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SocialGoodの特許取得と、新卒時代の三井物産への志望動機が同じだったという話(つまりはConnecting the dots )

Photo by Dara Keo on Unsplash

本記事はTachiage様による当社代表高岡に対するインタビュー(2019年3月27日)を転載したものです。

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SocialGood Cashbackで資本主義の問題を解決し、広く一般の人が幸せになる世界を創る

Social Good Foundation株式会社 高岡壮一郎社長

富裕層を対象にしたサービスを提供するあゆみトラスト・ホールディングスの代表を務めながら、昨年Social Good Foundation株式会社 を設立した高岡さん。富裕層だけが資産を増やし、経済格差が広がり続ける現状を変える挑戦について詳しく伺いました。

人物紹介:小林

旅行と映画が好き。お気に入りの映画のロケ地巡りをするために貯金している。

人物紹介:高岡壮一郎 社長

起業家であり投資家。東京大学卒業後、三井物産の投資審査部門勤務を経て起業。AIとブロックチェーンの技術革新を促そうと、次世代の起業家を応援するファンドの運営も行っている。

大学卒業後、大企業へ就職

グローバル金融の分野は、大学時代から勉強されていたんですか?

三井物産に入って投資審査部門に配属されて、そこで学び始めましたね。

就職先に三井物産を選んだのはなぜだったのですか?

大学時代にインドに旅行したときに、とても貧しい人を見たので、そういう経済格差をなくしたいと思って。インドでボランティアもしたのですが、自分1人の力だけではどうにもならず。組織力を使って自分の力をレバレッジできればと思いました。国際的な巨大な企業に入ったら発展途上国にいっぱい工場とか作れて世界の格差縮小に貢献できるかなと。それで、東南アジアに飛ぶつもりで、三井物産に入ったんです。入社したら、東京の海外投資の審査部署に配属されました。

海外審査ってどういうことをなさるんですか?

総合商社は食料とかITとかいろいろな事業ドメインに投資をしていて、その投資について会社の経営陣が判断するのですが、その意思決定をサポートする部署です。

印象に残っていることはありますか?

当時IT企業が伸びていたので、三井物産と大手の何社かで資本金が大きなネット系の会社を作ったのですが、創業まもない数人のベンチャーにあっという間に負けたんですよ。資本金があって歴史もあって、人数が沢山いても、全然ダメで、結局、顧客に向き合ってひとつのこと真剣にやってるベンチャーが勝つんだなっていうのは、この時に分かりましたね。

社会を良くする仕事を自分で立ち上げる

三井物産から独立するきっかけはなんだったんですか?

最初インドに行った時は、格差をなくすための大きい仕事、国際的な仕事をするためには、大きくて資本金もたくさんあって伝統のある会社に入らないといけない。そういう会社じゃないと社会を良くする仕事ができないと思って三井物産に入社したんです。

でもその事例を見て、インターネットがあればレバレッジが効いて、何万人・何百万人相手のサービスができるんだ。インターネットビジネスで世の中を良くできるんだと思って、それでアブラハムグループ(現:あゆみトラスト・グループ)を創業しました。

その時にフィンテックの分野を選ばれたんですよね。富裕層を狙ったのには理由があるのですか?

当時大企業に勤めていた大学時代の友人たちと、ワンルームマンションで作った名も無い会社なわけですから、まずはターゲットを絞るしかなかったわけです。そこで、小さい会社でも大きなインパクトを出すには?と考えて、富裕層をターゲットにしました。

というのも、経済活動の約20%は人口上位1%の富裕層が担っているので、ここを狙えば、社会的インパクトが出ると。富裕層が欲しいものを提供する中で、資産を増やしたいとか守りたいという需要があったので、そこから金融業者の登録を取って投資助言事業を拡大していきました。

富裕層とかフィンテックの領域が今後伸びていくって確信したのはいつだったんですか?

ネットが伸びることは、すなわち情報が低コストで広く行き渡るってことですから、情報を扱う金融の世界が変わることや、金融とITはそのまま一緒になって伸びていくなっていうのは、創業した2005年の初めからわかっていました。

立ち上げた富裕層向けの投資助言会社アブラハムプライベートバンクは一度業務を停止したことがあったと思うんですが、それは何が原因だったんですか?

リーマンショックがあった当時、富裕層は下落相場が来ても大丈夫な金融商品を探しました。そのニーズに対応するために、世界を調査したらパフォーマンス実績が良好なヘッジファンドというものがありました。そしてそれは日本国内の大手銀行や証券会社では取り扱われていませんでした。理由は、日本の銀行や証券会社は自分の系列の子会社が作った投資信託を売る方が儲かるので、海外の優良なファンドを投資家に薦めると損だったからですね。

そこで、日本の銀行や証券会社から見たら脅威になるけども、投資家目線では喜んでもらえる海外ファンドを日本の富裕層に紹介する事業を投資助言登録を取得して開始しました。アブラハムプライベートバンクという会社で、富裕層向けだけではなく、「いつかはゆかし」というサービスで一般投資家向けにテレビCMも業界初で打ちましたね。

この事業は、金融のルールを定める金商法が2007年にできて、うちはそれを確認した上で、大手法律事務所と相談の上、2008年にビジネスを始めたのですが、2013年頃にいきなり同業者10社が業務停止になりました。アブラハムプライベートバンクも含めてです。

スタートアップって顧客の要望に合わせてどんどん伸びていくのですが、規制は昔のままになっていたりするので、後からそれはダメってなる場合があるのです。最近ですと、仮想通貨交換業者の過半数が行政処分を受けていますが、それと同じ状況かもしれません。

結構大きい規制だったんですか?

業界全体に影響を与える大きい規制で。当時は、投資助言業と、金融商品販売業の定義が法令上に明確では無かった中で、その線引きが急になされた形で、投資助言業者全体が大騒ぎになりました。そのような中、自分たちはちゃんと金融庁と話をして、どうやったらいいか話をまとめて業務を6ヶ月後に再開させました。業態を少しモデルチェンジして、ヘッジファンドダイレクトという商号に変えて、リスタート。同業者の中でちゃんと再開できたのはうちだけでしたね。

そこからまたコツコツとまた実績を積み上げて920億まで投資助言額を伸ばしてきました。そのあたりの経緯は、2017年に書籍「富裕層のNo.1投資戦略」(高岡壮一郎著 綜合法令出版)の中でコラムとして書いていて、その全文は出版社サイトでネットで無料で読めるようになってます。(https://sogohorei-books-wealthinvest.com/

フィンテック分野で起業したい方から、参考になったという声も頂いていますね。

富裕層に向けたビジネスから、より多くの人に向けたサービス提供への転換


起業して 10年以上経ったんですね。そこでやりながら気がついていくのですが、私が命がけで、お金持ちをひたすらお金持ちにしても、ほとんどの人が貧しいままなんですよね。だんだん、それでいいのかなと。

創業した当時は、富裕層を相手にして経済を活性化したら、小さい会社であっても世の中全体を経済活動として活性化できる、社会的インパクトを出せると思ってビジネスしてたんですよ。それはいわゆる、トリクルダウン効果と呼ばれている論理ですね。

それが現実は、世の中はお金持ちだけしかもうお金持ちにならない構造になっていて、格差がすごい広がるようになって。それこそ、大学時代にインドに行って貧困が悲惨だなって思った状況とあんまり変わってないし、富裕層がどんどんお金持ちになる一方でそうじゃない人が増えすぎて、閉塞感が社会全体にあるなっていうのに気づいて。
もともと、「ゆかし」という富裕層向けのSNSをやっていて、富裕層が活動する度にポイントがたまって、その一部をWWFに寄付するみたいな仕組みをつくっていたのですが、100円寄付するのに400円も銀行手数料がかかるみたいな中で、なかなかワークもしなかったこともあり、試行錯誤を続けていました。

そのような中、2017年くらいですね。ブロックチェーンの技術とAIの技術がこなれてきて、ゴリゴリの技術者ではない私でもユースケースがわかるレベルまでに技術が成熟してきて。ブロックチェーンとAIを使ってお金の流れを変えれば、富裕層じゃない一般の人たちもお金持ちになれるような仕組みを作れると思って、それで、そのアイデアをブロックチェーンやAIに関する特許技術として色々出願しつつ、社会を良くすることを事業目的とするSocial Good Foundation株式会社を立ち上げました。

それが社会貢献型のエコシステムを創るのですね?

そうです。資本主義って、企業がモノを売りますよね。それに消費者がお金を払って、企業はお金を配当として株主に返しますよね。グーグルやアマゾンのような国際企業は節税対策が上手であまり税金を払わないから、パブリック・セクターに流れるお金も減っていて。それにパブリック・セクタ―に流れたお金も非効率で、本当に適切に社会に再分配が行われているかどうかと言われれば、政府に対する多くの人の不信感もある。

結局、世界の何億人もの人が一部の大企業にお金を払って、株主までお金が流れて、そこがお金の終点で。世の中の広く富が還元される道が途切れてしまっているのが現代なんですよ。

資本主義って400年前にできたんですけど、もともと、お金持ちがさらにお金持ちになるシステムです。資本が再生産されて資本を創るので。だけど、それを否定して、資本主義がダメで社会主義だの革命だって考えはナンセンスですよね。だから、資本主義の枠の中で、この社会的課題を解決しなければいけないのですが。

解決策はなかなか見つけづらいんですね。

そう今年のダボス会議とかで話題になりはするが、実際の解決策はなかなか見つからない状況でした。

そこで、この社会的な課題の解決策として、自分がブロックチェーンとAIで世界のお金の流れを変えればいいのかなと。個人が企業にお金を払う、配当になって株主だけは儲かる。でも社会にお金は回らないっていう、この分断された流れを変える仕組みを創ってみようと。それがSocialGoodエコシステムです。具体的には、消費者が買い物をするとキャッシュバックでSocial Good という暗号資産(トークン)がもらえる、それを持っていると自動で資産価値が上がって、購買力が増えて、さらに金持ちになるという仕組みを考えました。簡単にいえば、世界中の消費者を、資本家の立場にしようということですね。

そして消費活動の1%が自動的にAIで社会貢献団体に寄付される仕組みにしています。寄付先はみんながSNSで「いいね!」するところです。それをAIがアルゴリズムで自動的に判断して、みんながWWFが良いと思ったらそこに行くし、女性の人権問題が大切だと思ったら、そういう団体に寄付が行くということで、集合知で社会を良くできる経済圏を作ることができる。

それは誰でも参加できるんですか?

誰でも参加できます。いくら社会を良くしよう!と私がいっても、それが自分に何のメリットがあるのか?とみなさん思うわけじゃないですか。だから、「買い物するだけでお金がもらえて褒められるサービス」のSocialGood Cashback(ソーシャルグッド キャッシュバック,現在のSocialGoodApp)というサービスをリリースしました。

https://socialgood.inc/

どんな人でも買い物したらアドレナリン出るし、お金がもらえたらドーパミンが出て、寄付したらオキシトシンが出るんですね。なので人間の脳に直接刺激を与えるような人種や国籍を問わないサービスを作って。このキャッシュバックサービスを入口として、このエコシステムに入ってくれる人を増やして、永続的に、社会を良くしていくわけです。

対象地域っていうのはどこなんですか?

もうグローバルで。いまはAmazonやAppleと連携していて、そこで買い物したら暗号資産SocialGood もらえるのですが、Amazonがあればだいたいどこの人も買い物ができるんですよ。AmazonとAppleで買い物したら最大で20%キャッシュバックもらえます。

その暗号資産SocialGoodは もらったら、各国の仮想通貨取引場で現金に交換できるという仕組みです。その上、いろんな社会貢献が行われたり、寄付される。寄付をするのは当社ですね。ブロックチェーンなのでどこに寄付したか明確で透明性があるわけです。

ちなみに100円を貧しい国に寄付するだけで、失明しそうな子供の目が治る薬の何人か分になったりするのですが、日本から500円をバングラディシュに寄付しても銀行に400円の決済手数料を取られて100円しか貧しい人の手に渡らないとか、そういう理不尽なことも無くなるわけですね。

今後はAmazonとAppleだけでなく、提携先は増えていくのですか?

はい、いまはインドやインドネシアの大手ECとも提携してますし、どんどん増やしていって世界最大のキャッシュバックプラットフォームにして。キャッシュバックをポイントで貰えるサービスが巷にはありますが、あれはポイントを現金に交換すると15%ほど手数料を取られたり、時間がたつとポイントは消滅して100%マイナスになったりします。ですから、「消えないで、かつすぐに現金に変えれる暗号資産」でキャッシュバックする方が消費者にとっては経済的メリットがあるわけです。

新しい仕組みを作って、すべての人を幸せに

SocialGood Cashback サービスで解決したい問題はなんですか?

ダボス会議でも話されているような、資本主義そのものに内在している問題、社会的な格差問題を、ブロックチェーンとAIで解決していきたいですね。

解決した先のゴールはどこですか?

ゴールはみんなが生活に困らずに幸せになることですね。今だともう、GAFAにお金を取られる一方で諦め感とかないですか?なんかもう、勝ち目ない気しませんか?自分がもし株主じゃなくて、お金持ちじゃなかったら、生まれたら一生、企業にお金を払って終わりで。いま、たまたま株主でいる人だけが、どんどん儲かるんですよ。世界のほとんどの人は消費者じゃないですか。その人たちにアップサイドというか、経済的に豊かになれる、資本家になれるチャンスを与えたくて。

どんな人でも買い物はするんですよ。普通買い物したらお金は減るんですけども、買い物すればするほど資産が溜まるっていうところに、どんな国の人でも、どんな金融リテラシーの人でも、SocialGoodを保有することで資産家になれるチャンス、とっかかりが作れる入り口になるかなと思って。

世界のグローバルエリートであるヘッジファンドは、富裕層がさらにお金持ちになっていく仕事をしていて、私はそのようなヘッジファンドと日本の富裕層を繋げる仕事をしています。それはそれで良いのですが、もっと広く一般の人が幸せになれるようなお金の流れを作りたいっていうのが今やってるところです。

知識がないと、ブロックチェーンって聞くと難しくて壁を感じてしまうこともあると思うんですが…。

SocialGood Cashbackでいうと、誰もブロックチェーンだとは気づかずに、「買い物するだけで、お金くれて褒められるサービス」としか認識されないです。

わかりやすいですね。

そういうものだったらとりあえず、スマホでここ(スマホを指す)見てみるじゃないですか。これ見てApple行ったり、これ見てAmazon行ったりすればキャッシュバックもらえるし、今後コンビニとかと提携して、コンビニで買ったレシート写真撮ったらお金入ってくる。それなら抵抗感もなく使い始めやすいですよね。

ユーザーが求めてるものは、お金をもらえることと、他人からいいねされることの2つなので、その2つを提供することで、このエコシステムに入ってきてもらって、世界中に寄付が行き渡るようなエコシステムを実現したいなと思っています。

社会にインパクトを与えていきたい


会社の今後だけでなく、ご自分の今後やプライベートでこうなっていたいという姿はありますか?

どうですかね。子どもが3人いるので、普段は子どもと遊んでます。彼らが健康だったら別に良いです。

自分は会社経営者なので、会社の成長を通じて社会にインパクトを与えたい以外にほとんどプライベートなことには関心がないですけどね。うまいもの食べたり、贅沢して、というのはハッキリ言ってすぐ飽きましたよね。
最後はやっぱり社会を良くして死んでいこう、みたいな。だから個人と仕事で、やりたいことは一緒なんですけどね。

去年スタートアップに投資するファンドを設立されているじゃないですか。それも思いとしては、社会を良くしようというところですか?

それは自己資金の運用なんですが、新しい起業家を応援したいなっていうのと、AIとブロックチェーンの技術革命を促進したいっていうのがありますね。

投資先を決める時に見る観点としては、社会貢献性が強いですか?

社会インパクトっていうか、この人がいなかった時代といた時代で何が違うのかなって思っていて。私は自分がいなかったら、ヘッジファンドダイレクトはできてなくて、その会社がなかったら、日本の富裕層が海外の一流ヘッジファンドを簡単に買えなかったわけだから、そこにやりがいがあります。

ソーシャルグッド キャッシュバックに関しても、大きなことを言わせてもらえば、このままでは資本主義がどうせ行き詰まるので、そこで自分がいたことで、人類の歴史が変わったら良いなと思ってやってます。これはあくまで私の例であり、その他にも社会に貢献している起業家はたくさんいます。起業するのであれば、社会を変えるインパクトのある今までの類のない画期的な事業を立ち上げて欲しいですね。

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