”Do challenge(好奇心をもって常に新しいチャレンジをしていこう)” ”Do drive(主体的に物事を推進し、目標に向けて積極的に行動していこう)” ”Do enjoy(仕事に楽しみを見出し、仕事を全力で楽しもう)”という3つの”Do”をValuesとして掲げているMinatoは、2018年の創業から6年。マーケティング・ECモール支援を中心に様々な企業の支援を進めてきました。会社設立の背景を紐解くとともに、今後Minatoは何を目指しているのか。代表取締役CEO・山﨑の企業への想いとこれから目指す”航路”について聞きました。
ーーまずは山﨑さんについて色々とお聞きできればと思います。これまで歩まれてきた経歴を教えてください。
大学卒業後、大手証券会社に営業として入社し、株や投資信託の営業を担当しました。その後、インターネット広告会社に転職し、海外事業部に入り、ニューヨークで経験を積みました。英語が一定話せて、営業としての能力、インターネット広告の知識が評価され、Meta Platforms, Inc.(旧Facebook, Inc.)に転職し、SNSの広告支援を行いました。その後はNetflix, Inc.のマーケティング部署に転身し、デジタルマーケティングを担当しました。2018年10月にMinatoを起業し、現在は代表取締役CEOを務めています。
「どうやったら生き残っていけるのか?」本気で考えた、”営業”というキャリアの選択
ーー日系企業から外資系企業へ転職しているのですね。それぞれどのような経験をしてきたのでしょうか。
証券会社には営業スキルを身につけたくて入社しました。学生の時、「この先、ビジネスにおいてどうやったら生き残れるのだろうか?」と考えた時、営業力を極めることだと思ったんです。営業の力をつけていく中で、本気で顧客のことを考えていたイントラ(OJTのトレーナー的存在)と出会えたことは大きかったと思います。顧客が利益を出すために何がベストの提案か常に考える姿勢、そして有言実行していくって、やっぱり尊敬できますよね。
顧客への貢献を第一におきつつ、達成したいことを明確にして、確実に達成する行動力を間近で見させてもらえたのは、すごくいい経験でした。そのおかげもあってか、「達成」とか「行動力」への考え方は、今も自分の根底にあります。
その後、広告会社では1週間で20件アポを取るくらい、圧倒的に仕事に没頭していました。やりすぎているくらい行動量が多くて、社内では「なんかやばいやついるぞ」みたいな感じになってましたね(笑)。当時、インターネット広告は市場が熱く、海外支社の立ち上げの話が出ていました。証券会社時代の営業力を軸にプレゼンしたところ、立ち上げの仲間として選ばれ、ニューヨークで挑戦する機会を得たんですよね。海外での挑戦は、自分の中で「新たな第一歩を踏み出し始めたな」、と人生の中でも記憶に残っている出来事ですね。
ニューヨークで働いていた頃にMetaのリクルーターと出会い、「日本のオフィスを拡大するから是非受けてほしい」とオファーがありました。外資は実力主義の厳しい世界なので挑戦しない選択肢を取る人がいるのも事実です。でも、自分は「せっかくの機会なら挑戦するしかない」と思い、採用試験を受けて合格しました。
Metaで働いて4年、ある程度やり切ったと思ったので次のキャリアについて考えていたところ、Netflixのリクルーターに声をかけてもらい入社しました。
ーーまさに”Do challenge”ですね。外資系企業と日系企業にはどのような違いがありましたか。
外資は圧倒的に自由な働き方で、社員個人の自発性が求められます。極端な話、自由に働ける反面、成果を出さなければ働き続けられない厳しい環境だと思います。
特に、IT環境は日系企業と比べて「めちゃくちゃ進んでるな!」と圧倒されるくらい先進的でした。社内システムは自社開発で、効率的な働き方が設計されています。バックオフィスも課題解決型で、会社全体の生産性を高めるためのフローを、ITスキルの高い人達が設計して実現させていました。
収益性を上げるために、生産性を高めてITスキルを最大限使っていく仕組みや考え方はMinatoのBAO(Business Administration Office)組織設計にも影響を与えています。
面白いことに振り切ることで、世の中はもっと面白くなる
ーー外資系企業のハイレベルな環境に刺激を受けていたのですね。そこから、何がきっかけでMiatoを起業したのでしょうか。
Netflixで2年ほど働いた頃に、次のステップを考えていました。
転職か、起業か。
元々、いつかは起業したいと思っていました。これまでの経験やキャリアを軸に、自分の人生を生きたい。そう思っていた時に、信頼できるMeta時代からお世話になっている社長に相談したんですよ。そうしたら、「今すぐ会社を作った方が良い、お前なら大丈夫だ」と背中を押してもらって、最後に一歩踏みだす勇気をもらいました。その翌日には、紹介してもらった税理士と司法書士の元を訪れ、すぐに会社を設立しました。動き出したら、早かったですね。
ーー急展開ですね。Minatoの設立で大事にしたことは何ですか。
外資での経験を取り入れようと思いました。例えば、外資は調査を元にマーケティング戦略を立てて実行しますが、日本は大手企業でも実施できていない部分だと感じ、中小企業ならなおさら戦略部分に課題があると考えました。そのため、起業初期は、Minatoがもつマーケティング領域の強みを活かすことで、各企業の課題を解決し、クライアントの成長を促進する新たな価値を提供できると考えました。
ーーMinatoのMissionは「面白そうな領域になんでも首を突っ込む」。ユニークですが、どんな想いが込められているのでしょうか。
特定の業界に限らず、面白いと感じたこと、興味があることにもっと挑戦していきたいと思っています。
Minatoは事業の領域をあえて定めていません。やっぱり、働く人もクライアントもステークホルダーも、みんな「面白い」と感じることに取り組むことが好きだと思っています。自分自身もそうですし。だからこそ、まずは自分たちが「面白そう!」と思ったことに挑戦できる環境を作りたい、と考えた時にこの言葉が生まれました。
現在も、マーケティング支援やECモール支援、M&Aなど挑戦したい領域に参入しています。まずは、自分たちの選択肢と可能性を広げ、面白いことをやりたい時にやれるようにしたいと考えています。挑戦者だからこそ、挑戦者を応援できる立場にもなれるような、そんな繋がりが持てたら面白いですよね。
面白そうなことにどんどん首を突っ込んでいった結果、経験や知識、人との繋がり、いろんな選択肢と可能性が広がっていく。そうすると、もっと世の中は楽しくなるし、良くなるんじゃないかなって思っています。
だからこそ、「自ら積極的に、面白そうなことに挑戦していく姿勢を大切にする」そういう想いがミッションに込められています。
ValuesはMinatoの共通言語 どんどん”Do”で挑戦してほしい
ーーValuesは3つの”Do”でできています。どんな背景で作られたのでしょうか。
2024年3月に、Minatoが持つべき価値観についてマネージャーたちと話し合う中でPDCAの話が出ました。その時、「自分はDoを何よりも重視している。Plan Do Check じゃなくて Do Do Do だ!」と言ったところ、「面白い行動特性だ」と気に入ってもらいました(笑)
創業者が持っている行動特性をもとにしていたら、企業文化としてミスマッチが無いと考え、”Do Do Do” のそれぞれに Do~ の形で当てはめる形でマネージャーたちの持つ資質を言語化して”challenge”,”drive”,”enjoy”の3つに決定しました。
これまでの経験上、やってみないとわからないことは沢山あります。仮説がある程度できているなら、あとはもうやるしかありません。楽しみつつも、失敗を恐れずどんどん挑戦してほしいという想いが込められています。
ーー新しいValuesになったことで、社内で変化はありましたか。
一緒に働く仲間のことをMinatoではCrew(クルー)と呼んでいるのですが、みんなに要望や意見を伝えやすくなりました。例えば、「仕事のスピードを上げてほしい」という要望も、「driveしてほしい」というように、会社の文化に基づいて共通言語として伝えられるようになりました。今までは言葉を慎重に選んで伝えていたのですが、相手に率直に伝えられ、受け入れてもらいやすくなった点は良かったなと思います。
新しいValuesのおかげで、目指したい目標に向かって愚直に実行できるようになりました。
来てほしいのは、「勝ち馬を作る」ことに価値を見出せる人
ーー2024年で創業6年目を迎えようとしています。今後、Minatoで目指したいことを教えてください。
目指していきたいことは、ふたつあります。ひとつ目は挑戦する規模、特にM&Aなどワンステージ上げてより大きな規模にチャレンジしていきたいと思っています。現在も、ECモール支援やM&Aを行っていますが、あくまで通過点だと思っています。現在展開している事業に限らず、成長性があり、自分たちが面白いと思う事業にはどんどん新規参画していきたいです。
業界も同じです。視野を広げれば、まだまだ開拓できる産業があります。面白そうな領域があれば今後も手を広げていきたいと考えています。
ふたつ目は定量的な観点から。今後3年で純資産を増やし、ゆくゆくは200億あるような状態を作りたいと思っています。M&Aも進めていくので、社内で権限委譲してCrewが経営に携わっていけるような環境を作りたいと思っています。
自分のビジョンですが、世界に数十社支社があるような会社に成長させて、海外でも勝負できるようにしたいです。
ーー今後も会社を成長させるに当たって、どんな人を求めていますか?
まずはミッションやValuesに深く共感し、チャレンジ精神の高い人に来てほしいです。これからの時代、勢いのある会社に流れるのではなく、勢いのある会社・事業を作ることに価値があります。「勝ち馬に乗る」のではなく、「勝ち馬を作る」ことに価値を見出して楽しめる人、そのために努力したい人と一緒に働きたいです。
ーーありがとうございました!