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なにをやっているのか

2019年秋、国の重要文化財の指定を受けた、切妻造桟瓦二階建の母屋(店舗)
店内には、日本を代表する芸術家 “ 魯山人”が逗留して遺した扁額に「七本鎗」の名が刻まれている。
私たち冨田酒造有限会社は、琵琶湖の最北端、長浜市木之本町で酒造りを営んでいる滋賀の酒蔵です。 創業は天文年間、480余年に渡り、清酒「七本鎗(しちほんやり)」を醸しています。 江戸末期に建てられた母屋は国の重要文化財であり、店舗としても活用しています。 地酒の「地」の部分に重きを置き、地元の契約農家さんの作る米、蔵内の井戸から汲み出す奥伊吹山系の伏流水を使い、滋賀・湖北地域の米・水・環境で醸す事に徹した「地酒」造りをしています。 ■「七本鎗」とは■ 銘柄「七本鎗」は、賤ケ岳(しずがたけ)の戦いで豊臣秀吉に勝利をもたらし天下人へと導いた、加藤清正ら7人の若武者「賤ケ岳の七本槍」に由来しています。

なぜやるのか

2016年に増築した新しい蔵。大きなタンクが並ぶ。
「生酛造り」の酛すり作業。日本の職人が作る希少な半切り桶で行う。
■なぜ「地」にこだわるのか?■ 原料である米は、地元の篤農家さんの田んぼで作られた酒米。 水は、滋賀の湖北を代表する山の一つ、奥伊吹山系の伏流水である蔵の井戸水。 素材は全て「この地」からの恵みです。 「米の国の米の酒」だからこそ、この土地ならではの味わい、湖北の風土を表現した酒を造っていきたいと思っています。 ■郷土の価値、可能性を未来につなぐ■ 酒蔵の担う役割は、単に美味しい液体を造るだけではないと私たちは考えています。 篤農家さんたちが守り続ける田圃の土壌や美しい田園風景。 雪深い湖北の自然。 古い建物を残していくことで守られていく街の景観。 こういった「この地」に纏わるものの価値を改めて見直し、光を当て、次世代へと繋いでいけたらと思っています。地酒が一つのきっかけとなり、「地域」の魅力がより多くの人に伝わっていけばいいなと思います。

どうやっているのか

物言わぬ微生物と、半年以上向き合う。
日々の地道な作業が、酒造りを支えている。
■「七本鎗」とはどんなお酒か?■ 七本鎗の軸となるのは、「この地」の恵みをストレートに表現した米の旨みです。 食中酒として、お料理と共に楽しんでいただけたらと思っています。 味わいは、クラシカルでオーセンティック。 派手さは無いけれど、穏やかに飲め進められる味わいです。 無農薬米による酒造り、在来種「滋賀旭」や「渡船」の復刻栽培、 伝統製法である「生酛造り」や「木桶仕込」にも取り組んでいます。 また、ヴィンテージを冠したお酒や熟成酒など「時」を楽しむ飲み方も提案しています。 湖北の「地」の魅力をボトルに詰め込み、お客様のもとへとお届けしています。 ■ともに働くメンバー■ 製造、出荷、バックオフィス兼店舗スタッフ、役員を合わせて15名以上のメンバーが働いています。普段は分かれて業務をしていますが、月に一度は全体会議と会議終了後のBBQで交流を深めています。自分たちのつくったお酒を楽しめる、有意義な時間の一つです。 ■木之本の魅力を体感できる職場作り■ 就業場所は、琵琶湖の北東、木之本(きのもと)にある酒蔵。 木之本付近には歴史ある神社・仏閣・城跡を始め、古い町並みが残るエリアも多くあります。 例えば、国の史跡に指定されている小谷城址もその一つ。歴史好きな方にとっては非常に魅力的な環境です。自然豊かな土地柄もあり、湖上アクティビティやキャンプ、トレッキングなど、町中から少し足を伸ばせば、たくさんのレジャーを楽しめます。 社員の中には、遠くイタリア・東京・埼玉・大阪・京都から移住した者も。 当社では他エリアから移住される方には、古民家の紹介も可能です。木之本は地域おこし協力隊なども含め移住者が多く、地域住民にも受け入れてもらえる雰囲気があるので、安心感も抜群です。