2021年9月12日、TSUMUGIではVR会議を導入しました。
ということで今回、外部ライターである皐月彩が、VR会議のレビューをさせていただきます!
TSUMUGIが使用しているのは『Oculus Quest 2』というVR機材。
Wifi接続することで、この機器単体でもVRが楽しめるガジェットです。
―――会議開始前の準備から
『Oculus Quest 2』を使用する前に必要なのは、安全にVRを使用するためにエリアを確保すること。従来のガジェットでは、障害物を片付けたうえで、自分の位置をしっかり自己認識する必要がありましたが、『Oculus Quest 2』では、本体自体に「安全エリア」を認識させ、その区域から出たら自動的にアプリが停止する安全装置が搭載されています。
この機能で部屋の中のエリアを設定したのち、この度VR会議にて使用するアプリケーションであるFacebookの『horizon Workrooms』を起動します。
◆紹介動画
Horizon Workrooms - Remote Collaboration Reimagined - YouTube
自分のアバターを設定し、デスクの位置を『Oculus Quest 2』に覚えさせたら準備完了です。
―――指の動き・視線の動き・口の動きまでリアルなアバター
ホストが設定したルームにログインすると、『Workrooms』の会議室に入ることができます。およそ18畳ほどの会議室の中、自分が選択した席に座って会議スタートです。
『Oculus Quest 2』に搭載されているカメラにより、身振り手振りや口の動きまで完全にリンクされたアバターのアニメーションにより、オフライン会議のように、相手の話すタイミングを察知して発言できる環境が整っているな、と個人的に感じました。
ZoomやGoogle meetsにて、プライバシーの問題として挙げられていた部屋の状況も、アバターを共有するのみで話し合いのできる『Workrooms』ではクリアされています。
プライバシーを守りつつ、人と話している感覚があるVR空間はとても不思議。慣れていないと1時間を超えたあたりで疲労感を感じてしまうので、効率的な会議を求める必要はありそうです。
―――画面共有・録画・タイムキーパー機能・などの利便性
▼画面共有やホワイトボードをよりリアルに
従来のオンライン会議と同じように、自らのPCと連携させることで、画面共有が可能。パワーポイントや会議のアジェンダを会議室内のホワイトボードに投影できます。
ホワイトボードに体を向けることができなくても、目の前に共有されている画面を、自分のデスクに表示させることもできました。
VR空間内のホワイトボードもまた、デスク上で追記・閲覧が可能なのも魅力的。多くの人が共にブレストする空間として、同時編集可能なのは、これまでのオンライン会議に革命を起こすでしょう。
▼録画・キャプチャ機能とその性能
VR機器を付けたままの状態だと、気になってくるのは「議事録を取りづらいのではないか」という問題。実際、自分のPC画面を確認するには、VRゴーグルを外したうえでの操作も求められるため、完全な議事録を取りたいという人には向かないのでは……と開始当初懸念していました。
そこで役立つのが、『Oculus Quest 2』に搭載されている画面録画・キャプチャ機能です。
音声あり、なしが選べる画面録画や、目の前に観ているVR空間を撮影すると、『Oculus Quest 2』のストレージ内に保存されます。
このサービスから他の機器にデータを移行させるには、Facebook連携し、messengerを使って会議相手にデータを送信したり、「自分にだけ公開して投稿」し、その危機でFacebookを起動し保存する手間が発生しますが、これまでよりよりタイムレスに相手に情報を送れるという点では、大変メリットがあると思いました。
それでも、文字起こしなどのコストは解決されているわけではないので、今後自動音声認識による書き出しなどの機能が追加されると、より魅力的なアプリケーションになりそうです。
▼タイムキーパー機能
VR機器を使っていて、最も懸念されるのが「VR酔い」や「眼精疲労」。
今回、筆者も一時間を超えたあたりから、体への負担を感じていました。
そんな時に助けになるのが、『Workrooms』のタイムキーパー機能。
元々設定されていた会議時間から逆算し、現在どのくらい話し合っているのか、常にホワイトボード上に表示されています。
だらだらと長い時間話し合うのではなく、あくまでも業務効率に沿った時間配分をすることで、よりオンラインで行われる会議をよりスマートで快適なものにする。
令和以降のビジネススタイルに適した機能だと、TSUMUGIメンバーたちにも大変好評でした。
―――VR会議は世界中の人と密なコミュニケーションを取れる興味深い取り組みだ
コロナ禍において、筆者も仕事の9割がオンライン会議へと移り変わっています。
多くの企業と取引をし、一度も会ったことのない状態で仕事が終わることもちらほら。
オンライン会議をして、ただ画面上にその人の顔が表示されていても、なかなか親近感が湧くような会話を成立させることは難しい、と思うのが現状でした。
おそらくそれは、ジェスチャーやその人の視線の動きが、ただPC画面を追うだけでは実感できないからなのではないでしょうか。
対して、VR会議では、ボディランゲージを見事に再現されたアバターが目の前に置かれるおかげで、、TSUMUGIメンバーとも、これまでよりより親近感を覚えてコミュニケーションができたように考えられます。
VR空間内で体の動きを同期させたコミュニケーションを取り、ゆくゆくはゲームなどではすでに導入されている握手などの接触コミュニケーションも可能にしていくことで、会ったことが無くてもより密接な関係地を気づける未来が訪れるだろうと感じました。
今後もTSUMUGIでは、VR会議を用いながら、2021年以降、最先端の技術をより面白く活用したサービスを開発できるよう、ディスカッションを続けていく予定です。