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私たちの会社が生まれた背景vol.1

グロースピリット代表の野脇です。

このストーリー記事では、私たちの会社が生まれた背景をvol.1とvol.2に別けて書いていきたいと思います。

まずは簡単な略歴からご紹介します。

●略歴

新卒で人材系メガベンチャー企業に入社後、新卒紹介事業の法人営業からキャリアをスタートしルーキー賞、MVP、新規事業プランコンテスト全社1位などの実績を残しつつリーダー、マネージャー、新規事業責任者を経験。その後、IT系スタートアップ企業に転職。

WEB開発事業の営業責任者として0からの組織立ち上げ、複数新規サービスの立上げを経験した後、人事採用を中心としたバックオフィス領域を統括。

2023年9月に株式会社グロースピリットを創業。


こういった、いわゆる創業ストーリーは、創業後に上場できたとか売上が数十億円になりました、みたいなタイミングで成功者が成功した秘訣を語るようなものだと思っていたのですが、創業二期目のまだ何も成し遂げていないタイミングで書くことにしました。

その理由の一つは、まだ何も成し遂げていないからこそ、未来のメンバーやビジネスでお客様になる方、ビジネスパートナーになるような方などに私たちの会社の生い立ちを知ってもらいたいと思ったからです。

ちょうど今朝、駅前で新卒くらいの年齢のスーツを着た男性に、いきなり「ビジネスマンの方にアンケートしてるんですが、、」と声をかけられましたが「ちょっと時間がないんで」と断ってしまいました。
でも、あの男性の子供の頃からの生い立ちとか、あの場に立つまでのストーリーを知っていたらアンケートくらいは答えていたかもしれないなと思います。
まずは私たちの会社を知ってもらいたい、できれば深く知ってもらいたい。そんな想いです。

二つ目の理由は、ちょっとしたカミングアウトなんですが
実は私、記憶力が悪いんです。
記憶力というのか分からないんですが、子供の頃の記憶とかは、だいぶ断片的にしか覚えていないですし、これは自分でもどうかと思うんですが、例えばCOOの安永の兄弟構成も何回か聞いたんですが、なかなか覚えられないんです。
創業するまでの話も、正直すでに少しずつ忘れ始めているので
このタイミングで、あとで思い出せるように書いておこうと思いました。

このvol.1の記事では、私がなぜ起業をするに至ったのかを中心に書いています。
何をやりたいか決まっていない段階で起業を決意していることもあり、起業をしようか迷っている人にとっても、少しでも参考になればと思います。
また、大学生くらいの年代の方からも見ていただくことを想定し、学生時代から遡って起業を決心するまでの過程をまとめてみました。

前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。

私が起業を意識しはじめたのは、大学1年生のときでした。

高校時代は、大学受験に向けて必死には勉強していたのですが、特になりたい将来像はなく、とりあえず少しでも良さそうな国立大学に受かることを考えてました。
田舎だったからか、とにかく盲目的に国立大学が良いと思ってました。
そういう学校の教育だったのか、周りがそう言ってたからなのか忘れましたが、なんとなくそんな雰囲気だったので、とにかく国立大学に行かないといけないと思ってました。
ですが、国立大学の受験には失敗しまして、関西の私立の大学に進むことになります。

大学入学後は、宮崎の田舎から関西に出て、最初は親元を離れて、勉強はしなくて良い(と思ってました)、四六時中遊べる環境が楽しかったのですが、それも半年くらいで飽きてしまいました。
目的もなく大学に進学したこともあり、急に無気力になってしまい、家に閉じ籠もることが増え、だんだんと真剣に自分の将来と向き合うようになりました。
自分はこれからどう生きていくんだろう。。みたいなことを真面目に考えていた気がします。

その時に、はじめて社長になろうと思いました。
これまであまり深く考えずに生きてきてしまった気がして、それは、これが無難だろうと思う選択肢が目の前にあって、その中から選ぶことを繰り返してきたような感覚があるからだと思いました。
これからは自分で選択肢を創り出すような自由な生き方がしたいと思い、それができるのが社長だと漠然とイメージしていました。
今思えば、別にそれは社長じゃなくても良かったんですが、当時の自分にとっては新たな目標ができて嬉しかったのを覚えています。

セルフブラックバイトで上がった社長の解像度

それからは、近所の本屋に行って経営や起業についての本をパラパラめくってみるものの、いまいちどう行動したら良いのか分からず、悶々とした日々を過ごしていました。

当時、小さな塾でアルバイトをしていたのですが、ある日、昔その塾でバイトをしていた飲食店をいくつか経営している方がふらっと遊びにきていました。
その方と話をさせてもらう中で、自分も社長になりたいんですと伝え、何度か食事にも連れていってもらう中で、「新たに開校する塾の校舎の立ち上げを手伝うことになったから、一緒にやらないか?」と誘ってもらいました。「社長になりたいなら社長の近くで一緒に仕事をするのが1番良いよ」と言われたのが決め手となり、新規校舎立ち上げに携わることになりました。

新規校舎は、塾の方の社長とその飲食店の社長と大学3年の自分という変わった布陣でオープンすることになりました。
そこから一気に仕事にどっぷり浸かることになります。
トイレ掃除から机、床の掃除は全部自分でやり、慣れない教科の授業もこなし、生徒が帰ればチラシを作って、大量に印刷し、夜中にポスティングをして朝方に新聞屋さんに新聞折り込み用のチラシを持っていき、銭湯で風呂に入って塾でダンボールを敷いて寝る。休むのは2,3カ月に1日くらい。当時はブラックバイトという言葉はなかったですが、セルフブラックバイト状態でした。
入塾の保護者への案内やクレーム対応は、特に最初は全然ダメダメで、ほぼ毎週2人の社長からしっかりと詰めて頂き、毎週悔しさと申し訳なさで泣いていたような気がします。

それでも、いつも隣で社長の仕事を見ることができ、考え方、哲学のような話も聞けて、ほとんど怒られた記憶しかないものの、とにかくレアな経験ができている実感と成長している実感、生徒の成績もみるみる上がり、生徒数も増えて売上が上がっていくのが嬉しくて、夢中になっていました。
また、社長の持つ責任や大変な側面を色々と目の当たりにできて、社長というものの解像度をあげることができた経験でした。

ある日突然、2人の社長から「もうこの校舎は任せた」と言われ、その校舎の校長になりました。
そこからは、一時期は大学を半年遅れで卒業してから正社員として働いていたのですが、他の社員や講師と一緒に働く中で、もっと自分と近い年齢でバリバリと上を目指して働いているような人達の中で、共通の目標に向かって働いてみたいという気持ちが強くなり、転職をすることにしました。

おむつ代を稼ぐためから、社会のためへ

転職といっても、正社員経験は半年だったので、人材系の会社に新卒として入社しました。
その会社を選んだのは、社長になりたいと思っていたものの何の事業をしようか定まっていなかったので、色々な業界の経営層に対しての営業が経験でき、その中で事業のヒントを得られそうだと思ったこと。
成長意欲が高い若い世代が多くいること。
社員が一体となって、ビジョンに向かっているカルチャーを感じたことが理由でした。

そして、よく驚かれる話なのですが
入社をした4月に結婚し、12月には娘が生まれました。
私も妻も地方出身で東京に身寄りもいなかったため、私の稼ぎで家族で生活するための家賃や生活費を賄う必要があり、兎にも角にも営業のインセンティブを稼いで家のPLを黒字にするために必死でした。
「野脇はおむつ代を稼ぐために頑張ってる」とイジってもらうこともありましたが、本当にそんな感じでした。

お金がなかったため、休みの日に出かけても弁当を作って近所の公園に行くことくらいしかできず、近所の子供のいる家庭とは、住む家の広さも全然違っていました。
それでも、気が付くと色々と営業成績で表彰をされることが増え、そんなに良い暮らしでは全然なかったもの、少しずつ稼げるようになり、赤ちゃんの横に賞状を置いて写真を撮るのが、父親としてやるべきことをやれている気がして嬉しかったです。
自分が子供の頃は、両親のおかげで良い暮らしをさせてもらっていましたが
この20代半ばくらいまでの間に、お金があまりなかったとしても、しっかりと幸福を感じられる感覚を持てたのは、起業をする上ではプラスだったなと思っています。



そんな感じで最初の1年は稼ぐことに必死でしたが
2年目からは役職も上がり、色々な経験を積み、色々な人との出会いも経て自分の生活のためというより、チームのため、グループのため、事業部のため、会社のため、社会のため、といった感じで視座をどんどんと上げていくことができました。
ビジネスの世界が広がっていく中で、色々と選択肢も広がり、本当に自分は社長になりたいのか?と思うこともありましたし、あまり社長になることを意識していない期間もありました。
ですが、改めて社長になることを強く決心した出来事がありました。

グロースピリットという会社を興すことになる理由

きっかけは、祖父が他界したことでした。
お通夜では祖父の弟や妹が泣き崩れるように祖父と対面していました。
10人兄弟の長男で父親が体が弱かったこともあり、弟や妹を親のように育てていた祖父は、土木建築の建設会社を創業しており、私の父が後を継いでいます。

私は小学、中学、高校生の頃に、祖父が社長の頃に作った、家の目の前にある小さな橋を毎日通学で往復していました。「あの当たり前のように目の前にあった橋は、祖父がどんな想いで働いて作った橋だったんだろう」と想いを馳せていると、子供の頃の父親の言葉が急にフラッシュバックしてきました。
「お父さんは橋や道路を作って人の人生を変えられると思っている。
自分の家族だけじゃなく、社員と社員の家族も守るために仕事をしている。」

当時はその話を聞いてもなんとも思っていなかったのですが
家族を持ち、仕事をやり込んだタイミングだったからこそ
近すぎて見えていなかったものに、急に気がついた感覚でした。

自分はまだ、祖父や父のように社会を変えられるものを生み出していない。たくさんの人にインパクトを与えられるような何かを生み出したい。
社員の家族を含めて多くの人の生活を豊かにできるような会社を創りたい。

そう強く思い、本気で起業を決意しました。
これが私個人としての、グロースピリットという会社を興すことになる理由です。



次のvol.2では、その後、COOの安永と共同創業することになる背景や
実際に、どう会社創りを進めたかなどについて書きたいと思っています。

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