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SWOT分析の進化版をやってみた結果

この進化版をHackするコツ、お教えします。実際に使うMiroテンプレートも紹介しますので、参考になれば幸いです。

今日はビジネスの世界でお馴染みの「SWOT分析」についてお話ししようと思います。実は、このSWOT分析が進化しているんです。実際に試してみると、驚きの結果になりました。

そもそもSWOT分析って?

まずは基本から。クラシックなSWOT分析は、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの視点から企業や製品、サービスの現状を把握したり、自分自身を分析するためのフレームワークです。

例えば、自分の会社の強みを見つけて、それをどう生かすか考える一方で、弱みを克服するための策を練る。そして、外部環境からくるチャンスを活かしつつ、リスクをどう回避するかを検討する。これがSWOT分析の基本的な流れです。

ただ、現実には参加者全員がそこまでを意識することなく、それぞれの枠に自分の認識をペタペタと付箋で貼っていき、「これが弊社の現状か」と確認し、なんとなく共通認識が得られたような感じで止まってしまうことが多いのが実情かもしれません。

SWOT分析とポジショニングの関係

弊社は創業から5年連続黒字を続け今期で6年目、ビジネスにおいて特徴が出てきました。今後、その特徴をベースに、どういう「文脈(コンテクスト)」で弊社のサービスを展開するのか、ポジショニングを策定する時期に来ていました。

なぜポジショニングの話をするのか不思議に思われるかもしれませんが、実はSWOT分析とポジショニングは補完関係にあり、内側に目を向けたSWOT分析と、外側に目を向けたポジショニングという位置づけにあります。

ポジショニングはマーケティングのコンセプトでもあるのですが、実際にはビジネス戦略の変更に近く、内部にも多大な影響が出ます。

そこで、ポジショニングを策定する前段階で、影響範囲を認識するため、もしくは答え合わせするのにSWOT分析が必要だったわけです。

戦略的シナリオのためのアクション指向ツール Meta-SWOT

クラシックなSWOT分析は、強み、弱み、機会、脅威などの要素の優先順位付けに限定されていますが、この「Meta-SWOT」は、戦略的シナリオのためのアクション指向ツールとして進化しています。以下リンクはビジュアルワークスペースとしてメジャーな「Miro」のテンプレートです。

Meta-SWOT Template | Miroverse
Discover how Owtcome does Meta-SWOT in Miro with Miroverse, the Miro Community Templates Gallery. View Owtcome's Miro templates.
https://miro.com/miroverse/meta-swot/

複数の視点と要素間の接続を試行するためにマインドマップ的な表現を使用しながら、自社の強みや機会を具体的な価値にどう変えていくかを考える。最終的に、自社独自の価値などに焦点を当てた具体的な指針として、Actionable Insights(実行可能な洞察)へ落とし込んでいきます。

実際にやってみると

とはいえ、スタートはクラシックなSWOT分析です。ここでは付箋に思いつくままに張り付けていきます。似たような意味合いの付箋を寄せ集めながら分類も済み、なんとなく特徴が見えてきて、ここまでは想定どおりです。

一番付箋が多く含まれているカテゴリーが皆の認識であり、これがコアな強み、弱み、機会、脅威なんだろうなと思っていました。

そこから新しいステップに入り、いよいよMeta-SWOTが始まるのですが、ここから様相が一変します。バケツの中で、ただ単に入れたボールに紐付けを試みると、認識の境界や軸、立場や目線を都度変えながら整合性を取っていく事が難しくなっていきます。

Meta-SWOTの結果

クラシックなSWOT分析である程度見えていたはずのコアな部分や、従属関係にあるだろう要素の関係性の認識が変わっていきます。言い換えだけではなく、付箋に書いていないモノ、つまり皆の認識の外にあるモノまで出てきます。

途中、アブダクション(仮説的推論)を使いながら認識の変化を繰り返す作業が皆の中で苦しくなり、最終的にメンバーは私一人でしたが、MiroアシストAIとの二人三脚で完了まで持っていきました。

結果として、想定とは異なるものになりましたが、クラシックなSWOT分析のままだったら、皆の認識がただの思い込みだったらと考えると少し怖くなります。今後の戦略にも影響が出ていたに違いありません。

Meta-SWOTの参加メンバーは少数がオススメ

クラシックなSWOT分析のフェーズでは大勢でも良いかもしれませんが、Meta-SWOTのステップに入ってからは、決して片手間では行えない作業になります。

よって、会社の将来を担う議論の上手いメンバー、多くても3名までに絞るのが良いと思います。そして、Actionable Insightsの最終段階に入って、また大勢に戻すのがオススメです。

もしくは、Meta-SWOTのステップに入ってからは、強み、弱み、機会、脅威の4つの各フレームを別々のメンバーに割り当てるような方法も良いかもしれません。

というのも、例えばコアな弱みと逆説的な強みの関係を解き明かすのに、パラドックスにハマって抜け出せない状況からも突破できる発想と論建て、そもそも諦めないメンタルが必要であったりと、フェーズによって性格的な向き不向きで進捗が変わってるくからです。

やってみる価値はあるMeta-SWOT

ここまで読んで頂くと、「なんかMeta-SWOTって大変そうだな」と思うかもしれませんが、一歩踏み込んだ自社分析はポジショニングにまで使えますし、とても有益なので是非チャレンジして欲しいなと思います。

弊社ではマーケティングやビジネス戦略に「Miro」などを使った共創作業を多く行っています。建設業の設計者・エンジニアの方、マーケティングやビジネス戦略にも興味があれば、ぜひ会話しましょう。


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