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臨床現場の課題は「医学情報の増大」。現役医師が解説するHOKUTOアプリとは


こんにちは。株式会社HOKUTOの採用広報の徳永です。

今回は、HOKUTO取締役の山下颯太さんに、2019年末にリリースされ、現在2万人の医師に愛用されているHOKUTOアプリについてインタビューをしました。イメージの湧きづらい医療の現場でどういう課題が発生しているのか、HOKUTOアプリはどのように課題を解決するのかを、現役医師でもある山下さんにわかりやすく解説していただきました!

医師の利用するスマホアプリとは?

ー本日はHOKUTOアプリについて解説していただけるということで、よろしくお願いします。まず最初にHOKUTOアプリとは、どのようなプロダクトなのか教えていただけますか?

HOKUTOアプリは、医学知識の入手・保存・検索が可能なスマホアプリで、臨床現場における医師の診療業務のサポートを目的として作られたプロダクトです。

ー医療業界の外にいる人間としては、あまり「医師が業務の中でスマホを使う」というシーンが想像できないのですが、どのような使用シーンを想定しているのですか?

実は今、医療業界の働き方は変化していて、業務の中でスマホで情報に触れる医師は若手を中心にかなり多いんです。何か知りたいことがあった時、控え室に戻って医学書やPCを用いて情報収集するというかつての行動が、現場でスマホで情報収集するという行動に移り変わってきているんですね。

ーそうなのですね。医師にとって情報収集というのは重要なのですか?

医師にとって情報収集は欠かせません。世界の医学情報量が2倍に増えるのにかかる時間は、1950年には50年程度と言われていたのに対し、現代は2.5ヶ月程度だと予測されています。このように加速度的なスピードで医学が進歩する中で、昔の記憶や経験だけに頼った診療は必ず患者さんに不利益を与えてしまいます。したがって、常に情報を収集し、それを現場で役立てる責務が医師にはあります。


ー確かに、古い知識しか知らないお医者さんはちょっと嫌ですよね。ちなみに、具体的にはどのように医学情報に向き合っているのですか?

基本的には、日常的に自分に関係のある分野における最新情報をインプットし、臨床現場でそれを想起し、それでも思い出せないことや知らないことを随時リサーチするという流れになります。

ーこの流れには、現状どんな課題があるのですか?

大きく次の2つの課題があると考えています。

1.求めている医学情報に出会いにくい

2.出会った医学情報を覚えきれない

先ほどお話した医学情報量の増大が背景となり、自分に関係のある情報を抜け漏れなくインプットすることや、現場でわからないことがあった時に素早く知りたい情報に辿り着くことは難しくなってきています。さらに、多くの医学情報が英語でまとめられていることもこの課題を助長しています。

また、インプットした医学情報を現場で想起するには細かい部分まで正確に記憶しておくことが不可欠ですが、情報量の増大により年々困難になってきています。

こういった課題に対し、医師は自らの努力でなんとか対処することを求められています。しかし、日々の激務の中でこれらに向き合うことは大きな負担となりますし、今後もその負担は増大していくものと考えられます。

ーなるほど。それらの課題に対し、HOKUTOはどのようにアプローチしていくのですか?

HOKUTOは、医師が求める情報へのアクセスや必要な情報の記憶をサポートし、医師の負担を軽減する形で課題に向き合おうとしています。

例えば、臨床現場で必要になる頻度が高い医学情報を集めて最適なUIに整えて医師へ提供したり、それぞれの専門領域にあった最新情報を配信することで医学情報へのアクセシビリティの改善を目指しています。

また、アプリ内外で出会った情報を簡単に保存できる機能も備えています。保存した情報は現場で必要になったときにいつでも引き出すことができ、医師の想起の負担を軽減することができます。

あくまで目線は「助かる患者が圧倒的に増える」こと

ーHOKUTOアプリを使うことで多くの医師が助かりそうですね。どういう変遷で今の機能になったんですか?

僕がHOKUTOに関わり始めた2019年の年末は、ちょうどHOKUTOアプリがスタートしたタイミングでした。当時は、各学会のページリンクがアプリ内に貼ってあり、ガイドラインにいつでもアクセスできる仕様でした。ただ、現場の人間としては、それ以外にも医師が求めている情報はたくさんあると思ったんです。そこから情報の幅を広げ、薬の情報や現場で使う計算式などを随時追加していきました。また、医学知識を覚えきれないという現場の声を元に、知識の保存ができるノート機能を追加しました。

ー幅広く医師の情報収集をサポートできるようになったんですね。今のアプリの形で医師の課題はある程度解決されると思ったんですか、今後どんな進化をするんですか?

課題に対する解決策として、現在のHOKUTOアプリはまだまだだと考えています。現在アプリ内でアクセスできる医学情報は現場で必要になる情報のごく一部であり、今後は流通する情報量をもっと増やしていく必要があります。

具体的には、HOKUTOが作成・配信するコンテンツの量を増やすことに加えて、医師間で共有される情報を増やすことに注力していきます。

HOKUTOアプリでは、ユーザーは自分のために情報を保存するだけでなく、保存した情報や自分の知見を他の医師に向けて共有することができます。これをもっとアクティブにすることで、様々な専門家の現場での視点をアプリ内に収集していきます。

そして、これらの情報が一番最適な形でユーザーに届くよう、UIの更なる改善や検索エンジンの強化を予定しています。

ーアクセスできる情報をもっと増やす、その膨大な情報から最適なものをユーザーに届けられるようにする。たしかにいくらでも改善の余地はありそうです。

そうですね。ただ、アクセスできる情報の量を増やすことは重要ではありますが、あくまで大事なのは「患者さんがちゃんと救われるか」です。質と量のトレードオフに陥ることなく、エビデンスに基づいた医療情報を配信することを強く意識していきたいと考えています。

ーありがとうございます。最後に、現役医師としてHOKUTOアプリの開発に関わる山下さんのアプリへの思い、今後の意気込みを話してもらって、このインタビューを締めようと思います。

我々は、エビデンスに基づいた情報への素早いアクセスを可能にし、臨床現場での意思決定をサポートできるようなプラットフォームを作っていきたいと考えています。

結果として、意思決定までのプロセスがなめらかになり、助かる患者さんの数が圧倒的に増える。そういう世界を実現させるために、引き続きHOKUTOアプリを磨いていきたいです。

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