:会社を通して、世の中に提供したいと思う価値を提供できるようになりたいですね。そのためには、まずは個々の会社が自社の提供すべき価値と向き合い、体現し、その上でグループとしての提供価値をデザインしていけたらと思います。したがって、グループとして何かしらの価値を提供できるのは数年先なのかな、と。現状、そもそもグループを構成する個々の会社の提供すべき価値が何で、個々のアクションがどうあるべきか?を私も含め従業員が理解しきれていない(体現できていない)からです。目先2-3年は個々の会社で提供したい価値に直結するアクションが日々取れている状況が作れればと思います。
竹中:実はヒガノ入社と同時にフジカケでの業務にあたっているので、よくよく考えてみると“枠を超えて“という意識がなかったです。(笑)自分の中では、ヒガノ・フジカケそれぞれで行っていることは、いつか繋がっていく一点に向かって進めているイメージを持っています。その向かっている一点に到達するためにはヒガノだけの力ではたどり着けないので、グループがあるという捉え方をしています。どこかに到達することのそれ自体が目的ではないので、プロセスにこだわりながら、世の中にある不をひとつずつ解消していけるといいなぁと思っています。
——ありがとうございました。ここまでお読みいただいた読者の方もありがとうございます。