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【代表インタビュー】世界に誇る日本のモノづくり産業のDXにフルベット。Smart Craft創業ストーリーと目指す未来

日本経済を長い間牽引してきた製造業。自動化ラインやロボットなどの新しい技術の登場により、ものづくりの現場は今も進化を続けています。しかし、今もなお手書きの帳票やFAXなど前時代的な作業が多数残っており、デジタル化の余地が残っているのも事実です。

そんな製造現場のDXを担うのが私たちSmart Craft。これまで手書きで行われてきた製造日報の入力やデータ集計をデジタル化することで、製造現場におけるクリエイティビティを高めてきました。

そして、現在新たにサービス開発を進めていくあたり、代表の浮部 史也にインタビューを実施。起業の経緯や製造業が抱える課題について聞きました。

社会人になって目の当たりにした製造業の課題が起業のタネに

―まずは起業するまでの経歴を聞かせてください。

私は大学在学中にスタートアップでインターンをした経験から、社会人になっても学生時代の部活のようにチーム一丸となって大きな目標や課題解決に向けてチャレンジするスタートアップには強い憧れを持っていました。しかし、いずれは起業したいと思ったものの、いきなり起業するアイデアや覚悟もなく、新卒ではキーエンスに入社しました。自分の中で圧倒的な強みとなるスキルが欲しかったため、日本有数のセールス組織を持つキーエンスで自分を磨こうと思ったのです。

実際に入社してみると、キーエンスの営業は徹底した仕組み化がなされており、日々の営業活動における分析データをもとにPDCAを回す洗練されたものでした。私は横浜営業所に配属され、横浜エリアの製造業向けの法人営業を約3年経験することに。

3年目ともなると、入社10年を超える先輩と同じくらいのエリアを任せてもらえるようになり、一通りキーエンス流の営業スキルを身につけることができたと感じました。今度はより経営に近いテーマや色んなマーケットを俯瞰する力を身に付けたいと思いコンサルティングファームに転職。アクセンチュアの戦略グループという組織で、上流の経営戦略を考える仕事を経験した後、起業する決心がつきました。

―なぜそのタイミングで起業する決心ができたのでしょうか。

アクセンチュアでは製造業、小売、PEファンド等の幅広い業種のクライアントに新規事業立案、成長戦略、全社DX、M&Aなど、数多くの経営アジェンダについて取り組むことができました。戦略コンサルティングの仕事はとても面白くて刺激的だったのですが、いくら大手のお客様の経営コンサルティングをしてもスタートアップの0を1にする仕事とは似て非なるものだと思ったのです。

コンサルティングファームで学ぶことはたくさんありましたが、それよりも自ら起業して0から1を作る経験をしてみたい。そう思いながら、独立する半年ほど前から事業アイディアを模索するようになっていました。

―当時はどのようなアイディアを考えていたのか聞かせてください。

様々なジャンルでいくつもアイデアを模索していたのですが、最初はその中でもビジネスマン向けの音声アプリなどを考えていました。キーエンス時代に営業で車を運転している時間が長かったので、その間もインプットできるサービスが欲しくて。しかし、VCへプレゼンしに行ってもいい反応が見えず。「浮部君にしかチャレンジできない領域がもっと他にあるのではないか」と言われてもう一度事業をゼロベースで考え直すことにしました。

改めてゼロから事業を考えたときに、キーエンスで毎日製造現場のお客様へ営業していた時の日々を思い出したのです。製造現場に行くと、今でも非効率な業務が残っていて課題を感じている人がいて。その課題を解決しようと思ったのが、今のサービスのスタートです。

IT化の遅れにより、世界に後れをとる日本の製造業

―製造業が抱える課題について教えてください。

まずは製造業界全体の課題からお話しますと、一番の課題は労働者の減少です。特にその影響を受けているのが小規模の事業者。長時間労働や危険な現場のイメージがあって国内では人が集まりませんし、海外の安い労働力を求めて多くのメーカーが海外に拠点を移しました。その結果、業界に若い人材が減り、定年間近の職人の技術が若手に引き継がれずに消滅しかかっているのです。

加えて、かつてのように同じものを大量生産すればいい時代は終わり、消費者ニーズが多様化していることで生産管理の複雑さがより増しています。多品種小ロットの製品が増え、1日に何種類もの製品を作らなければならず、その都度設備の調整をしなければいけません。設備が止まっている時間は売上や利益を生んでいないので、より効率化が求められているのです。

―人材も足りず、より高度な仕事が増えたことで生産効率の向上が急務なのですね。

製造を効率化しようにも、現場の情報伝達は今でも紙、ホワイトボード、口頭伝達などです製造の進捗状況もブラックボックス化されて、管理しきれていない現場も多々あります。それが原因で効率化が進まないんです。

センサーなどを設備に付けてデータを取得している会社もありますが、その集計はエクセルで手作業のケースも少なくありません。データの集計に手間と時間がかかって、分析や改善案を出すに至っていないのが現状です。本当はデータを活用したいけど、手書きやExcel文化が邪魔してデータがとれない、データがとれても活用する時間がない

多くの製造現場がそのような課題を抱えています。

―最近はファクトリーオートメーションや、ロボットの導入などを耳にしますが、工場のデジタル化は進んでいないのでしょうか?

自動化ラインやロボットなど、目に見える設備投資はされるのですが、アナログな業務をシステム化したり製造に関わるオペレーションのデジタル化には投資が遅れているんです。日本はもともと現場の改善能力が高かった故に、これまではシステムがなくても比較的高い生産性を誇っていて。しかし、海外では現場にシステム導入が当たりまえの今、日本は世界的に見ても労働生産性で後れをとっています。

加えて、ITインフラの環境が整っていないことも、システム化が進まない原因の一つです。そもそもWi-Fi環境がなかったり、業務用のタブレットなどのモバイル端末がなかったり。そのため、現場では最新の設備やロボットが稼働しているのに、製造の記録や管理は紙で行われるというチグハグな現場が生まれているのです。

―これからもインフラの整備が進まず、Smart Craftのプロダクトも導入されないのでしょうか。

いえ、実はコロナ禍の影響もあって、ようやくIT化の機運が高まってきました。これまでのようなオフラインのコミュニケーションができなくなったことで、ZoomやTeamsを使うためにネットワーク環境を整える企業が増えているのです。それがきっかけで、これまで手が出なかったクラウドサービスもコストや導入のしやすさに惹かれて、IT化が動き始めています。

製造現場の見える化とデータ活用を支援するSmart Craft

―製造業の課題を踏まえて、Smart Craftが提供するサービスについて教えてください。

私たちのプロダクトが実現しているのは、製造プロセスの進捗状況の見える化と、蓄積されたデータの活用支援。日々の製造が計画通り進んでいるのか、モバイル端末やIoTなどを使ってデータ化し、それらをSaaSで一元管理します。機械のデータだけでなく、現場作業者がどのような作業をどれくらい行っているのかをタブレットやスマートフォンで入力していただき、人と機械両方のデータを集めるのです。そうして集まったデータは自動的に集計され、分析しやすい状態でダッシュボードに表示されます。

重要なのは製造現場の人や機械、製品などの情報を全てデータ化し、紐づけること。それらがデータとして蓄積されていないと、適切なデータ活用はできません。また、近年、製造業で重要視されているトレーサビリティを管理するためにもこれらの情報は重要になります。私たちは製造現場全体で生産性を上げられる仕組みを作りたいんです。

―なぜこれまで、それらのデータを使って生産性を改善するサービスがなかったのでしょうか。

理由の一つは、先程もいったように工場のITの環境が整っていなかったからです。製造現場でSaaSを使うにはWi-Fi環境やモバイル端末が必要で、製造企業はそもそもクラウドサービスを検討することすらありませんでした。

また、これらのデータを収集しようとすると、現場の作業者にとって入力が負担になる可能性があり、本当に優れたUI/UXを兼ね備えたサービスでないと、現場では浸透しないと感じます。そう言った意味で、Smart Craftでは 他ソリューションよりも圧倒的にUI/UXにもこだわってサービス設計をしています。

―どのような企業をターゲットに考えているのか聞かせてください。

初期は中堅〜準大手くらいの規模の製造企業を中心に提供していきたいと考えています。大企業のように数千万〜数億円もかけて自社の独自システムを作れないけれど、現場では100名以上が働いて、人力やエクセルで管理するには限界を感じている。そんな企業に価値を感じてもらえると思います。

社会に大きなインパクトを与えたい人を積極採用中

―現在はプロダクト開発のために採用に積極的ですよね。どんな人がマッチすると思いますか。

一つは社会に大きなインパクトを与えたいと思っている方。製造業はこれまで日本の基幹産業として国の経済を牽引してきた巨大産業です。そんな業界を包括的にDX推進していくプロダクトなので、社会に与えるインパクトは計り知れません。そのような大きなチャレンジをしたい人にぜひ興味をもってもらいたいです。

2つ目は、探究心を持って貪欲に自身の成長を追求していきたいと思っている方。今は創業期ということもあり、毎日新しい課題がたくさん出てきます。なんでも自分でキャッチアップしながら、自分で何ができるのか、今会社に何が必要なのか考えて動ける方と一緒に働きたいと思っています。

3つ目は一次情報を大事にしてくれる方。私たちがやろうとしていることは答えがないので、いくら机上で考えても答えはでません。お客さんにヒアリングしたり、現場に足を運んで初めて見えてくることがあるので、泥臭く現場に入り込める方はいいですね。

最後はチームプレイを大切にできる方。私たちは組織が小さいので、それぞれが個人プレーをしてもさほど大きなインパクトをつくれません。チームでうまく力を融合し「1+1」を10にも100にもできる方にジョインしてもらえると嬉しいです。

―最後にSmart Craftで働くやりがいと教えてください。

先程の話とも重なりますが、経済・社会に大きなインパクトを与えられることだと思います。製造業で働く人の数はおよそ1,000万人。日本の労働人口が7,000万人ほどだと考えると、日本で働く人の7人に1人はモノづくりに従事しているんです。

それだけ多くの人が使うプロダクトに携わる、それも創業フェーズに携われるチャンスはそうないと思います。それは人生においてもとても素敵なチャレンジだと思うので、その想いに共感してくれる方はぜひ話を聞きに来てみてください。

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