営業担当者が顧客との「一期一会」を大切にするように、デザイナーもフライヤー等を通して「一期一会」します。しかし、実際には対面しないので「一語一絵」とでもいいましょうか。私はCANVAやAdobe Express等使ってフライヤーを作ることがあるので、今回デザイナー側の視点でもお話しようと思います。
「一語一絵」は機能でありセオリー
「一語一絵」とは、一つの枠(キービジュアル)に一つのメッセージ(キャッチコピー等)を明確に伝えるというデザインにおいて一般的に認識されているセオリーです。このアプローチにより、受け取った人が瞬時に情報を理解できるようになります。
例えば、BtoBにおいての新サービスの紹介フライヤーでは、サービスの特徴や利点を一目で把握できるように、明確でシンプルなメッセージと視覚要素が組み合わされています。
このように、情報が簡潔でありながらも、受け取る人にとっては十分に理解できるようにすることが「一語一絵」の目的です。
それ誰のためのものですか?
しかし、場合によっては営業側の使いやすさを追求するあまり、実は重要であったであろう要素を削除するなど、しばしばそれが損なわれて、「半語半絵」になってしまう機会があります。デザインのフレームさえも変更されてしまう場合もあります。
この「営業が使いやすい」は、例えば社内のITシステムの導入時にも見られるように、しばしばある勘違いです。システムの導入では、「事務方がつかいやすい」といった単に社員に便利さを提供するためのものではなく、正確でタイムリーな情報の取得、提供を目的としています。
情報の質が経営判断を支え、顧客に還元されビジネスの成功に繋がります。フライヤーもシステムも誰のためにあるのか認識されることが重要です。
デザイナーだって「一期一会」している
営業担当者が顧客との「一期一会」を大切にするように、デザイナーもフライヤーを通して「一語一絵」で一期一会の瞬間を演出しています。
フライヤーのデザインは、顧客がその一瞬で情報を受け取り、心に残すための重要な手段です。
営業が直接対話する際に、相手の心に響く瞬間を作り出すのと同様に、デザインもまた受け取った人の感性に訴える瞬間を創出することが求められます。
記憶は案外すぐになくなるものなので
あるリサーチ会社によれば、製品の購入決定において最も大きな要因はコストや機能ではなく、「営業体験」であるとしています。
これは、営業が提供する体験が、製品選定において決定的な役割を果たすことを示しています。つまり、営業体験をより良くするためには、フライヤー自体がその体験を補完し、記憶と共に手元にも残っている必要があります。
顧客が後でフライヤーを手に取り、営業体験を思い返す。想起されることができるデザインが、最終的な決断を促します。
営業が去った後 デザイナーの出番です
営業担当者が去った後、フライヤーがどのように扱われるか考えてみましょう。
そのフライヤーを手に取り、「シュレッダーに投げ込んでもいいや」と思われるのか、「何か気になるし、取っておこう」とデスクの上で引き続き代わりに営業してくれるのか、運命の分かれ目です。
営業の使いやすさも大切ですが、営業が去った後の事を考慮し、デザイナーは顧客の目線を常に意識する必要があります。過不足のない情報提供と、感覚に訴えるデザインが、成約を左右します。
デザイナーは営業するあなたと一緒にいます
デザイナーは常に「一語一絵」を意識しつつ、営業担当と一緒に顧客と「一期一会」する事を考えています。
ビジネスでの営業の機会を考えた時、「一期一会」が大仰ではないと誰もが知っています。だからこそ営業担当の方にもデザイナーが共に「一期一会」している事を知っていて欲しいと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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