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我々は時代の大きな変化点にたっている

1月10日、昨年に続き、至善館は、IESEビジネススクール(スペイン)・国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンと共催でフォーラムを開催しました。「サステナビリティとウェルビーイング時代の企業価値を再考する」と題されたこのイベントは、虎ノ門ヒルズフォーラムにて約200名の参加者を集めて行われました。冒頭、IESE学長であるフランツ・ホイカンプ教授が挨拶に立ち、持続可能なビジネスの実践、株主至上主義が人気を博した事例などを通して、複雑なプロセスを単純化しすぎることの危険性、そして人間や企業の行動を測定できる新しいモデルの開発のための「common good」の概念について紹介しました。

基調講演では、元・富士ゼロックス社長、国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン代表理事である有馬利男氏が、故コフィ・アナン国連事務総長の4つの取り組み(グローバル・コンパクトの設立、企業を動かす仕組み(ESG、SDGsなど)の導入など)を紹介しました。また、有馬氏は、コーポレート・ガバナンスにおけるウェルビーイング実現のための考え方や実践経験について、自身の実体験を紹介しました。有馬氏のスピーチに続いて、トヨタ自動車チーフ・サステナビリティ・オフィサーの大塚友美氏が登壇しました。これまで、トヨタの変革の最前線に立ってきた大塚氏は、トヨタが現在進めているサステナビリティへの変革と、その過程で直面する課題について語りました。至善館の学長 兼 理事長の野田智義からは、企業が価値創造をどのように再定義できるかについての自身の考えを紹介しました。野田のスピーチを出発点とし、その後、ホイカンプ教授、大塚氏、野田教授、そしてバルセロナから遠隔で参加したIESEのInstitute for Sustainability Leadershipアカデミック・ディレクターであるファブリッツィオ・フェラーロ教授による、パネルディスカッションを通して、さらに深い議論が行われました。


30年続いた株主至上主義の時代は終わりましたが、それに代わる新しい枠組みはまだあらわれていません。私たちは、企業による価値創造と、経営者の役割と責任を再定義する必要があります。まだ明確な答えはなく、世界中で議論が続いています。今回のフォーラムが、その答えを見つける一助となることを願っています。

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