先日、福岡市のある企業から依頼をうけて、ワークショップを開催しました。
そのワークショップの内容は「ペルソナマーケティング」でした。
私はファシリテーターとして運営を行いました。
さて、ペルソナマーケティングとは
ペルソナを設定し、その人のニーズを満たす形で商品を設計したり、戦略を組み立てたりするマーケティングです。
そして、ペルソナとは
サービス・商品の典型的なユーザー像。
実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイルなどリアリティのある詳細な情報を設定します。
なぜ、この企業がこのワークショップ開催を依頼したかというと、
モノづくりにあたって、ターゲットを考えるのは当然だが、そのターゲットがイメージする人によってまちまちであり、結局ターゲットのことを考えられていない、そのような課題を今抱えているということからでした。
たとえば、ある商品のターゲットは、F2(35歳~49歳の女性)であったとしても、
Aさんは、36歳の独身女性を、
Bさんは、45歳の小学生の子供を持つ既婚女性をイメージしていた。
というように、イメージするターゲットがまったく異なってしまいます。
そのような関係者間でのズレをなくし、共通のユーザー像をイメージできるようにすることがペルソナをつくる目的であり、今回のワークショップ開催の大きな目的で、依頼していただいた担当者様の狙いでした。
今回のワークショップには、様々な部署の方に参加していただきましたので、まずは「マーケティング」のことも知ってもらうことから始めました。
ワークショップは下記の構成で1日かけて実施いたしました。1グループ4~6人で4グループ、約20人の方に参加していただきました。
- マーケティングとは
- ペルソナマーケティングとは
- 事前実施のマーケティングリサーチの結果の共有
- ペルソナづくり
・「ターゲット」の絞り込み
・プロフィールの作成
・ストーリーの作成 - 商品企画
ペルソナづくりでは、リサーチ結果やオープンデータを基にして、各グループでひとりのペルソナをつくりました。
午前はここまででお昼休憩です。
担当者様に連れて行っていただいた、長浜鮮魚市場市場会館にある『博多魚がし』でごはん
ファシリテーターの私はブレインストーミングを活性化させたり、 アイデアのヒントを出したりして、会場内をウロウロ歩き回っていました。
その中でも起こりがちなトラブルを紹介します。
・データに基づかず、偏見でプロフィールをつくってしまう。
・データに基づいてはいるが、ニッチな属性ばかり拾ってしまい、リアリティのないプロフィールになってしまう。
・みんなが知っている、〇〇さんをイメージしてつくってしまう。
そんなトラブルを乗り越えて、ペルソナの輪郭となるプロフィールができあがったあとは、その人がどのような生活をしているか、どのようなパーソナリティを持っているのかを考えていきます。
ここからは、参加者の中でペルソナがイメージできてきているので、どんどんアッという間にアイデアが出てきます。そうなってくると、ペルソナが生き生きしてきて、みなさん愛着が湧くようになってきます。
ペルソナが一通り完成した後には、その人物のための商品企画をします。
・どのような商品が喜ばれるのか、
・現状の課題を解決しそうなのか
・そして商品がどのような価値を与えられるのか
といったことを考えながら企画していきます。
ペルソナとしてターゲットが明確になっているので、ここも具体的なアイデアが出やすくなります。
無事、商品企画も終わり、ワークショップの最後に各グループにプレゼンをしてもらいました。
途中でも発表はしてもらっていたので、そこからの経過や変化も楽しむことが出来ました。
このワークショップで企画した商品を本当に実現するかはわかりませんが、ペルソナはこのあと社内資料として清書して、しっかり関係者で共有できるようにしていただいたとのことです。
「ペルソナ」はこのように「自分たちでつくる」ということが大事だと思います。その人物をよく理解して、背景もわかり、まるでその人と会って話をしていたかのように感じること。
今回のワークショップは実は、2日間にわけて2回実施しました。
そのおかげで、福岡グルメを堪能することが出来ました。
人気の焼き鳥店『TORI-BUDOU』で博多野菜巻き
ワークショップ参加者に教えてもらったお店でもつ鍋
私は普段は北海道札幌の自宅からリモートで業務をしています。 Uismでは自由な働き方ができるため、今回は個人的な仕事としてこのワークショップを行いました。
また、美味しいものを食べに、もとい、UXやマーケティングのことを理解してもらうためにワークショップが開催出来たら良いなと思います。