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【職種紹介】「安心の輪」を全国へ届ける。建物が長生きし、そこで生活する人々の「安心と快適な時間」を実現する定期報告事業部のお仕事について

創業以来40年以上にわたり、株式会社テックビルケアは顧客のニーズに寄り添いながら、物件の保守管理を中心に多岐にわたる事業を展開してきました。

今回は、全国の建物を検査し、安心と安全、そして快適な時間を支えるお仕事をする平岡さんに、業務内容やお仕事の魅力についてお話しを聞きました。


平岡幸太 / 定期報告事業部 責任者

2010年に株式会社テックビルケアに入社。消防事業部での経験を経て、現在は定期報告事業部の責任者を任される。出張中はご当地グルメを楽しむことが趣味。

社会貢献を実感する「定期報告事業の最前線」

ーーまずは、簡単に自己紹介をお願いします。

平岡と申します。定期報告事業部の責任者をしており、テックビルケアに入社して14年ほどになります。前職でも同業界で働いていました。

入社当初は消防事業部で消防点検や改修工事を行う業務に携わっていました。その後、定期報告の資格を取得するために消防事業に従事し、その経験を経て定期報告事業部に異動しました。

ーー前職でこの業界に入られた経緯についてもお話しください。

子供の頃に見た火災報知器の点検に来ていたおじさんの姿が印象に残っていて、どんな仕事なんだろうと調べたのがきっかけです。調べているうちに、他の設備にも興味を持ち、面白いと感じ続けて今に至ります。

ーー実際にお仕事をされてみて、どのように感じていますか?

私達の仕事は「建物の状態を検査すること」です。ニュースなどで地震によって建物が倒れたり、屋外階段が崩れたりするのを見ると、自分の仕事が重要であることを改めて実感し、社会貢献性が高い仕事だと感じています。

ーーでは、具体的な業務内容についても教えてください。

私達が担う保守管理に置ける「定期報告」には主に三つの種類があります。一つ目が「建築設備の検査」、二つ目が「建物の調査」、そして三つ目が「防火設備の検査」です。

業務の流れとしては、お客様から依頼を受けた物件の現地で検査や調査を行い、それらの結果を報告書としてまとめ、最終的には行政に提出するという流れになります。

ーーひとつずつ、詳細もお話しいただけますか。

それでは、一つ目の「建築設備の検査」からご説明します。

建築設備定期検査は主に3つの分野に分かれています。①非常照明設備、②換気設備、③排煙設備です。行政によっては、これらに加えて「給排水設備」も含まれる場合がありますが、基本的には先の3つが中心となります。それぞれの業務内容は以下の通りです。

①非常照明設備:
非常照明とは、普段の生活用照明とは異なり、停電時に自動で点灯し、避難に必要な最低限の明るさを確保する設備です。非常時に正常に作動するよう、バッテリーの劣化や器具の損傷がないかを確認する検査が行われます。

②換気設備:
窓のない部屋や、調理室、洗濯室など火気を使用する部屋には十分な換気が必要です。CO2濃度を一定以下に保つための換気ができているか、換気扇の風量を測定して確認します。

③排煙設備:
火災時に発生する煙を建物外に排出するための設備で、特に大規模な施設に設置されます。例えばショッピングセンターやホールなどで見かける非常スイッチがあり、押すと天井の開口部が開き、煙を排出するための機器が作動します。音を立てて排出する風量が規定の値を満たしているかも測定します。

こうした検査は、やはりお店の開店時間外や夜中に行います。ショッピングモールや商業施設の排煙設備は、お客様がいる時間に作動させると大きな音がしてかなり驚かれることもあります。かなりの風圧で、書類などがあれば吸い込まれそうなくらいの勢いなので(笑)

ーー想像以上の風力なんですね(笑)それでは二つ目の「建物の調査」についてお教えください。

建築物の調査は、地盤の沈下がないか、建物にひび割れや損傷がないか、また屋根材が破損していないかなど多岐にわたり、建物全体の構造や外壁、屋根、天井まで、広範囲にわたって確認します。

例えば「外壁の打診検査」と呼ばれる検査では、1~2メートルの棒を使って外壁を軽く叩いたり擦ったりして確認します。先端に丸い鉄球のようなものがついた棒を使って、軽く転がすような感じで検査するんです。

外壁のタイルを検査する場合、他に比べて浮いているタイルは通常の音とは異なる乾いた音がするため、それで浮き具合がわかります。見た目には問題がなくても、経年劣化で接着が弱くなり浮き始めてしまうのです。

タイルが浮いている場合、その部分を張り替える必要があります。街中で、タイルの色が一部異なる建物を見かけることがありますが、それは打診検査で浮いている箇所を張り替えた結果なんです。修理は当社ではなく、別の業者に依頼します。

ーーでは、三つ目の「防火設備の検査」についてもお教えください。

防火設備は大きく3つに分かれています。「防火シャッター」「防火扉」、そして「耐火クロススクリーン」です。

例えば、学校の階段の踊り場などに普段は開いたままになっている大きな鉄の扉がありますよね。あれが防火扉です。1階で火災が起きた際、煙や火が上階に上がらないように区画する役割を持っており、煙感知器が反応すると自動的に閉まる仕組みになります。

この防火扉には「エネルギー計算」という規定もあり、あまり強い勢いで閉まると扉に挟まれて事故が起きる可能性があるため、扉が動く際のエネルギーも一定以下に抑えなければいけないんです。安全面のためにも、定期的に検査する必要があります。

ーー耐火クロススクリーンとは初耳ですが、なんでしょうか。

耐火クロススクリーンは、名前の通り耐火性能のある布でできたシャッターのようなものです。一般的にはエレベーターの乗り口に設置されていて、エレベーターの昇降路から煙が上階に広がらないようにします。これは金属製のシャッターの代わりとして使われることが多く、煙感知器が反応すると自動的に降りてきて煙を遮断します。

以上が、主な業務内容になります。

ーー幅広い検査に従事されていることが伝わりました。スケジュールとしてはどのように組まれているのでしょうか。

普段は8時頃に出勤して、8時半くらいに事務所を出発します。9時半から10時頃に現場に到着し、夕方の4時頃に事務所へ戻ることが多いですね。建物の規模によって検査件数が1件の場合もあれば、午前と午後で2件回ることもあります。現場から戻ったら、報告書の赤入れをして、必要な修正部分を確認した後に、データをフォルダに保存して共有しています。

ちなみに、基本的には「建築設備の検査」は必ず行いますが、対象の建物に防火設備がなければ防火シャッターや防火扉の検査は行いません。また、建築調査は、3年に1度の定期調査の年であれば、3つ全てを行うこともありますね。

ーー3年毎の定期調査ではどのような建築物が対象になるのでしょうか。

例えば、大阪市では「令和6年度はマンション」といった具合に、年度ごとに建物の種類が指定されています。翌年は事務所ビル、その次は老人ホームや福祉施設などと、用途ごとに行政が対象を決めています。

マンションの場合は室内に入らず共用部のみを点検することが多いので、作業時間は比較的短めです。

ーーでは、休憩時間などは比較的取りやすい環境でしょうか。

はい。お昼はしっかりと楽しみたいタイプなので、時間を取って好きなところで食事しています(笑)午後の2件目に行くときなどは、車で移動しながら次の現場に向かいますね。

ーー基本的には一人体制なのでしょうか。

防火設備や排煙設備の場合は、やはり安全面から2人以上で対応するのが原則です。事故のリスクを考慮するほか、排煙設備は特に慎重に行う必要があるため、周囲の安全を確保しながら作業しています。

自分の名前が建物に残る「成長とやりがい」

ーーそれでは、この仕事のやりがいや楽しみについてお話しください。

最近ですと、ある老人ホームの厨房での話なんですが、厨房にはガスコンロや蒸し器、炊飯器などがあり、それぞれ換気扇がついています。ただ、測定してみると換気扇の吸い込みがほとんど機能していない状態で、施設長も「これって良くないですよね」と話していたんです。

それで設備図面を確認し、換気設備の本体を探したところ、モーターから羽への動力を伝えるベルトが劣化していて、うまく回っていなかったんです。「これが原因ですね」と特定できて、最終的には施設長が修理依頼をすることになりました。

換気が良くないせいで夏場は特に暑く、湿度も高くて大変な環境だったそうなので、修繕によって働きやすくなると喜んでいただけたのは本当にやりがいを感じました。

ーー学生に向けて、平岡さんがどのようにスキルアップされたかもお教えいただけますか。

私の場合、消防設備の業務を11年以上続けることで受講資格が得られたので、そのルートで定期報告の資格を取りました。ただ、卒業した学部や履修科目によっては11年ではなく5年、場合によっては3年で受けられることもあります。私が通った11年の遠い道のりではなく、短期間で資格を取得することも可能なんです。そのため、私が経験したような遠回りをせずとも、スキルアップのチャンスが多く用意されています。

ーー資格取得の難易度やスキルアップに関しても教えください。

社内で資格試験に挑戦して失敗することもありますが、何度も受け直さなければ取れないほど難しいわけではありません。資格を取ってからも、実務に関しては先輩がサポートするのでご安心ください。私も未だに先輩や社長に確認しながら業務を進めています。さらに、スキルアップ講習もオンラインで提供されており、自由に受講できる環境が整っています。

また、基本的には取得にかかる費用は全て会社が負担してくれています。

ーー資格取得の魅力や、資格を取ることで可能になる業務はありますか?

検査を終えると「定期特定建築物調査済」というステッカーが建物の入口に貼られるんですが、資格を取得すると、そこに自分の名前が載ることもあります。それを見ると「自分が携わったんだ」という達成感を感じますよ。また、業務上での対応は全国規模で行うので、実際に北海道から沖縄まで出張があり、各地での仕事を通じて多様な経験を積むことができます。

ーー出張があるんですね。出張の過ごし方、働き方も教えてください。

出張中はご当地グルメを楽しんでいますね(笑)繁忙期は月の半分が出張になることもありますが、交通費や宿泊費は全て会社持ちなので、会社のお金で、北海道から沖縄まで日本全国の文化を楽しむことができます。

私の場合は3週間ほど沖縄や東京で過ごすことがありました。3週間も過ごしていると、帰る時に少し寂しくなります(笑)それも含めて、貴重な経験ができていると感じています。

お客様に「建物の安心」をお届けする仕事

ーーテックビルケアの強みやカルチャーについてお話しください。

全国に拠点を持って対応している会社は少ないと思います。大阪だけでなく、さまざまな地域から問い合わせをいただいているんですが、これからも多くのお客様に対応できる可能性があり、それが大きな魅力だと感じています。

ーー平岡さんが考えるテックビルケアの魅力とはなんでしょうか。

業界の中でも、当社は比較的年齢層が低い会社です。資格取得や更新の講習会に行くと、他社の参加者には年配の方が多いですが、テックビルケアでは若手が多いですね。新卒で入社した若手も多く、活気のある職場だと感じます。

ーー入社されて10年以上になるとお話しされていましたが、長く働き続けられる要因はどこにあると思いますか?

一番の理由は、茶橋社長の人柄ですね。温かく、壁を感じない関係性なので、安心して仕事ができますし、最初からずっと“ついていこう”という気持ちが変わっていません。

ーー改めて、社会貢献性が高いこの仕事についての想いをお話しください。

日常の中で生活していると、ご自身が所有する建物が火災や災害を受けるとは、なかなか想像しにくいと思います。

実際にほとんどのお客様は被害を受けることなく過ごされていますが、私たちの仕事を通じて安心を提供できることを喜んでいただいています。

中には、行政に処理さえ出しておけばいいというスタンスのお客様もいますが、多くの場合は感謝の言葉をいただけるので、安心を買っていただいているんだなと実感しています。そうしたお声を大切にしながら仕事をしていきたいですね。

ーー最後に、学生の皆さんに向けてこの仕事の魅力をお伝えください。

この仕事は派手なものではありません。ですが、「縁の下の力持ち」的な役割で、社会に必要不可欠な存在だと感じています。コツコツとやりがいを見つけて前向きに取り組める人であれば、大きなやりがいを感じられるはずです。

「誰かの安心を支える」というこの仕事に共感し、一緒に挑戦してくれる方と働きたいですね。

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