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三越伊勢丹が作る“マニア”コミュニティの可能性(前編)

こんにちは! アイムデジタルラボ 採用広報担当です。

今回は、2020年にスタートした新規メディア事業の取り組みの一環で、新規事業「コミュニティサイト」を立ち上げたメンバーのインタビューをお届けします。

オンラインコミュニティへの取り組みは2021年から開始し、2023年には大きくリニューアルをしています。前編では、2021年から開始したオンラインのチョコレートコミュニティ「ツール・デュ・ショコラ」の構想から成果について話を聞きました。ぜひ、最後までご覧ください!

始まりは、三越伊勢丹ならではの「新しいメディア」

―― お二人のこれまでの経歴についてお聞かせください

土屋:学生時代はジャーナリズムとデザイン工学を専攻したのですが、生涯を通じて「メディアづくり」を探求したいと考えていました。大学院卒業後、あらゆる方面のライフスタイル商材を扱う百貨店は、新しいメディアを創造する可能性のある場だと感じ2016年に三越伊勢丹に入社しました。

入社後1年間は婦人服売り場で販売を経験。2年目からIT戦略の部署で三越伊勢丹アプリの立ち上げやプロダクトオーナーを担当し、5年目に今回のコミュニティサイトを立ち上げました。アイムデジタルラボにはこれまで2度、出向兼務しています。

松田:私は2019年に三越伊勢丹に入社し、半年間婦人服の販売をしていました。その後デジタル事業部に異動してECサイトのリニューアルや運用を担当し、2022年には情報システム統括部に異動し今に至ります。アイムデジタルラボには2021年から兼務という形で関わっています。

ーー「コミュニティサイト」は、どのような経緯で始まったのですか?

土屋:社内のアントレプレナー制度を活用し、新しいメディアを作りたいと経営層に提案したことが始まりです。入社当初からイメージしていた「三越伊勢丹」と「三越伊勢丹に関わるプロフェッショナル」がユーザーと繋がるようなメディアです。

当初は、動画を作って配信するものを想定してスタートしました。立ち上げたYouTubeは今でもオウンドメディアとして運用していますが、どうしても一方通行になりがちです。何か、三越伊勢丹ならでのメディアが作れないかと考えたのが「コミュニティサイト」です。三越伊勢丹のお客さまが自分の「好き」を表現できる場で、そこがプラットフォームとして起点となって、新しい情報を発信するメディアになると考えたんです。

松田:土屋さんからコミュニティサイトの構想を聞いたとき、とてもいいアイデアだなとわくわくしましたね。私自身は今年の4月から携わっています。

ーー第一弾のテーマとして、なぜチョコレートが選ばれたのですか?

土屋:2020年に立ち上げるとき、コミュニティのテーマは、お客さまに参加いただけるか、三越伊勢丹としての優位性はあるのか、共感してくれる担当者はいるのか、継続的に運営していけるのかといった様々な観点から検討しました。

現場との意見交換も重ねた結果、三越伊勢丹の最大の優位性は「上質な買い物体験ができるリアルな場があること」だと考えました。そこで、三越伊勢丹で年に1回開催される「サロン・デュ・ショコラ」という大規模なチョコレートの催事に注目しました。サロン・デュ・ショコラは、日本中のチョコレート好きから注目されているイベントで、多くのブランドが出店します。ここであれば、お客さまが自らの「好き」を表現してもらえると考え、コミュニティサイトには「ツール・デュ・ショコラ」と名付けました。

百貨店の現場を巻き込み、アイムデジタルラボと協業。構築開始から約1ヵ月でローンチに成功

ーー初期段階では、どのような課題がありましたか?

土屋:コミュニティサイトへの漠然とした自信と期待はありましたが、具体的なコンテンツや効果については見えていませんでした。そこで松田さんに壁打ちの相手をしてもらいながら、抽象的なアイディアを具体化していきましたね。

同時にサロン・デュ・ショコラのバイヤーや、ウェブサイトの担当者など、関係者とインタビューやワークショップを重ねて、コミュニティのビジョンやお客さま像を明確にしコンテンツ内容を考えていきました。

ーーその後、どのように取り組みを進めましたか?

土屋:関係者も、チョコレート市場を盛り上げたいと強く願っていることがわかり、ビジョンを共有できたことは大きな収穫でした。一方で、コミュニティを盛り上げるための方法が具体化しきれない、という感覚もありました。

そこで、コミュニティサイト向けのSaaSを利用して、早期に立ち上げることにしました。まずは少しでも形にして動かしていくことを優先させて、やりながら学ぼうと考えたのです。

ーー大変だったことは何ですか?

土屋:時間とリソースが限られており、その中で形にするのに苦労しましたね。システムの決定が10月、イベント開催が1月末とスケジュール的には非常にタイトでしたが、関係者の努力もあって、11月中には試験導入、12月にはローンチできました。

松田:SaaSを利用するとはいえ、ログインには三越伊勢丹の会員IDを用いたシングルサインオンを実現する必要がありました。ここはアイムデジタルラボのエンジニアがサポートすることでスムーズに進んだと思います。

マニアユーザーがコンテンツを生み、一般ユーザーの購買行動を変化させる「マニアコミュニティモデル」

ーーコミュニティサイトをオープン後、どのような成果がありましたか?

土屋:想定通り、チョコレートを愛する購買力の高いお客さまが集まりました。

具体的な成果でいうと「ツール・デュ・ショコラ」に参加しているお客さまの購入額は、参加していないお客さまの2倍でした。さらに、コミュニティ内でアクティブなユーザーほど購買額が高いこともわかりました。

また、2020年、2021年と運営していったところ、2年目の方が購買額が上がっている傾向にあることもわかりました。コミュニティサイトがあることで購買行動がアクティブになることもわかりました。

ーーユーザーの購買行動は、具体的にどのように変化したのですか?

土屋:コミュニティ内では、少数ながら積極的にチョコレート情報を投稿してくれるユーザーがいるんですが、他のユーザーは、その投稿に影響を受けてチョコレートを購買するという行動が見られました。この現象を私たちは「"マニア"コミュニティモデル」と呼ぶようになりました。

松田:世の中に情報が氾濫しているからこそ、情報を発信してくれるマニアの口コミは大変信頼性が高いものとして受け入れられていること、一方で、マニアの方々にとっても投稿に反応があることへの満足度が非常に高いものになっているということがわかりました。

土屋:マニアは「Giver」な方が多く、熱心に投稿し質問にも答えてくださいます。ただ、それだけでは親切心を消費することになるので、三越伊勢丹だからこそできるような体験、たとえばチョコレートの展示会への特別招待をしたり、投稿数に応じたバッジを付与するなど、マニア心をくすぐるコンテンツや機能を提供しています。

2023年に、新たなコミュニティサイトを開発

ーー今年になって、新たなコミュニティサイトの開発に取り組んだのは、なぜですか?

土屋:2020年から3年間の運営を経て、三越伊勢丹らしいコミュニティの形が見えてきたことで、当初のSaaSではやりきれないことが増えてきました。そこで、改めて自分たちが欲しいコミュニテイサイトを開発することにしました。特に重視したのは、同時に複数のコミュニティを展開することです。

松田:新しく作り直す上でも、やはり、スピード感は重要です。ゼロから作り直す必要はないだろうと考えました。三越伊勢丹らしいコミュニティサイトの形を考えたとき、「記事を投稿をする」とか「記事を見る」という基本機能は同じです。一方で、ユーザーとの繋がり方や、複数のコミュニティをどうやって見せるべきかは百貨店ならでの独自性があると考えました。

後編では、新たなコミュニティサイト開発の裏側をお伝えします!


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