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前職は介護福祉士。1,300名中20名のコペルプラス研修講師が語る「児童発達支援」への想いとは?

今回ご紹介するのは、コペルプラス研修講師を務める、森 絢子(もり あやこ)先生です。学生時代に「人の気持ちに寄り添い、力を引き出すサポートがしたい」という想いで養護教諭・介護福祉士の資格を取得した後、介護施設で社会人としてのキャリアをスタートした森先生。

短大卒業後、「人生の終わりに寄り添い、サポートする」介護福祉士の仕事に従事した後、改めて「ケアを必要とする子どもたちを支えたい」想いが膨らみ、児童発達支援分野に絞って転職活動をしたといいます。

「2019年の入社当時、療育については知識・経験ゼロからのスタートでした」と語る森先生ですが、今では講師約1,300人の中で、わずか20名ほどが担う「研修講師」として、コペルプラスの理念や療育レッスンを、新しく講師になる方へと日々伝えていく大切な役割を担っています。

「子どもたちや保護者様と向き合う療育レッスンも、コペルプラスの療育を次世代に伝える研修講師の仕事も、かけがえのないやりがいがあります」という森先生に、療育に興味を抱いたきっかけや入社理由、仕事を通して実現したい夢などのお話を伺いました。


森 絢子(もり あやこ):10代の頃より「人に寄り添い、ケアする仕事」がしたいと福祉業界に心惹かれ、介護福祉士を経て「児童発達支援分野で、子どもに寄り添い未来を創る仕事がしたい」と2019年にコペル入社。現在は研修講師として講師の育成に携わる一方、首都圏の教室で「楽しく、明るく、子どものプラスを伸ばすコペルプラスの療育」を多くのお子さまに伝え続けている。好きな言葉は「ありがとう」。相手の想いを受け止め、照れずに「ありがとう」を言える自分でありたいと日々感じている。

#「前職は介護福祉士」という森先生。なぜ、福祉領域のお仕事を選んだのですか?

はじめまして、埼玉県草加市出身の森です。子どもの頃は自尊感情が低く、「私なんかが」と遠慮しがちな幼少期を過ごしていました。振り返ると「あの頃の自分に、良い所を見つけ、沢山褒めて自信をつけるコペルプラスの療育を届けたかった」と思います。けれど、逆に「もっと褒めてもらいたかった、自信をつけてもらいたかった」原体験があるからこそ、療育レッスンを通して「あなたはいるだけで、素晴らしいんだよ」と伝え、子どもたちの自尊感情を育む、今の仕事が天職になったのかもしれません。

自分に自信を持ちづらい一方で、「ケアを必要とする人の役に立ちたい」と思いながら、学生時代を過ごしました。子どもと関わることが好きだったので、将来の進路を考える際に、養護教諭の勉強をしながら介護福祉士の資格も取れる短大へと進学。現場実習を経て、「児童養護と介護福祉、どちらに進もう?」となった時に「人生の最期に寄り添って看取り、送り出す」介護福祉士の道を選びました。重症心身障害児施設へ実習へ行き、「医療的ケア以上に、自分は寄り添う心のケアに携わりたい」と感じたことも一因でした。

介護福祉士は、とてもやりがいにあふれる仕事でした。仕事を通して大切にしていたのは「施設側の流れに要介護者を合わせるのでなく、要介護者の想いを尊重するケア」で、これは今の仕事にも活かされています。その後、体調を崩したことをきっかけに、「これから人生が始まる子どものサポートに、福祉分野で携わりたい」と転職を決意。主に健常児を対象とする「保育」ではなく「療育(児童発達支援)」分野を選択したのは、「ケアを必要としている子どもの役に立ちたい」という想いでした。


※プライベートでは、写真撮影が趣味です! 動物が好きで、水族館や動物園に行くと、ついついカメラを構えてしまいます。

#転職活動を通して、「コペルプラスの療育」を選んだ理由を教えてください。

「児童発達支援」「療育」の背景から学びつつ転職活動を進め、他社や社会福祉法人の仕事も検討しましたが、その中でコペルプラスに惹かれたのは「出来ないことの訓練ではなく、楽しみながら特性を伸ばす」という理念と「年間2,000種類の教材を用いて、知性と感性を育む」メソッドの独自性、そして「研修の充実度」です。入社後は現場に出る前に1か月の研修期間があり、座学と実習をみっちり行いました。

とはいえ、いざ研修が始まり、研修講師のデモレッスンを見た時には「こんなことが、私にも出来るんだろうか?」と不安でたまりませんでした。それでも、「言葉を添えて写真や絵のカードを高速でめくり、ひらめきの源となる大量の知識をインプットする」フラッシュカードは、1日3時間を目標にコツコツ練習をして、1か月後には自分にも出来るように。この時は本当に、同期の存在に助けられましたね。ひとつひとつ、スモールステップで励まし合いながら技術を習得し、認定試験を経て、晴れて講師としてデビューしました。

川口教室でのデビュー後は、働きながら保育士の資格を取得しました。療育の仕事自体は初めてでしたが、前職での介護福祉士としての「人に寄り添い、ケアをする」経験を、現場で活かせていると感じます。日々お子さま・保護者様と向き合いながら、津田沼教室、草加教室などで講師を務め、2020年からは研修講師を任せていただいています。

※療育レッスンで使用する教材の一部です。テンポのいいショーのようなレッスンで、楽しみながら多くの刺激に触れてもらいます。

#現場でお子さまや保護者と向き合う時に、何を一番大事にしていますか?

コペルプラスの療育で、一番大事にしているのは「どんな時もお子さま主体」ということです。初めのうちは余裕が無く「講師側の想定したレッスンの流れに、お子さまを当てはめる」となりがちですが、それでは療育内容がスムーズにお子さまに届けられません。そうではなく「今、お子さまは何に興味があるのか?」「どうしたら、この課題に興味を持ってくれるかな?」という目線で、お子さま主体を心掛けています。

また、コペルプラスに通われる方は、お子さまも保護者様も、皆さん何かしらの「お悩み」を抱えていて、「〇〇が出来ない」「〇〇が上手くいかない」など、苦しい思いをされる機会が、健常と呼ばれるお子さま以上に多いと思います。だからこそ、私たち職員はお子さま・保護者様の素敵な所を見つけ、声掛けし、自信を付ける力となりたいですし、「コペルプラスに来ると、元気になる、笑顔になる」そういった居場所でありたいと心掛けています。

保護者様からは、よく「他の場所では、自分も子どももこんなに褒められたことが無かったです」と言われますが、皆さまのお悩みに寄り添い、お子さまの成長にともに感動し、喜び合い、暖かく見守る存在であること。それを私たち講師は大切にしています。


#研修講師として、未来の仲間に伝えたいメッセージはありますか?

講師の仕事はとてもやりがいがありますが、お子さま主体かつ、50分の中で平均20~30の課題を楽しみながらレッスンするためには、「講師側の技術」も必要になってきます。「フラッシュカード、きちんとめくれるかな?」と不安を抱える状況では、お子さま主体のレッスンは難しいですよね。講師となってからも自己研鑽は欠かせないですし、研修生のみなさんにも「焦らずコツコツ、技術を高めること」の大切さを伝えています。

とはいえ、現場に出る前に、1か月の研修期間を設けていますので、「未経験」「器用ではない」といったことは、あまり気にされなくて良いと思います。仕事をする上で一番大切なのは、「お子さまが好き」「お子さまに楽しんでほしい、喜んでほしい」という想いですね。

この仕事の「やりがい」については、語り尽くせません。「言葉が出ない」と通室していたお子さまが、療育での関わりを通して卒室時には「青い空」を歌えるようになったりと、職員同士・保護者様とともに感動する場面に沢山立ち会うことができました。

※コペルには子どもたちも大好きなオリジナルソングが100曲以上あり、人気曲の一つが「青い空」です!

ここで伝えたいのは、療育では言葉の出ないお子さまに対し、発語を促すために「言葉」の課題だけに取り組むのではなく、教室での関わりやレッスンを通して「色・歌・コミュニケーション・粗大運動・言葉遊び」といった様々な刺激を与え続けたことがお子さんの中に蓄積されていき、ある瞬間にあふれ出たということです。コペルプラスの療育レッスンは、療育5領域の「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」を自然にカバーしているんですね。

蓄積してきたものが、お子さまの中から一度あふれ出ると、そこからは自然とつながっていきます。「青」という言葉と色の概念、「空」という言葉と天気など、次々に概念がつながっていく姿に「子どもの可能性は無限大」ということを逆に講師側が教わった気もします。

「どんなお子さんにも、必ず力がある」ことを信じて、「あなたは素晴らしい存在なんだよ」ということを声掛けやレッスンを通して伝えていき、お子さまの心のスイッチを入れること。その状態で、沢山の刺激に触れ、楽しい体験を重ねていただくことが、結果的にその子どもの特性や個性を伸ばすきっかけになるのだと思います。


#森先生が療育の仕事を通して、この先実現したいことは、何ですか?

少し壮大ですが、世の中の「療育」の概念をプラスに変えていけたらと思っています。残念ながら、世の中ではまだまだ、児童発達支援スクールに対して「そんな所に通っているの?」「何か健常の子どもと違う、直さなければいけないことがあるの?」「何を訓練しているの?」といった、後ろ向きなイメージをもたれることもあります。

だからこそ、コペルプラスの療育を通して「発達に凸凹を抱えたお子さまであっても、楽しみながら凸凹の凸、個性を伸ばしていける」という明るくプラスの概念が拡がっていけば、こんなに嬉しいことはありません。そのためにも、目の前のお子さま・保護者様・研修生のみなさんに、心を込めて寄り添っていきたいですね。


【編集後記】

介護福祉士の経験を持ち、児童発達支援の仕事は未経験でありながら「ケアを必要とする子どもに寄り添い、未来を創る仕事がしたい」という想いでコペルプラスの講師となった森先生。講師デビュー後に学びながら保育士の資格を取得し、今は研修講師も務めているとても努力家の先生です。

お子さま・保護者様へはもちろん、研修生に対しても寄り添い、「相手の良い所を言葉に出して伝え、勇気づける」「その上で伝えるべきことを伝え、気付きを見守る」ことを通して、多くのコペルプラス講師誕生を後押ししています。

私自身も、以前子どもと通った療育施設に対し「出来ない事、困り事を訓練し矯正する場所」というイメージを抱いていたため、森先生の「児童発達支援のイメージを、明るく未来あるものに変えていきたい」という想いにとても共感しました。先生方・本部ともに「楽しみながら、凸凹の凸を伸ばすこれからの療育」を拡げていきたいと思います!

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