CTOインタビューで紹介した、デザイン・UI/UXにこだわる開発体制。
その「こだわり」をプロダクトに反映するためには、デザイナーと開発チームの連携が欠かせません。
今回はUXデザイナー、フロントエンドエンジニアとして活躍しているメンバーに、アイディアの開発体制についてインタビュー。仕事のやりがいや海事産業への想いについても話を聞きました。
■プロフィール
フロントエンドエンジニア:齋藤 幸吉(写真左)
多くの資格を保有する、フルスタックエンジニア。モバイルアプリ、Web、組込インターフェースを担当。
UXデザイナー:松下 圭克(写真右)
米国でデザイン理論を学び、ナショナルクライアントを中心としたソリューションに精通。UX設計、UIデザインを担当。
Webシステムから、アプリ、ハードウェア…幅広いデザイン・開発領域
——まずは、お二人のこれまでの経歴について聞かせてください
松下:前職ではWebに特化したコンサルティング企業にて、UXデザインのコンサルを担当していました。インフォメーションアーキテクトをUI/UXに反映する業務です。
13年間、UI/UXに向き合う中で「より関与度の高い立場で、サービスやプロダクトに関わりたい」と思うようになりました。
長年、様々なクライアントサービスに関わっていましたが、納品をして終わりというスポットのコンサル案件がケースとしては多くありました。立ち上げだけではなく、継続的に分析・改善にも関わりたい、サービスの向上やグロースにも寄与したい、と思っていました。
そんな時にアイディアのことを知りました。海事産業の様々な課題を解決する社会貢献度の高さ、自分たちの責任でサービスの成長に取り組める点に魅力を感じ、2020年の春アイディアにジョインしました。
齋藤:私はiOS、Android、クラウドの開発運用に携わっていて、実は、前職でアイディアCTOの千葉と一緒に働いていたんです。その縁もあって、外部スタッフとしてアイデアのAndroid開発を担当。要件定義などの打合せで代表の下川部と話す機会も増えていきました。
松下:そこで社長に口説かれたのが入社のきっかけに?
齋藤:そうですね。「いままでのiOS、Androidのスキルだけではなく、IoTほかマニアックな分野、新しいスキルにも全力で挑戦できる環境だ」と熱く語られました。前職ではiOS、Android、クラウド止まりで、自分の領域をさらに広げることが難しかったんです。
アイディアが取り組む海事産業のDX化は、発展途上の分野。しかも代表の下川部の家業が、釧路市で海事産業の会社を長年経営しているというバックボーンがある。業界知識が豊富にあることは強みだと思います。
自分の領域をより広げていける、エンジニアにとって働きやすい、働きがいのある環境に魅力を感じて入社を決めました。
——実際に入社してみていかがでしたか?
齋藤:アイディアの開発はWebシステムだけではなく、アプリケーションからハードウェア、インフラまで様々な領域が対象です。ありとあらゆる開発に関わることができる環境は、エンジニアにとって大きな魅力だと思います。
松下:そうですね。そしてフロントエンドエンジニアはフロントだけを担当、スマートフォンアプリとWebアプリは別チームというような縦割りの組織になっていないことが特徴です。デザインを開発プロセスのひとつとしてとらえているので、デザインチームと開発チームの連携が強いのです。
Figmaを活用したデザインと開発の業務連携
——体制や開発プロセスの話題がでましたが、デザインと開発の業務連携について具体的に教えてください
松下:私たちは「デザインは開発プロセスの一部」と考えています。海事産業のDX化はまだまだこれから。お客様の中には、スマートフォンやタブレットの操作に慣れていない方もいらっしゃいます。そのため、誰でも直感的に操作できるUI/UXでなければ、開発しても使われないシステムになってしまう。
齋藤:アイディアでは、開発段階からお客様にプロトタイプを触っていただくことを心がけています。具体的には、Webブラウザ上でデザインや実際の画面の動き、UIを確認・共有できるツール「Figma」を利用しています。
松下:設計段階や開発プロセスにおいて、お客様に実際の操作や画面の動きを体感していただくことは非常に重要です。動かないデザインデータやワイヤーフレームでは、完成したシステムとお客様の期待値にずれが生じ、修正に余計なコストがかかってしまいます。
齋藤:巨大モニターに船舶の入港・出港状況を管理するシステムの開発をした際にも、実寸大の大型4Kディスプレイ向けのプロトタイプを作成しましたよね。
——Figmaを使用されるのはデザイナーの方だけですか?
松下:いいえ。デザイナーだけではなく開発スタッフ全員がFigmaを使用しています。Webベースでの動作確認に加え、コメントや共同編集もできるので、社内でもデザイナーと開発メンバーがFigamを使ってコミュニケーションをとり作業を進めています。
齋藤:エンジニアにとっても操作感や動きを確認できると開発が進めやすいんですよね。「この動きをどう実装できるか?」「難易度が高いと興奮する」という開発メンバーもいます(笑)
松下:社内外問わずFigmaを活用することは当たり前になっているのですが、現時点ではコンポーネント化など、UI/UXの共通化が整備できていません。
齋藤:たしかに。ボタンなどのパーツやデザイン、文字スタイルのコンポーネント化、ライブラリ化がもっと整理できればよりUIの統一性が出ますし、作業の効率化にも繋がりますよね。
人命と経済的損失につながる事故を防ぐためのUI/UX
——海事産業の魅力や課題について聞かせてください
松下:私は、趣味で東京湾・相模湾で釣りをするので、レジャーとしての知識は多少ありましたが、仕事としての業界知識はありませんでした。
入社してみると業務の領域も思ったより広く、ステークホルダーも多い。一般的な海のレジャーとしての知識とはまったく異なる世界だと思いました。
アイディアの主たるお客様は、海で働く人たちです。そんな人たちの業務を支える、BtoBのUI/UXは奥が深く、やりがいがあると感じています。
海事産業は、言わばレガシーな世界でDX化が進んでいません。陸上のロジスティクスや車などのモビリティに比べ、海事産業は周回遅れの状況です。地球温暖化、CO2排出量削減、船員の人手不足など様々な課題を解決することは、挑戦しがいのある有益な仕事だと思っています。
齋藤:そうですね、海事産業は高齢化が進んでいます。日本では通常、大型船舶は一人で操船できません。さらに、うっかり眠ってしまうと事故に繋がるため、椅子に座って操船もできないのです。
ただ年配の方が長時間立ったまま業務するのは大変ですし、人手不足の問題もありますから、船陸含めたさまざまな課題をITで解決していきたいです。
松下:大型船舶は、レーダーやAIS(船舶自動識別装置)、GPS、エンジンロガーなど操作する設備や機器が多岐に渡ります。そのため、視認性や操作性が高いタッチパネルなど、私たちが提供するシステムにはUI/UXがとても重要なのです。
システムのミスリード、操作ミスなどによって事故が起これば、人の命に関わりますし、経済的損失もかなり大きい。常にそのことを念頭に置いて業務にあたっています。
——海事産業はスケールが大きい分、苦労もあるのではないでしょうか
松下:実際に様々な現場に足を運ぶ機会があるのですが、やはり造船所のスケールの大きさには圧倒されます。日本国内の貨物輸送のみに使われる内航船は、中型船と呼ばれる499トン以下の船が中心なんですが、その内航船の造船所はものすごく大きい。この巨大な船を動かすのは大変だし、相当のシステムが必要だと実感できます。
齋藤:現在、アイディアでは内航船を中心にDX化を進めていますが、今後は外航船のDX化にも取り組んでいくことになります。外航船は船のサイズもより大きくなりますし、設備や機器も国際的な法規制に即したよりスケールの大きなものになります。もちろん操作方法も変わってきます。
松下:今後は、より大きなスケールと責任を求められます。その分、社会的貢献度が高く、やりがいがある業務だと思っています。
お客様と一緒に、新たな仕組みを海事産業へ
——最後に、アイディアに興味をお持ちの方へメッセージをお願いします
松下: 海事産業はレガシー業界ゆえに参考にできるシステムがありません。その中で、一足飛びにシステム化するために、共通言語を作っていかなければならない。そこが苦労でもあり、逆に面白さでもあります。
新たな仕組みをお客様やエンジニアと一緒に考える、いいものは積極的に取り入れていく、それがアイディアの文化です。
指示を待つタイプの方よりも、業界情報のキャッチアップや社内外とのコミュニケーションも含めて、自ら働きかけて取り組める方におすすめです。
モノ作りは一人ではできませんから、自分とは価値観が違う人、私が思いつかないことを考えつく人と一緒に仕事をしてみたいです。
齋藤:アイディアは、スキルの高いメンバーと一緒に、自分の力を思い切り発揮できる環境です。言いたいことも言えますし、経営陣もちゃんと話を聞いてくれて、いいアイディアはどんどん取り入れてもらえる、入社前の想像通りの会社です。
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