僕たちが普段何気なく行っている消費・行動は企業にとって貴重なデータである事はみなさんご存知だと思います。マーケティング活動におけるデータの活用は、ますます重要度が高まっています。 今回はその中でも、セカンドパーティデータ(第2者データ)について考えていきたいと思います。
数年前からアメリカではセカンドパーティデータの利用が高まりつつあります。顧客データやオーディエンスデータを第3者から提供を受けて使うことが当たり前になってきているそうですが、日本ではまだセカンドパーティデータの利用についての話を聞くことがあまりありません。アメリカでセカンドパーティデータ利用が広がっているのはなぜか、どのような利用ケースがあるかなどについて調べてみました。
そもそもセカンドパーティーデータとは何なのでしょうか。日本でもよく使われているファーストパーティーデータとサードパーティーデータとの違いから説明したいと思います。
ファーストパーティーデータとは企業がその消費者から直接収集したデータのことです。 企業のウェブサイトに直接訪問したユーザーデータのほか、ニュースレターやセールスなど通じて得られたデータなどです。ネットサーフィンやネットショッピングをしていると自分に興味のあるページがおすすめされるので心当たりの人も多いと思います。
次にサードパーティーデータとはユーザー(自分)と直接の関係を持たない主体によって収集された情報のことです。上記の「ファーストパーティーデータ」でないものは、だいたいこの「サードパーティーデータ」です。
最後にセカンドパーティーデータですが、他の企業から直接入手するデータのことです。 自分たちで収集したデータではないのいでファーストパーティーデータでもありませんし、直接の関係を持たないところからの情報でもありません。ちょうど2つの中間といったところでしょうか。 スムーズなセカンドパーティデータ活用のため、企業間でパートナー締結が行われたりなんかもしています。自分たちで不足しているデータとそれを所有しているであろう企業が明確な場合はセカンドパーティデータの活用はとても有用的だと言えます。
ファーストデータ、セカンドデータ、サードデータの比較
出典:1st, 2nd and 3rd Party Data - What You Need To Know | Smarketing Cloud
出典:Adobeブログ
では実際にどのように利用されているかを航空会社AとホテルサイトBの間で発生するやり取りを例に見てみましょう。 航空会社とホテルサイトのビジネスを考えると、航空会社で航空券を買ったユーザーが、その後すぐホテルサイトでホテルを予約してもらえればいいですよね。
ホテルサイトBは、航空会社Aから航空券を買ったユーザーというホテル予約に繋がる可能性が極めて高いターゲットにピンポイントでアプローチをすることができるのです。これは既存のサードパーティーデータを用いたターゲティングでは不可能だったアプローチです。
次に、航空券を購入してからホテルを予約するまでにあまり時間をかけないことが考えられます。
そのため、航空券の購入をしたユーザーに広告を打つためには、航空券を購入した直後のタイミングを狙わなければなりません。そのリアルタイム性を可能にするのもセカンドパーティーデータ利用の大きな長所と言えるでしょう。
先程の航空会社はUberなど自動車配車サービスと顧客データを共有したり、他にも食品会社同士が協力して自社の顧客が他にどのような商品を購買しているかを分析してギフトパッケージを共同開発したり、クレジットカード会社が自社顧客と小売会員との重なりを見て追加ポイントを利用したプロモーションなどを企画している例などもあります。スキー・スノーボードメーカーK2では、同社のサイトを訪れたユーザーのデータを小売に提供し、マーケティングサポートを行うことで、品質の高い見込み客を小売店やディーラーに提供し、同社製品の売上を上げています。
情報は自分たちだけが持っていても意味のない時代になってきています。
2020年以降、オリンピックをはじめ大きなスポーツイベントが多く開催される予定ですが、各スポーツのチームや団体が持っているファンのデータをセカンドデータとして利用する事で、異業種スポーツや新たな層のファン獲得になり、スポーツ界全体の活性化に繋がることを期待しています。