「夏っすね!!!!」
輩(ヤカラ)が今日も騒いでいる。初夏にピッタリの元気な男と言えば聞こえは良いが、この男は秋も冬も騒いでいた。ムードメーカーという表現はちょっと古いけれど、これ以外にピッタリな表現が見当たらない。いちから株式会社の社員、「麓(フモト)」さんだ。
彼のいる「いちから」はいつも賑やかだが、最近はほんのちょっとだけ静かな気がする。
彼はいま、東京にはいないのだ。
フモトさんは、生まれは香川の小豆島、育ちは兵庫県。いちからの為に去年東京に上京したが、今はタイトルの通り中国・上海にいる。
いちからでは、「にじさんじプロジェクト(※1)」というVTuber / バーチャルライバーグループ(VTuber事務所)を運営している。その立ち上げ・運営ノウハウを使って、海外でもVTuber文化を創り、盛り上げていきたいと先陣を切ったのが今回のインタビュー相手であるフモトさんだ。
海外展開の第一人者としてフモトさんが選ばれた理由とは。
なぜ、そもそもいちからで働くことになったのか。
いちからではどんな人と働きたいか。
いちからで働きたい方、いちからと関わる仕事に興味のある方、ぜひご覧頂けると幸いです!
※1…いちから株式会社で運営を行っているVTuber/バーチャルライバー事業の名称
舞台は中国・上海。いちから・にじさんじの海外展開を進める最重要人物。
いちからが海外展開するにあたり、白羽の矢が立った重要人物・フモトさん。
ーーだいぶ久しぶりですね。もう中国の上海に行って何ヶ月ですか?
なんだかんだで2ヶ月くらいですね。今回も3日間だけ日本のオフィスに戻ってきて、また上海向かいますよ。
ーー日本にいた時は「にじさんじ」事業のマーケティングプロデューサーをやっていましたが、上海では何をやっているんですか?
いちからでは中国でVTuber事業(「VirtuaReal Project」)をやっているのですが、それの立ち上げをやってますね。何も無い状態からスタッフを採用して、オーディションやスカウトを実施して、取引先企業とバッチバチにやり合って。いま既にライバーが数人デビューしていて、今後もどんどん展開していこうと思っています。
また、既ににじさんじのバーチャルライバーとして日本で活躍しているライバーが中国での配信活動も選択出来るようにするため、契約関係や技術的サポートのプロジェクトも進行しています。
ーー実際どうですか?上海での仕事や暮らしは。
刺激的ですね。発展途上な感じも混ざっていて。先進国と発展途上国の境目みたいなところもあって、すごい楽しいです。僕は昔から、そういうところに好んで歩いて行きます(笑)。
中国は商慣習も日本とは違うところが多く、すったもんだしてはいますがチームのメンバーとガンガンやっています。もっと直接バチバチで交渉したいので、中国語も勉強してますね。
打ち合わせ中の1コマ。1日の大半をこの体勢で過ごしている。
ーー相変わらずバチバチで生きてますね(笑)。海外で働きたい、とか、いつか働くんだろうなっていうのはあったんですか?
憧れはありましたが、まさか、ですね。そもそも僕は海外に行くこと自体が今回初めてで。
ある日社長から「パスポート取っておいて」って言われたんですよ。もちろんパスポートなんて持っていなくて。ちょうどその頃というか、上海に行くまでは日本のにじさんじ事業部の目標達成や組織改善を進めていて、わりと良い感じだったんですよ。なので、「あー、やっぱり僕の頑張りに社長が感動して、海外旅行にでも連れてってくれるのかな!!」って思ってました。
そしたら突然、「3日後、上海で!」って。耳を疑いましたよね(笑)。
まだまだ人も足りていないので、今向こう(中国)でバーとかいろんなところに行きまくって採用活動をしています。1発目に飲みに行った店で日系企業の社長さんに出会って、人をつないでもらったり。日本語と中国語両方とも話せる人をターゲティングするので、留学生に声をかけたり、中国人で英語を話せる学生がいたら「日本人の留学生いない?」って紹介してもらったり。コミュニティーに入って人を採用している感じですね。
ーー バーで人を採用しているのは本当凄いですね…(笑)。そういうところが凄くフモトさんっぽいなぁって思います。テレビでたまに出てくる、破天荒な人生を送ってる兄ちゃんを地でやってる感じが。フモトさんって元々そういうめぐり合わせがあるんですか?
昔からなんですが、何か僕の話って嘘だと思われちゃうんですよ。
この前上海でナンパしたんですが(笑)、その子と連絡先交換したらタイムラインにTikTokの映像が流れていて、アカウントを調べてみたら150万フォロワーいる中国の人気インフルエンサーでした。って言っても誰も信じてくれないだろうと思って、証拠のスクショを取りましたね(笑)
社長の中学時代の同級生?にじさんじの黎明期を支えたフモトさんが「いちから」に入った理由。
社長の田角さんとの2ショット。上海で待ち合わせした2人は、この後バーで色んなことをしたらしい。
ーーフモトさんって、実は社長(いちから株式会社CEO 田角陸)と同級生でしたよね。高校が一緒なんでしたっけ?
僕はいま23歳なんですが、田角社長とは中・高と一緒でした。ただ、当時は一緒に遊びに行ったのは一回きりで、いわゆるヨッ友ってやつでした(笑)。なので、こうやって彼が社長、僕が同じ会社の海外事業部をやるとはさすがに想像していなかったですね。
(スマホの画面を見せながら)高校の頃の田角社長の写真は僕持ってますよ、これですね!ネットの海に流したいのでWantedlyに載せましょうよ(笑)
※PR担当としてのそこそこの権力で掲載しようと試みましたが、残念ながら田角さんから強めのNGが入ったため、万感の思いで非掲載としました。力至らず大変申し訳ございません。
ーーフモトさんは以前インタビューした山川さんと同じく、似た時期(2018年5月)に入りましたよね。全体会議でゴリゴリに方針会議した後、タクシーで一緒に阿佐ヶ谷の「朝まで起立しナイト」(※2)の運営に急いで行ったのが既に懐かしいです。そのタクシーの中で自己紹介をちゃんとして。僕が当時23歳で俺若いわ―ってイキってたんですが、フモトさんの方が年下だったという(笑)
まだ1年しか経ってないですが、もう懐かしいですね(笑)
2018年の4月頃ですかね?僕が当時自分でも関西で会社を任せてもらっていて。当時関西に住んでいたんですが、ある日Facebookで田角社長が「にじさんじ」をやっているというのを見て、バズってるしさぞ自信満々なんだろうと思って会いに行ったらすごく大変そうで。
僕って凄く優しいじゃないですか。(編集追記:あくまで本人談)
なので、「うーん、ならちょっと手伝おうか…?」って言ったんですよ。そしたら、気付いたら入ってましたね(笑)
ーー以前、田角さんと岩永さん(いちからCOO)にインタビューしたのですが、その時に岩永さんが入社前の人に「お山の大将で終わって良いんすか!」って言ったシーンがあったのですが、あれってフモトさんのことですよね?
そうです!あの時は記事で名前を出していなかったですが、もう言っちゃいます。あのお山の大将は僕のことですね!(笑)
会議の後に田角社長と岩永さんと何人かに連行されて、「なんか怪しいな」と思っていたんですが、経営陣に囲まれてひたすら「お山の大将っすね」「え、入社しないんですか?」って煽られて(笑)
ただ、確かにそうだなとは思って。「分かりました、じゃあ2日待ってください」って返事して、2日で関西の会社の方に話をして東京に来たという。今は完全に関西の現場は離れてますね。
僕は関西の会社の関係者にも本当に支えられていて。早く恩返しが出来れば…と思っています。
※2…2018年6月に行われたトークイベント「月ノ美兎の朝まで起立しナイト(仮)」。深夜0時半から行われた、にじさんじの人気ライバーやゲストによるトークライブ。
いちからで活躍するフモトさんの過去。面白い経験も辛い経験も、全てココでぶつける。
高校時代のフモトさん。非常に勤勉で優秀な学生だったことがわかる貴重な一枚。
ーー前から感じてはいたのですが、いちからは結構変わり種の経歴を持っている人が多い印象がありますが、その中でもフモトさんは特に変わったエピソードが多いなと思います。異国のバーで人を採用するとか、明らかにパワー強い勢だなと(笑)。
僕ってそもそも家出勢なんですよ。高卒家出勢。
ーーそんな一大勢力がいるんですか。
僕のまわり結構多いんですよ。
中高一貫だったんですが、中1の時にサッカーの為に入学します、中1で怪我します、グレます、高3まで勉強しません、嫌いな奴が頑張っててムカつくから頑張ろうと思います、理系だったけど大学に女子が全然いないらしいから文転します、模試受けたらそこそこ良くて余裕じゃんってなります、調子乗ります、センター試験でこけます、ショック受けます、次の日に神様の声で「行かなくてもいいんじゃないか〜♪」みたいな声が聞こえます(笑)、受験しに行くふりして学ラン着て家出ます、受験せず便所で私服に着替えて色んな社長さんに会いに行きます、内定2・3個もらいます、親に「働くわ」って言います、承認得られなくて家族と揉めます、勝手に住所とか保険とか携帯の名義とか変えます、家出ます、家ありません(笑)
ーー(ただ家出ただけで草)
見つかったところが起業家のシェアハウス(家入さんがリバ邸PJの参考にしたらしい)。そこで住み込みでタダで住まわせてもらいます、シェアハウスの事業の一つで塾やります、塾長になります、塾生を1年で7人から70人まで増やして地元で1番2番を争う塾になります、でも色々あって辞めます、オヤジの知り合いの方と流通系の会社をやろうと立ち上げます、新規事業でクラウドファンディングを利用しようとします、プレゼンしたらクラウドファンディング会社からスカウトされます(笑)
ーーやっぱり相当変わった経歴ですね…(笑) むかし、絵を描いて路上で売ってた話もありましたよね。
あれはシェアハウス時代ですね。イベントの運営を手伝っていたんですが、暇だったんで絵を描いて路上で売ります、意外と売れます、他のところで描いた落書きがある会社のFacebookページの背景画像に採用されます、そのイラストを見た別の会社の人からイラストレーターを紹介してくれって言われます、描きます、みたいな(笑)。
シェアハウス時代は貧乏でしたが面白かったですよ。住んでいた時に、2mぐらいのアフリカの民族楽器のミュージシャンと住んでいて、朝一番に芋虫食べさせられたとか。他にも忍者と住んでいたり、世界中を渡り歩いていた全身刺青のタトゥーアーティスト、東大の大学院で地層の研究をしていた恐竜と石のオタク、元ハンマー投げインターハイ選手でゴリゴリマッチョの凄腕整体師、…。おとぎ話みたいなエピソードが多すぎるんですよね。誰からも信じてもらえない(笑)
「ワガママ」と「ファンの気持ち」。ファンの立場になって考えられる人。それが「いちから」のメンバー。
海外チームのメンバーに何故か撮られている時の様子。社員からの信頼の高さを実感できるような気がする。
ーーフモトさんは会社にジョインしてから沢山の社員・インターン生を見てきたと思うのですが、フモトさんから見てこの会社のメンバーはどんな特徴がありますか?
これは結構明確で、「周りの見えるワガママの集まり」ですね。
いちからって自分のやりたいこともしっかりと言えるじゃないですか。会社の体制としても、いろんなセクションの人たちが「こうした方がいいんじゃないですか」って言って、それが反映されていくからこそ、みんな言いたいことを言うし。でも無茶を言って振り回している人がいるかというと、比較的そうでもない。ちゃんと自分のポジションを分かっていて、自分のできることや知見をワガママに言える人が多いんじゃないかなと。
それも、みんなが言ってることを聞くと、みんなもにじさんじに対する愛が強いのでファン目線のワガママですね。「自分がファンだったら」っていうのがまずあって、その後に続くものがある。もちろん会社には様々な事情が複雑に入り組んでいるのでできることできないことがありますが、自分のワガママを良い方向に言える環境ができているのかなと思います。
ーーこういう要素を持っていたら、「いちから」で活躍したり、自分のやりたいことに近づけたりするんじゃないかというのはありますか?
僕も面接を担当することがあるのですが、その時に重要視しているのは貪欲さですね。特にこのVtuber業界自体が黎明期みたいな時期で、会社もできたてホヤホヤで。どんどん新しいノウハウや技術を開発している中で、成長の意欲は一番大事だと思っています。貪欲さがあって、将来自分のやりたいこととマッチしていたり、そのためだったら今がんばれるって思いがあると、多分周りと気が合うんじゃないかなと。成長に貪欲な人、募集中ですね!
もう一つ挙げるとすれば、「鈍感」ですね。
良い意味で鈍感なんですよねみんな。貪欲かつ鈍感。失敗もするよねー、みたいな。ベースとして失敗しちゃダメですが、失敗してもしっかりPDCA回して次に生かしてリカバーできれば良くて。リカバーの効かせ方も自分が無能だと認められるかが結構大事だと思っていて。自分が失敗する可能性を念頭において、上司や周りに協力を得られる人。そういう人材が欲しいですね。「貪欲かつ鈍感であれ」です。
いつか、エンジェル投資家に。若者を支える存在を目指して。
中国に行ってからもSlackのクソコラスタンプとして活躍の場を広げるフモトさん。
ーー最後にいちからとは直接関係無いかもしれないですが、フモトさんが今後何を目指しているのかを聞きたいです。フモトさん個人として、ゆくゆくやりたいことはありますか?
あります。僕は30代で投資家フェーズにいきたいですね。
ーーあ、そうなんですね!てっきり、ずっと現場でゴリゴリしていたいのかと思っていました。
本当は違うんですよ。投資家の中でもバッチバチな感じではないです。意外かもしれないですが、基本的には南の島でゆるく暮らしたい人なんです(笑)
イメージは奄美大島みたいなところでのんびり暮らしていて。何かボートとかでギーコギーコしながら1日過ごしているんですよ。そこに旅に来た若者の相談を聞くんです。夢があったり、何か大きいことをやりたくてウズウズしている若者の話を聞いてあげて、「んー、じゃあちょっと電話しようか?」って言って、すげえ人を繋ぐみたいな。
ーーいわゆる「エンジェル投資家」ですね!めっちゃ良いですね!
そうです!でっかいリターンが欲しいとかではなく、今まで色んな特殊な壁に折角ぶち当たって来たのでその経験を活かし、純粋に頑張ってる若者を応援したいです。そのための準備が必要なので、今僕は頑張っています。シェアハウス時代もそうだし、もちろん今も含めて、昔から僕は本当に色んな人にお世話になってきました。次は、僕が応援する番になりたいです!
いちからには、多種多様な性格・様々なバックグラウンドを持ったスタッフが本当に多く在籍しています。多様性ある「いちから」という場で、あなたの次のステップ・キャリアを踏んでみませんか?
現在、いちからでは共に次世代エンタメ企業を創っていくメンバーを積極的に募集しています!もしいちからで働くことに興味を持って頂けたら、必要事項(プロフィール)を記載の上、ぜひご応募下さい。よろしくお願い致します!
いちから株式会社では一緒に働く仲間を募集しています