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日本の経済を支える「海事産業」の魅力とその未来/企画立案者インタビュー

みなさんは「海事産業」と聞いてどのような業界をイメージするでしょうか。海の上の仕事や船のことをあまり知らなかったり、遠い存在に思える方もいるかもしれません。しかし実は、私たちの生活において重要な役割を担っている業界なのです。

今回は、アイディア株式会社の企画立案を担当する増田にインタビュー。業界で経験を積み、造船業や海洋分野の安全保障に携わった経験を持つ彼に、海事産業の魅力や業界トレンドについて話してもらいました。

■プロフィール
事業戦略室 企画立案担当:増田 慎太郎
造船分野の経験を積み、Aiseaサービスの企画営業や事業企画、法務などを担当。

一度離れて実感した海事産業への確かな想い

——はじめに、増田さんの経歴について教えてください

ジャパン マリンユナイテッド株式会社では、商船の修理や改造に関する営業として造船業に携わりました。

主な業務内容は、海外で定期修理や緊急修理を実施する日本の船社様に、海外の修理造船所を紹介する代理店営業。そして、就航済みの船が国際的な環境規制に適合するように、船を改造するためのEPC(設計、調達、建設)の営業です。

その後は2年間、外務省の海洋分野の安全保障政策を扱う部署で働きました。担当したのは、海賊や海上武装強盗の対策など、海上交通路の安全を確保するための取り組みです。

また、政府が海洋基本計画の元で注力しているMDA(海洋状況把握)という、海を見える化して早期に脅威を把握するための取り組みにも携わりました。

それまでのキャリアは「海事産業を通じて日本の社会基盤を支えたい」という気持ちが原動力になっていました。
しかしある時、あらゆる分野に社会課題が存在する中で、自分が解決に関わりたい課題は本当に海事産業における課題だけなのか?という疑問が浮かんだのです。

そこで、海という切り口に限定されない多分野の社会課題を解決する、コンサルティングファームに転職。中央官庁の政策立案支援や自動運転など先進技術の社会実装支援に関する業務を経験しました。

——そこからなぜ、アイディアへの転職を決めたのでしょうか

海事以外の業界における課題やその解決方法に目を向ける機会を通じて、自分の中にある海事産業への想いを再認識したんです。

また、他の分野における最先端の技術の開発状況や社会実装の進行状況を知り、できるだけ早いタイミングで関わりたい、そして海事産業における未来のインフラを作りたいという気持ちが強まっていきました。

これを実現できる場が、アイディアでした。この会社で、これまで培ってきた経験を活かしながら海事産業の最先端を担っていきたい。そのような想いを胸に入社したのが、2021年9月です。

私たちの生活を支える、海事産業の重要性

——それほどまでに増田さんを魅了する海事産業とは、どのような業界なのでしょうか

私たちは、昼夜問わず電気やガスを当たり前に使える環境で生活していますよね。それは、エネルギー業界のみなさんが我々に届けてくれるからです。

更にその上流を辿ってみましょう。私たちが暮らしているエネルギー資源に乏しい日本では、石油や石炭などを海外から船で運んで来なければなりません。

数字で表現した方がわかりやすいかもしれません。日本の貿易に目を向けると、海外との貿易量の99.6%は船による海上輸送です。また国内での貨物の輸送においても、約4割が船。品目別で見ると、金属や石油製品といった産業基礎物資の約8割が船で輸送されています。

このように、船は我々が生活するうえで極めて重要な役割を果たしています。当たり前に思える日々の快適な生活は、船を動かす皆さんがいるからこそ成り立っていると言っても過言ではないと思います。

インフラとして非常に重要である船舶を造ったり、航行させる海事産業は、社会的重要性が高い業界と言えるのではないでしょうか。

また、日本は海に囲まれた国ですから、海上の防衛や警備などが国の安全保障に直結します。生活や国の安全に貢献できる点は、この業界で働く大きな魅力です。

——他には、どのような魅力があるのでしょうか

圧倒的なスケールの大きさも魅力です。日本は、原油の約9割を中東から輸入しています。中東から輸入される原油の多くは、VLCC(超大型原油タンカー)と呼ばれる全長333mの巨大な船で輸送されています。

なんと、あの東京タワーの全長と同じほどの大きな船が、片道約20日をかけて日本に原油を運んでいるんです

このような壮大さに、非常にワクワクします。コンテナターミナルやフェリー乗り場の近くに行ってみるだけでも、規模の大きさやワクワク感を体験できると思いますよ。

船舶をめぐる課題と、アイディアならではの解決策

——その一方で、海事産業ならではの課題や問題もあると思います

そうですね。船舶をめぐるトレンドとして、ここでは大きく2つのポイントを挙げます。

まずは、環境問題です。現在、国際的な動きとして、船舶の運航による環境負荷の低減が求められています。海洋汚染や大気汚染への対策も進められていますが、特に注目度が高いのが、温室効果ガス(GHG)の排出の削減に向けた動きです。

日本では、温室効果ガス(GHG)を排出しない「ゼロエミッション船」を2028年までに運航させることを目指す「国際海運GHGゼロエミッション」プロジェクトのような取り組みがあります。

GHGの削減をはじめとする環境負荷の低減のためには、ハード面とソフト面の2つの面でのアプローチが必要です。

ハード面では、既存の燃料に比べてGHGの排出量の少ない燃料で船を動かせるような舶用エンジンの開発や、船体抵抗の少ない船の開発などが挙げられます。これは、造船会社や舶用工業が主体となる取り組みです。

ソフト面では、運航方法の改善が必要です。例えば、燃費効率のいいルートの提案ができるようなソフトウェアの開発が挙げられます。
燃費効率の向上は環境負荷の低減のみならず、燃料費の削減を通じて海運会社のコスト低減にも寄与します。

一方で、安全に航行をしなければならないという要請もあります。安全性と経済性の両立が可能なルートの選定が必要です。

アイディアでは、航跡や機関の稼働状況などのデータの見える化や、ルートの評価や検証。これらの過去のデータを元にした燃費効率の良いルートの提案などが可能となるよう、ソフトウェアの開発に取り組んでいます。

——環境負荷の軽減は国際的な課題なのですね。もう1つのポイントは何でしょうか

労働環境や人員不足の問題への対応です。船の業界は多くの熟練の職人のみなさんに支えられていますが、過酷な労働環境下でヒューマンエラーを起こす可能性は、誰しもが持っています。

また人員不足の中で、各船員の労働負荷を軽減しながら安全性を確保するためにも、今注力されているのが「自律航行」の実現に向けた取り組みです。

これには、海運業や造船業、舶用工業の方々のこれまでの知見に加えて、アイディアのような会社がITを駆使したシステムをプラスしていく必要があるでしょう。

現在アイディアでは、様々なパートナー企業のみなさんと手を取り合いながら自律航行の社会実装に向けた取り組みを進めています。

しかし完全な自律航行船をいきなり目指すのではなく、まずは今の船員のみなさんの目の前の課題を解決するプロダクトを少しずつリリースしつつ、段階的に自律航行の社会実装を実現していく。
そのようなコンセプトのもと、自律航行船に繋がる技術の開発に取り組んでいます。

経験を活かしながらチャレンジできる社内環境

——現在、社内ではどのような業務を担当されていますか

営業、事業企画、営業管理、法務などを担当しています。営業としては「Aisea Partners(アイシア パートナーズ)」を主に担当し、パートナー企業と協業した新サービスの開発やビジネスモデルの構築を行っています。

造船業や舶用工業といった海事産業に関わるプレイヤーの方々とコミュニケーションを取りながら、海事産業の課題解決に資するサービスを一緒に考えています。
「船はどうあるべきか」といった深い内容から、個別のサービスや製品の必要性に至るまで、様々なことを密に議論させていただいています。

そのような場面では海事産業における未来のインフラを作るため、造船所での営業経験が活きているなと実感でき、大きなやりがいも感じます。

——入社してみて、アイディアにどのような印象を抱いていますか

入社時にどのような業務に関わりたいかの希望をきいてもらえたのですが、その内容を踏まえてやりたいことを100%以上やらせてもらっている印象です。意見を尊重して挑戦させてもらえる風土が根付いている会社だと思います。

また、私は海事産業の知識は多少はあるものの、ITという面ではキャッチアップが必要でした。この点については周囲のメンバーに教えてもらったり、実践で身に付けたりしながら学び、今は営業の数値を日々反映するためのシステム化も担っています。

これまでの経験やスキルのみならず、本人の意向に合わせて新しい仕事も任せてもらえる、チャレンジングな環境でもあると思います。

9割以上が業界未経験者。多彩なメンバーが創造するアイディアの未来とは

——海事産業の知識・経験がなくても、アイディアで活躍できるのでしょうか

もちろんです。むしろ私のような海事産業で働いたことのあるメンバーは少なく、アイディアの9割以上のメンバーが業界未経験者なんです。社内には、業界知識をキャッチアップする方法が多くあるので心配いりません。

まずは、社内のメンバー同士で教え合う文化がしっかりと根付いています。私のような業界経験者の知識のみならず、各人のこれまでの経験から学んだ知識を持ち寄り、教え合っています。
あとは、お客様との対話から学ぶことも多いです。海事産業には非常に親切な方が多く、こちらのわからないことを熱心に説明してくださいます。

そのほかにも、小型船舶免許の取得を通じて実践的に学べるよう、免許取得費用の補助制度があります。
また、会社で定期購読している業界誌や新聞から最新の業界トレンドを知ることができますし、必要に応じて書籍も会社が購入してくれます。不定期ですが、有志のメンバーが主催して海事産業に関する勉強会も実施しています。

このような取り組みによって、業界未経験のメンバーであっても多くの技術や知識を身に付け活躍しています。様々な角度から業界理解を深められると思いますよ。

——今後、業界の中でどのような存在を目指したいですか

より存在感を示していけるようサービス展開を続け、業界にとって必要不可欠な存在になりたいです。
海事産業には様々な課題がありますが、業界全体でIT技術の活用が推し進められることにより、解決可能な課題は多いと思います。スムーズなIT化に向けたサポートを通じて、海事産業の課題の解決に関わりたいという想いがあります。

そのためには、アイディア自体の組織強化によって更なるパワーアップが必要です。業界経験の有無を問わず、アイディアに興味のある方と気軽にお話しできると嬉しいです。

アイディア株式会社では、一緒に働く仲間を募集しています。興味のある方は、こちらからエントリーください。

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アイディア株式会社 東京都東京都渋谷区千駄ヶ谷

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