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「Otonami(特別な感動体験に出会える予約サイト)」や「Wabunka(日本の魅力を世界へ届けるインバウンド向け予約サービス)」を介し、日本の魅力を国内外に発信するJ-CAT。今回は、プロダクトマネージャーとしてOtonamiやWabunkaを管轄する朝原 拓也さんと松村 将太さんにプロダクトの開発背景、やりがい、また成功するプロダクトの条件を伺いました。
< プロフィール >
プロダクト統括 朝原 拓也
明治学院大学経済学部卒業。2013年にシステムエンジニアとして金融系SIerに入社。その後、制作会社を経て2018年にヤフー株式会社に入社。プロダクトの企画、開発ディレクション、スクラムチームの立ち上げなどに従事。認定スクラムマスター(Certified ScrumMaster®)。2023年8月にJ-CATに入社(朝原さんの過去の記事はこちらです)。
UX・Pdデザイン 松村 将太
九州大学芸術工学部卒業。2020年に株式会社グッドバッチに入社し、UXデザイナーとして複数プロジェクトに従事。その後、株式会社gazに入社し、UIデザイナー・UI事業部長としてマネジメントや採用を行う。2023年にJ-CATに入社。
ユーザーのニーズを高付加価値体験として届けたい
― お二人の自己紹介をお願いします。
朝原:現在、Otonamiのプロダクトマネージャーとしてプロダクトの企画や開発のスケジュール管理、ロードマップ作成、リリースの全プロセスを担当しています。
松村:私はインバウンド事業部門のプロダクトチームに所属し、Wabunkaのプロダクトマネージャーを務めています。事業の中長期目標にもとづいてプロダクトの機能仕様やデザインを決定し、開発チームと連携してスケジュールを進行しています。
― お二人がプロダクトマネージャーとして管轄するOtonamiやWabunkaでは、ユーザーのどのようなニーズを解決していますか?
朝原:特別な飲食体験や、寺社仏閣のバックヤードツアーなどの体験プランを、魅力的な記事を介してお届けしています。これまではユーザーが「特別な体験をしたい」と思っても、自分に合う情報にアクセスできない課題がありましたが、Otonamiによって「非日常体験ってこんな簡単に予約できるんだ」と喜んでご利用いただいています。さらに、あまり知られていない寺院などにも積極的に声をかけて巻き込んでいるため、日本の文化や歴史に造詣の深いユーザーにもご満足いただいています。
松村:多くの訪日外国人には「せっかく日本に来たのだから、日本の魅力を体験したい」というニーズがありました。Wabunkaでは体験プランをゼロから企画し、自分たちで事業者へ取材・撮影を行って厳選したものを掲載しているため、ユーザーは本物の格式高い文化に触れられるようになりました。
― ユーザーや事業者の方々からの反響はいかがでしょうか。
朝原:Otonamiのユーザーからは「普段できない体験を楽しめた」というお声を多く頂き、何度もリピートしてくださる方も増えています。さらに「金継ぎをやってみたかったけれどなかなか手を出せなかった。今回Otonamiをきっかけに体験してとても楽しかった」と、興味を持っていた分野に足を踏み入れる第一歩になったケースもあります。
事業者には、J-CATが日本の魅力を感動体験として届ける取り組みに共感してくださる方が多くいらっしゃいます。何よりも、Otonamiのユーザーは礼儀正しくて日本の魅力に感度が高く、中には着物を着ておしゃれをして訪れる方もいらっしゃるため、事業者はそんな方々に心ゆくまで楽しんでもらうことをモチベーションにしてくださっています。また、事業者が自力でWebサイトを立ち上げたり、SNSで発信したりすることに苦戦する中「Otonamiを介して初めて取り組みの価値や魅力を届けられた」「OtonamiやWabunkaに載せておけば間違いない」とご評価いただくこともあります。
松村:Wabunkaで日本の体験プランを予約する訪日外国人からは、予約サイトのデザインや体験プランのクオリティが高く評価されています。「こんな体験プランをずっと探していた。見つけられて嬉しい」と、事業者や通訳者とのコミュニケーションや、日本での体験そのものにご満足いただくことが多いです。
事業者にはさまざまな想いを持った方が多く、日本の文化を「切り売り」することや、価値や労力に見合わない安い料金で体験を提供することに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。Wabunkaでは、カジュアルなプランを掲載する他社のサイトとは異なり、高付加価値にふさわしい価格を設定しています。また、一つひとつの体験プランを事業者の想いや文化背景なども含めて紹介し、ユーザーがそれを事前に読んでリスペクトや納得感を持った上で予約できるように設計しています。
事業者には、海外からのお客様と深く話せることに価値を感じてくださる方も多いですね。言語の壁を解消するために通訳者が同行する体験プランもあり、通訳者も事業者の想いや歴史を学んでから現場に臨み、専門的な内容をお伝えしています。
プロダクト開発は困難を極めるが、やりがいも大きい
― それぞれのプロダクトで改善したいことや、試行錯誤をしていることはありますか?
朝原:Otonamiには新たな体験プランが順調に増えている一方、ユーザーが自分に合ったプランを選びにくくなっています。目的を持って「このプランにしよう」と予約する方だけでなく「日本の文化を体験したいけれど、どんなプランがいいんだろう」と悩む方もいます。そこで、サイトをよりユーザーフレンドリーに改善し、自由に回遊しながら見つけられる確率を高めたいです。例えば、コンテンツを入れ替えてトップページのビジュアルに変化をつけたり、メールマガジンを通してさまざまな切り口から体験プランを紹介したりしています。
松村:Wabunkaはリリースから1年半が経ちましたが、全ての機能が整っているというわけではないため、ユーザーが使いやすい予約サイトを目指して開発を迅速に進めています。WabunkaもOtonamiも、CSチームやセールス&プランニングチームといった複数のチームが連携しながら運用しています。個人的には、業務が属人化したり非効率になったりしているところを課題に感じています。プロダクトの仕様を決める時はプロダクトマネージャーがハブとなり、各チームの意向を取り入れています。
J-CATの開発チームは、技術の深掘りや実装よりも、事業を推進する戦略そのものを重視するため、ビジネスチームとの方向性の違いや衝突は発生しません。私自身が非エンジニアのバックグラウンドで開発の詳細を熟知していないからこそ、他チームとのコミュニケーションや相互理解の橋渡し役になっていると感じます。
― J-CATが事業として求める価値と、ユーザーが求める価値に相違はありますか?
松村:現在、Wabunkaは予約サイトとして基本的な機能を作っているフェーズにいるため、事業の方針とユーザーのニーズが一致していると考えています。先述のとおり、WabunkaやOtonamiは簡単に予約できることに加え、事業者の背景や理念をユーザーに伝えることにも重点を置いています。多くの観光予約サイトではプランの掲載数や価格のメリットを訴求し、できるだけ多くのユーザーに予約していただく戦略をとっているため数字的効果はあると思います。
一方、OtonamiやWabunkaのターゲットとなるユーザーは、ありふれた体験よりも、事業者のストーリーを感じられる本物の体験を求めています。したがって「一般的なユーザーが求める価値」と「私たちが体験を提供するユーザーが求める価値」は違うかもしれません。
―プロダクトの開発で大変なことや、やりがいを教えてください。
朝原:大変なことは、これまで築き上げてきたプロダクトの世界観を守りつつ、新しい開発を進めたり、使用されていない機能を削除したりすることです。やりがいは、ユーザーがプロダクトを使って「いい体験ができた」と喜んでくださっているのを見ることです。
松村:無駄な機能を作らないようにすることが難しいです。単にユーザーや他チームの依頼に応じて機能を追加するのではなく、中長期的な事業構想を踏まえたり、他機能との相乗効果を考慮したりする必要があるためです。開発には手間がかかり困難を極めますが、ビジネスチームと開発チームが目的やニーズを握り合いながら取り組み、より実用的で価値の高いプロダクトを生み出しており、やりがいも大きいですね。
J-CATが描く観光業界の未来と、開発のさらなる挑戦
― プロダクトマネージャーとして「成功するプロダクト」には、どのような条件が必要だとお考えですか?
朝原:ユーザーに価値が理解され、継続的にご利用いただいているプロダクトです。ユーザーにはペインやニーズがあるため、単にプロダクトを作っただけでは使ってもらえません。有り難いことに、J-CATではプロダクトそのものへのファンが増えていて、感動体験に出合える価値を認識してくださっています。
松村:Wabunkaはまだ発展途上のプロダクトですが、ユーザー体験へのこだわりが成功へのカギだと思います。ユーザーは自分が求める機能を言語化できないため、私たちが進んでヒアリングしながら仮説を立て、理想とするUXを完成させたいです。それも単なる機能追加ではなく、感動体験をもとにしたクオリティの高い開発が重要です。
― OtonamiやWabunka以外にも、挑戦したいプロダクトはありますか?
朝原:事業者の予約管理業務を改善したいです。普段、事業者は飲食業や習い事教室などを運営している傍ら、OtonamiやWabunkaからの予約や日程を管理していらっしゃいます。現時点ではOtonamiを充実させることに重点を置いていますが、中長期的にはtoBのプロダクトにも着手して多忙な事業者の手間を減らし、J-CATとしての新たな社会的価値を創造したいです。
松村:Wabunkaを体験の予約だけでなく、メディアとしての側面も強化したいです。OTMA(オンライン・トラベル・メディア・エージェント)として既存の文化や体験を届けるだけでなく、ユーザーが新しい場所や人、文化、ストーリーに触れるきっかけを作るプロダクトに進化させていきます。
― 最後に、J-CATやプロダクト開発に興味を持っている方にメッセージをお願いします。
朝原:J-CATは観光業界と旅行業界を活性化させるという目標を持ち、他とは一線を画すサービスをつくり、ユーザーや事業者に第一想起していただける企業に発展させたいと考えています。現在、OtonamiとWabunkaは開発フェーズにあり、ユーザーにこれから提供していきたい価値がまだ眠っています。これらを発掘して魅力的なプロダクトに成長させることが私たちの目標です。事業が発展する中でプロダクトを磨く機会に恵まれると、エンジニアとしても成長できるのではないでしょうか。J-CATの環境は、積極的に新たなチャレンジを求める方にぴったりです。ご興味のある方はお気軽にエントリーしていただけたら嬉しいですね。
松村:事業者の皆さんとともに、日本の観光産業を世界で競争力のある、稼げる産業へと変革したいと考えています。持続可能な戦略でものづくりや文化を体験プランに取り入れ、業界をリードする立場になりたいです。Wabunkaの開発チームが立ち上がったのはここ数ヶ月のことですが、開発環境やチームビルディングが整ってきています。インバウンドや観光業界に興味を持ち、同じ志を持って開発に取り組む方にジョインしていただけたらと思います。