今回のインタビュー:株式会社Navd 副社長 黒木郁己
前回のインタビューはこちら:副社長の黒木に聞く「Navdができるまで」 前編
ーーこんにちは!Navdについて詳しく知りたいので、副社長である黒木さんにお話をお伺いさせていただきます。前編ではNavdの前身となったBNS創業のナラティブについてお話をお聞かせいただきました。黒木さん、今日はよろしくお願いします!
こんにちは!株式会社Navd(ナヴド)の副社長をしております黒木です。よろしくお願いします。
ーー後編ではBNSがサンフロンティア不動産とのジョイントベンチャーであるNavdとなった経緯についてお伺いさせてください。
サンフロンティア不動産とはBNS時代からホテル事業の一部を出資してもらっていたため、BNS創業初期から続く協力関係の上で相互理解、信頼関係を築けていました。当時、東京オリンピック開催に向けた日本全体を包む訪日外国人の受け入れムード醸成の影響からか外国人観光客は日を追うごとに増え、東京近郊は特に観光バブルに湧いていました。 弊社もまた、好調なホテル事業に牽引され、従業員は一気に20人程度に増え、資金調達のお話も定期的に頂くようになりました。
潮目がハッキリと変わったのは、2020年2月に全世界を巻き込んだパンデミックです。
各国でロックダウンが相次ぎ、ボーダー閉鎖、日本でも緊急事態宣言やマン防などのCOVIT -19対策が積極的に行われ、毎年3,000万人以上来日していた外国人観光客が99%減少。ホテル事業の売上は90%減少し、考え得る手段は様々に講じましたが立て直しが効かないほどのダメージを受けていました。その時点でホテル事業は、完全にスタックしてしまったんですね。
ーーコロナによって観光業界全体が大きな影響を受けましたよね。
そうなんです。ジリジリと減ってゆくキャッシュを横目で睨み、焦燥感に追い立てられながら
①「経営とは何か」と自問自答する
②「正しい経営とは何か」と模索する毎日が続き、必死でそこから抜け出すヒントを探していました。
ホテル事業が壊滅的なダメージを受けていた一方、内装設計の案件は増加して来ていました。そんな中、サンフロンティア不動産から宮古島にあるホテルのトータルコーディネート案件を受注させていただきました。
今になって思えば、この案件こそが僕が探していたヒント、それもとてつもなく大きなヒントを一気に2つも与えてくれたのです。
この時はホテル内装、インテリア設計だけでなく、Webサイトやパンフレットをはじめとしたツール制作、SNS運用、BNSスタッフの現地派遣までをも含めた施設全体のブランディング設計、企画をし提案させて頂き、その多くを採用していただきました。
この経験から僕たちのチームで出来る事はまだまだあるぞという気づきを得たんです。
そしてもう一つ、僕にとっては人生を変えるターニングポイントとも言える大きなヒントを頂いたのは、ディレクションのために宮古島を訪問した時でした。偶然にも現地を訪れていたサンフロンティア不動産の創業者であります堀口会長とお会いさせていただく機会に恵まれました。いくつかお話しさせて頂いているうちに、自分自身の事業状況について、詳しく話していたわけではないのですが、堀口会長は何かを察したように「経営のことで悩んでいるね?いいかい?経営とは従業員を守ることだよ。それが一丁目一番地なんだよ。」とおっしゃっていただきました。
ハッとしました。
それまで私は「利益を追求し続ける集団が会社である」と認識していました。しかし、そうではなく、従業員を守ることが会社の存在意義なんだと教わり、その言葉が心に突き刺さりました。
堀口会長の言葉に感銘を受けた私は「ぜひサンフロンティア不動産グループで一緒にやらせていただけませんか?」とお願いし、ジョイントベンチャーであるNavdが誕生しました。
ーーなるほど。経営者だからこそ、艱難辛苦を乗り越えて、一代でプライム上場まで成した堀口会長の言葉が刺さったのですね。そのようにしてスタートしたNavdが大切にしている価値観について教えてください。
私たちはNavdの価値観を「志」という言葉で表現しています。
【社会的価値と経済的価値を同時に高めることで、仲間を守り、物心両面の幸福を追求する。】
物心両面という意味での「物」とは「利益を還元して挑戦したい時に躊躇することなく挑戦できる環境を提供すること」を指します。
「心」とは「世のため、人のために働くことが自分の幸せと言えた時にこそ、心が満たされる。利他的な感覚を自発的に思えるように会社として共感を育んでゆくこと」を指します。
従業員が物心両面での幸福を追求することが、結果的にお客様のためになると考えています。
ーー素敵な考え方ですね。このような志に行き着いた背景についてもお伺いできますか?
それは、前述のコロナショックによって窮地に立ったことが根本にはありますね。
コロナにより、売上が減少していった当時、私には危機感があまりありませんでした。というのも、どこかでこれはアンコントローラブルな出来事であり、私に責任は無くどうしようもできないとある種楽観的な、いやむしろ諦観的とすら言える精神状態でした。
結果的に、壊滅的な状況のホテル事業、そしてコロナ禍で新規事業としてスタートした飲食業の売上低迷により、「人生が変わるほどの出会いと体験を」というビジョンを少しずつ見失っていきました。社員に対してもお金のことについて言及することが多くなっていきました。
すると20人いた従業員は一人、また一人と退社していき、最終的には半分の10人になってしまいました。
従業員が一人辞める事に文字通り身を引き裂かれる思いをし、そしてやっと自分自身に目を向ける事をしました。自分を素直に見た時に、これまでの事業での成功は自分の実力ではなく、ただ市場のアップトレンドに乗っていただけだったのだと初めて気づきました。
ーー精神的にも辛い時期でしたね。どのようにして乗り越えたのですか?
そうですね。本当に精神的にもハードな時期でした。
一方で、大切なことに気づくことができました。人を雇用することの責任、従業員やその家族、ステークホルダーの人生を背負っているのだということを自覚しました。
この経験があったからこそ堀口会長の言葉が真っ直ぐ心に刺さり「会社は利益を追求し続ける集団」と考えていた自分の価値観を一変させ、現在の志である「仲間を守り、従業員の物心両面での幸福を追求する」組織を目指すきっかけとなりました。
ーーそうだったんですね。志に込めた想いの土台を知ることができました。ありがとうございます。最後にこれからのNavdの展望について教えてください。
まず、定量的にはアセットビジネス(不動産再生)で、5年後の株式上場を目指しています。
定性的な面で言うと、これは個人的な価値観ではありますが、雇用を増やし続けることが重要だと考えています。雇用を増やすことこそが、社会への最大のお役立ちだと考えているからです。
アセットビジネスにおいては、リアルな場であれば、必ずしもホテルに限定することはないと考えています。誰かの人生が変わるほどの体験を創出する場を生んでいくことが最重要なので、オフィスを含めて、今後も様々な不動産再生に取り組んでいきたいと思います。
ーー誠実で強い信念をお持ちの黒木さんは、Navdの志そのものですね。不動産に新たな価値を生み、雇用を創出し続けるNavdの将来が楽しみです!本日は長時間のインタビュー、ありがとうございました。
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