医薬系業界や医療系業界における豊富な業務経験と実績を持つ酒井 幸(さかい みゆき)さん。2024年6月に当社にジョインし、新事業である「EBM戦略部」のリーダーとして活躍をしています。
酒井さんが目指す組織のあり方や、EBM戦略部の今後の展望についてお話をうかがいました。
豊富なデータをもとに、医療の質向上に貢献する組織
――まずは酒井さんがリーダーを務める「EBM戦略部」の概要を教えてください。
行政、アカデミア、製薬などのヘルスケア業界のニーズを分析し、当社が保有するさまざまな医療データをもとに、データ利活用のコンサルティングサービスを提供する部門です。
EBMとは、一般的に「Evidence Based Medicine(科学的根拠に基づく医療)」を指しますが、当社の場合は「Evidence Based Management」の意味合いも含んでいます。すなわち、医療および医療経営の両側面から、医療の質の向上に貢献することをミッションとしています。
――EBM戦略部を立ち上げた背景を教えていただけますか?
当社は、例えばがん診療拠点病院等のDPCデータ(※)保有率が70%を超えるなど、日本国内でも最大規模の臨床データを持っています。それらのデータを用いることで、病院経営だけでなく、医療現場や患者さん、研究者、ヘルスケア業界などに対して「医療の質を高めるための示唆」が提供できるのではないかと考えていました。以前から社長を中心にデータ利活用の取り組みを進めていましたが、事業拡大の可能性が期待できることから、今回新たに部門を立ち上げる運びとなりました。
※「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法」の規定に基づき、厚生労働省が収集し管理する情報のこと
――そもそも、酒井さんが本事業の立ち上げに関わることになったのはなぜでしょうか?
実は、私はEBM戦略部立ち上げのタイミングで当社にジョインしました。それまでは、製薬会社での創薬探索研究業務や、調剤薬局における薬剤師、医薬品データベース開発会社での研究活動など、医薬業界と医療業界を行ったり来たりしていたのです。そのなかでさまざまなデータを扱う機会もありましたし、「医療の質を高める活動に貢献したい」という気持ちが強くなり、本事業に参画させていただくことを決めました。
3本目の柱となる事業に成長させたい
――医療データの利活用に関する市場感についてはどのように捉えていますか?
医療データの販売を主とするマーケットはあり、各製薬会社や医療機器会社が内製でデータ分析をしているケースが多いと思います。当社はデータ販売ビジネスではなく、ヒアリングを含め、ワンストップでアドホックな分析を提供するビジネスモデルです。ある意味、当社にはマーケットを創造していく役割も期待されていると感じます。同時に、私自身も新たなビジネスモデルを作り上げるべく、試行錯誤をしている段階です。
――新たな市場を切り拓くにあたり、GHCならではの優位性はどこにあると感じますか?
まずは何よりも、データの「量」と「質」。そして、社内に蓄積された医療関連情報の豊富さが挙げられます。当社のメンバーの大半が医療関係のバックグラウンドを持っており、各データの背景や、医療現場のニーズなどをリアルな感覚として持っている人たちが多いのです。背景知識があるからこそ、お客様の課題解決につながる分析を実現できるスキルが、当社ならではの強みだと思います。
――事業の推進にあたって、追い風となっている事柄はありますか?
日本政府が医療データの活用に関する指針を掲げるなど、医療政策や医療の質向上を推進する動きが国主導で行われていることです。国に提出された診療データを解析したうえで、医療現場にフィードバックをしていく仕組みですが、その方針は当社が目指す世界と同じだと言えます。ヘルスケア業界だけでなく、最近は介護業界などでもデータの利活用が進められていますし、当社としてもエビデンスに基づく提案を打ち出しやすい環境が整ってきています。
――EBM戦略部の今後の成長戦略を教えてください。
短期的には、立ち上げたばかりのチームをしっかりと組織化すること。そして、ビジネスモデルを確立し、安定的なビジネスを展開していくことを目指しています。そのためには、一緒に事業を進めてもらえるメンバーを増やすことが第一のミッションです。さらに、GHCは病院以外の分野では知名度もまだあまり高くないため、優れたデータを保有している企業であることを認知してもらう活動にも尽力していく必要があります。
中長期的には、さまざまな企業や機関と連携しながら、継続的に売上を確保していくこと。当社では既に病院向けコンサルティングサービスおよびアプリケーション(「病院ダッシュボードχ(カイ)」)の2つの事業が柱としてありますが、それらに並ぶ3本目の柱になるべく事業を成長させていくことが目標です。
求めるのはミッション・ビジョンに共感してくれる人材
――新たにEBM戦略部に加わったメンバーは、どのような仕事を行うのでしょうか。
最終的なゴールは「プロジェクトリーダー」を担える人材になってもらうことです。そのために、まずは当社のデータに関する理解を深めてもらいます。具体的には、データの種類や分析方法、アウトプットの実例などを、OJTを通して学んでいただきます。その後は先輩社員と一緒に案件に加わっていただき、徐々にプロジェクトのリードをお任せしていく予定です。
――メンバーのキャリアパスについてはどのように考えていますか?
各自が望むキャリア像に近づけるような支援をしていきたいと考えています。例えば、病院のコンサルティングも行ってみたいという希望があれば、データ分析の仕事と掛け持ちしながら、両方のエキスパートを目指すことも可能です。それぞれがやりたい事柄に向けて成長機会を提供し、会社としてのシナジーが生み出せたらいいですね。
実際に、GHC自体がティール組織に近い状態であり、プロジェクトも挙手性でメンバーを募ることが多々あります。縦横無尽にチームをつくり、世の中や顧客にとって利益をもたらす行動を追求していく文化がありますので、柔軟なキャリアパスが描けるはずです。
――EBM戦略部が求める人物像を教えてください。
医療系の知識や経験をある程度お持ちの方のほうが、データ活用の実感が湧きやすく、業務に対するモチベーションも上がりやすいのではないかと思います。また、扱うデータが大きいため、データ分析の経験がある方。なかでも、医療系のデータを分析した経験がある方が好ましいですね。
一方で、当社で働くうえでは「マインド」の部分も重要だと考えています。特に、ミッションやビジョンに共感してくださる方を求めていますね。私自身も転職活動中はさまざまな会社を見ましたが、GHCに入社した一番の決め手が「医療と経営の質向上に全知を傾け、医療の発展に寄与する」というミッションでした。なおかつ、それが絵空事ではなく、現場のみなさんの行動として体現されているのです。本当に医療が好きで、病院の将来を考えてコンサルティングをしているメンバーが多く、並々ならぬ“医療への思い”を感じたことを覚えています。ぜひ、同じような思いを感じていただける方と一緒に働きたいですね。
自走しながら楽しく働ける組織づくりを目指したい
――今後、どのような組織を作っていきたいですか?
メンバー全員が楽しく働きながら、自走できる組織づくりを目指しています。現在のEBM戦略部にも、コンサルティング業務と兼務しながら、新たな事業の推進に力を貸してくれるメンバーがたくさんいます。トップダウンで役割を決めるのではなく、希望する業務に自発的に取り組めるようなチームにしていきたいですね。
――さまざまな組織を経験してきた酒井さんが感じるGHCの魅力を教えてください。
部門や職種の垣根を超えて、相談しやすい風土がある点が一番の魅力ですね。経営者もカジュアルな雰囲気ですし、メンバー同士の距離も近くて、私も入社後すぐに打ち解けることができました。とても驚いたのが、互いにあだ名で呼び合う文化があることです。食事会など、みなで集まって顔を合わせる機会も多く、コミュニケーションも活発なので、働いていて楽しいですね。
――最後に、求職者のみなさんへメッセージをお願いします!
当社のEBM戦略部は、“日本一”のデータをもとに、新たな市場を作っていくフェーズの組織です。いろいろな専門性を持った仲間がいますし、病院との関係性も良く、楽しくやりがいのある環境が特徴的です。医療と経営の質の向上に向け、一緒にチャレンジしてくださる方のご入社をお待ちしています!
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