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【代表インタビュー】業界の可能性を切り拓く新たな変革に挑戦する。クリエイティブ&テクノロジーでビジネスを加速させるDXソリューションの提供へ。

60年という長い歴史がある株式会社平プロモート。長らく技術資料制作会社として自動車・製造業のお客さまをメインにサービスを提供してきましたが、ここ数年、新規事業を次々と立ち上げています。

 

今、平プロモートでなにが起こっているのか、これからどのようなイノベーションが生まれるのか。代表取締役である平知恭へ聞きました。



イノベーションの連続で、たどりついたミッション

 ――創業から今までの歩みを教えてください。

 創業のきっかけは、自動車メーカーに勤めていた祖父が始めた、日本のメーカーが海外の事業部に対して修理方法を伝えるスライドづくりでした。その事業を私の父が引き継いだのですが、新しく分解図や透視図など、修理書用のイラスト制作を始めました。最初に書いたのはトヨタ2000GTの鳥瞰図だったと聞いています。

その後、ずっと手書きだったイラストのデジタル化を始めて、そのタイミングで当時3~4名しかいなかった会社に人が増え始めました。同じ頃、デジタル化を手伝うために私も入社します。約40年前に10名程の社員数で、創業事業から一歩別の領域へと足を踏み入れた瞬間でした。 

さらにイノベーションは加速します。修理書用のイラストを書いているのなら修理書そのものをつくれば良いのではという発想で、当時まだテレビぐらい分厚かった100万円以上するMacを買って、オリジナルの技術書制作を始めました。 

技術書をつくり始めるようになって、設計担当者と会うことが増えると、クライアント社内で起こっているさまざまな問題点が見えてきました。とくに多かったのが、社内でつくられるカタログ、取扱説明書、マニュアルに設計部の意図が反映されておらず、ただ「書きやすいように書かれている」ことでした。

 そんな状況を変え、機械や道具が一番良い形で使ってもらえるようにすることは、我々が取り組むべき課題かもしれないと考えるようになり、その頃から「人とテクノロジーのいい関係を創造する企業」という今のミッションを掲げるようになりました。 

ミッションが決まってからはお客さまの課題と向き合い、我々の強みを活かしながら新しいソリューションを次々と生み出していき、今のようなサービスラインナップになっていきました。

絶え間ない変革と成長を乗り越え、広がるサービスの可能性

 ――もともとは大手自動車メーカーやサプライヤー向けの技術資料提供がメイン事業でしたが、ここ数年で新しい事業をいくつも立ち上げています。60年近くの歴史ある会社がどうして今、変革期を迎えているのでしょうか。

 創業以来ずっと続けてきたように、社会からの要請に応え続けた結果として、今のような事業の広がりが生まれたというのが実態です。今世界中で起こっているデジタル化や多様化の流れから、お客さまからの要請が変わり、自然と我々のやるべきことも変化をしてきました。

 根底には、ありがたいことに長年の実績からお客さまに信頼いただいていることがあります。「こんなことできない?」と相談をもらい、我々としては「できない」と言うのが悔しくて「とりあえず、やらせてください」と答え続け、事業領域も会社の規模も拡大しました。

 たとえば、今提供している業務標準化・マニュアル化の支援は、とある相談がきっかけで始まりました。

 その会社さまが我々のことを知ったのは設計ツールのユーザー会がきっかけでした。ツールの特徴や使い方を我々から複数の会社さまに向けてレクチャーをさせていただきましたが、後日、参加企業のうちの一社から会いたいとオファーをもらったのです。

 話を聞くと日本で鉄道車両をつくっている会社で、同じ車両をアメリカでつくるサポートをして欲しいとのことでした。相談をいただいたときは完璧なマニュアルをつくれば解決すると思っていましたが、実際に現地を訪れると、現場の人たちが設計部の資料を無視して、勝手に進めていることがわかりました。

 設計部の技術書通りにつくらなければ車両は完成しません。しかし現場の技術がなくては、やっぱり車両はつくれません。そこで我々は、マニュアルをつくるだけでなく、工場内の交通整理といったコンサルティングに近い業務までサポート範囲を広げました。

 設計部でつくった技術書を持って現場の人たちを説得し、もらったフィードバックを持って今度は設計部の人たちを説得する、ということを繰り返すうちにだんだんと両者の間で信頼が芽生えていきました。そうなると、お互いが相手の仕事を尊重し合いながら建設的な意見交換ができるようになり、無事に当初予定していた車両づくりができるようになりました。

 このときの経験が、今の提供サービスに大きな影響を与えています。同じように、今提供しているすべてのサービスは、お客さまが実際に抱えている課題をなんとか解決できないかと頭をひねった結果、生まれたものばかりです。


技術資料制作会社から、クリエイティブ×ITテクノロジー・カンパニーへ

 ――これが新しいサービスに繋がっていくのですね。

 今は、創業以来積み上げてきた技術や経験を活かして「クリエイティブ×ITテクノロジー」をテーマに、これまでよりさらに大きな課題を解決するサービスを展開しています。

 たとえば、映像・インタラクティブコンテンツの制作を行う「マーケティングコミュニケーションサービス」。実写撮影・3DCG・イラストを用いた映像企画と制作を通じてお客さまやそのステークホルダーとのコミュニケーションを加速させます。

 他にも、バーチャルトレーニング教材の作成・環境構築を行う「XR Learning」、仕組みづくりだけで終わらず運用による課題解決までを提供する業務標準化・マニュアル化の支援、中小企業に特化したDX推進のサポート、AIによる行動予測で介護施設利用者に安心を提供する医療・介護アプリケーションの開発など、最新テクノロジーを駆使したサービスを多く手がけています。

 今後もさらなる社会課題解決に向け、変わり続ける市場のなかで、我々の強みを活かしたサービスの開発・提供を続けていきたいです。

テクノロジーの力で、誰でもやりたいことができる世界に

――最後に、今後の展望を教えてください。

 直近は「ワクワクしよう ワクワクさせよう」というキーワードを掲げ、変化する社会の要請に応えながら、我々もお客さまもワクワクするようなサービスの展開をし続けていければと思っています。とくに自動車やヘルスケア分野には、大手メーカーではカバーし切れない課題が多く残されていて、わたしたちのような特異な存在が求められていると感じています。

 今ちょうど取り掛かっているのが、新しいBtoCサービスの開発です。これまでの我々のサービスはBtoBがメインで技術者の方々と関わる仕事が多かったです。しかし、我々の強みのうちの一つは、難しいテクノロジーを誰にでもわかりやすく伝えられるところです。そこで、技術について知見のない一般の人たちでも、テクノロジーを活用できるサービスがつくれないかと考えています。

 そのために、さまざまな実験的取り組みをおこなっています。たとえば、サンデーレーサーやこれからレーサーを目指したい方を対象にした、心拍数の計測・解析や、運転技術の指導です。パフォーマンス解析には実際の走行ログやドライビングシミュレーターを用い、データに基づいた本格的な指導方法にトライしています。レーサーたちの技術向上が実現できれば、そのノウハウをベースにして、一般ドライバーがもっと安全に運転できるテクノロジー開発につながると思っています。

 我々が開発したいサービスはドライバー向けに限りません。最終的には、誰であっても専門知識や特別なツールに囚われることなく、自分のやりたいことができる世界をつくれればと思っています。

 今後も、あらゆる人がこれまでできなかったことができるようになる、欲しかったものが手に入る世界づくりに貢献していきたいです。


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