私たちウェブフロンティアは、創業当時より、何よりも技術にこだわり続け、モバイル、エンベデッド領域へと技術の幅を広げ、IoT領域への強みを持つ技術者集団です。現在では、AI、ブロックチェーン、DXプラットフォームなど、先端技術領域にも積極的にチャレンジし、技術者集団として更なる成長を目指しています。
今回は村上社長にインタビューを実施。創業から現在までのストーリーや、ウェブフロンティアの未来について語っていただきました!
【プロフィール】
村上 健太(むらかみ けんた):代表取締役。大学(法学部法律学科)卒業後、Webシステム開発エンジニアとして3年半のキャリアを積んだのち、2005年9月株式会社ウェブフロンティア創業。エンジニア出身である自身の経験を踏まえ、「人財」を第一に社員が働きやすい環境づくりに邁進している。
夢は「ランドマークタワー」にオフィスを構えること
――村上社長のこれまでのキャリアを教えてください。
新卒でとある中小企業に入社し、ToB向けのWebアプリケーションの開発エンジニアとして3年半ほど勤務しました。
エンジニアを目指したのは、兄がシステム開発業界にいたこともあり、PCやインターネットが比較的身近な環境にあったからです。大学在学中に独学でプログラミングの勉強をし、自分でHPを作り、自宅サーバを構築して運用したりしていました。世界中と繋がるインターネットの世界に大きな可能性を感じ、就職先もIT系の企業を選びました。
――そうしたなかで、なぜ起業をしようと考えたのですか?
昔から「自分の道は自分で切り拓きたい」という志向が強く、“起業をしたい”という漠然とした夢を抱いていたからです。
ちょうど私が中学生くらいのときに横浜ランドマークタワーができたのですが、「いつかはここに事務所を構えたいな」と考え、自分で写真を撮ってHPの素材にしていたくらいです(笑)。
――まさに現在のオフィスはランドマークタワー。当時の夢を実現されたのですね。
そうですね。私がウェブフロンティアを創業した頃はインターネットの各種サービスが世の中に広く普及し、まさにWeb関連のブームが起きていた時代でした。自分たちのアイデアを形にして、当社のロゴが入った製品やサービスを出せたらいいな、と考えていて。
創業メンバーとは、「自分たちが作ったサービスを通してユーザーが便利になり、ユーザーに喜んでもらう。そんな経験ができたらいいね」ということを日々語り合っていました。
――現在は創業18年目になりますが、村上社長としてここまでの会社の成長をどのようにとらえていますか?
当初4名で始めた会社が、今や100名を超えるメンバーにジョインしてもらっています。
一番の転換期は2012年頃でしょうか。それまでは私自身も現場でメンバーと一緒に開発に携わっていたのですが、より組織化することを見据え、社長業に専念することに決めました。エンジニア採用、営業職採用に力を入れ始めた時期でもあります。
一方で人が増えると、今度は会社の理念や大切にしている価値観がなかなか浸透しないという問題が発生しました。そういうフェーズを経て、現在はただ単に人を増やすのではなく、当社の理念に共感してくれるメンバーを大切にしていく方針にシフト。結果として、採用数は横ばいですが、売上は上がっています。すなわち、メンバー一人一人の人財価値が高い組織づくりができてきているのではないかと感じます。
メンバー自ら事業運営に携わる経験を
――これまでの経営活動において、最大のピンチは?またどのように乗り越えましたか?
いろいろありましたが、一番のピンチはリーマンショックのときですね。多くの下請け会社の契約が次々と切られていくなかで、当社もメンバー全員が契約終了の危機に陥りました。
さすがにもう事業を運営していくのが厳しいかなと諦めかけていた矢先に、たまたまお客様先の別の部署の方から声をかけていただくことができて。
ちょうど当時、そのお客様がAndroid向けの携帯電話の開発に乗り出していたんです。そこで開発人材を集めていて、当社にとっても未知の分野でしたが、これまでの開発実績を元に当社に依頼をしてもらえることが決まりました。
――なるほど、そのプロジェクトを機に業績も回復していったのですね。
そうですね。当時はAndroid開発の黎明期だったのですが、これまでプロジェクトで培った技術も活かしながら、その後はテレビやカーナビなどさまざまなAndroidプラットフォームの開発に乗り出していきました。
また当時から当社はBluetoothに強みを持っていて、その流れで現在もIoT関連の開発が得意ですね。
――今後の事業展開を教えてください。
中期的なビジョンとしては、10社のグループ会社を設立し、グループ売上高30億円を目指しています。
そのために、現状の既存事業にとどまらず、新たな収益確保が可能な事業を2021年に2社のグループ会社として設立しました。1社は「株式会社GOOD EFFECT」で、調剤薬局向けのPOSレジ「レジポン」を展開するサービス事業会社で、もう1社の「株式会社ユーミリア」は、IT技術者研修をはじめ、AIやVRなど先端技術の研究開発を行う会社です。
現状は3社のグループ会社がありますが、今後はゼロからイチを立ち上げるだけでなく、他の企業と協業しながら新たな事業会社を設立する動きも進めています。
こうしたグループ展開を拡大する理由の1つとして、当社のメンバーたちが“一国一城の主”となって、自ら事業を作り上げていく経験をしてもらいたいという願いがあるんです。メンバー一人一人がそれぞれの場所で楽しくチャレンジし、生き生きと活躍できるグループ会社を創っていきたいですね。
エンジニアが働きやすい環境づくりに尽力したい
――ウェブフロンティアの企業理念に、“「人財」である社員への豊かな生活基盤の創造と、個々が成長し続ける環境を築く企業で在り続けます。”という言葉があります。人材ではなく、「人財」という表現を用いた理由を教えてください。
自分自身もエンジニアとして活動してきたなかで、エンジニアを大切にしてくれる現場もあれば、そうでない現場もありました。自分が会社を立ち上げるにあたっては、「エンジニアを大切にできる会社にしたい」という思いが強かったことが、「人財」と言う表現を使った理由です。
そのために、エンジニアにとって働きやすい環境を整えることが、私の使命だと考えています。たとえば、エンジニアの作業環境はとても重要です。具体的には、作業効率を上げるため開発用PCは高スペックのマシンを用意したり、モニターが2枚必要であれば追加購入したりなど、環境を改善するための投資は必要不可欠だと考えています。
個々が成長しやすい環境を作ることでメンバーの働きがいにもつながりますし、自ずと組織としての力も高まっていくと思っています。
――こうした会社としてのミッションは、どのようにメンバーに浸透させているのですか?
年に2回の全社会議で話をしたり、日々の活動のなかで折に触れて伝えたりするようにしています。
あとは、私自身がミッションを実践するという意味でも、希望者を対象に、メンバーとの1on1を定期的に行うようにしています。新卒からベテランまで全社員の半数以上が参加してくれます。オンラインで1時間程度のミーティングなのですが、どんな話でも構わないのでラフな会話をしましょう、と。ほとんどが雑談や家族の話などですが、話していくうちに個々の課題や会社への期待を吸い上げることもできますし、私にとっても貴重な機会なんですよ。
たとえば「勉強したいけれども、書籍を買う費用がない」という若手社員の意見をもとに、購入費用を会社が負担するキャリア支援制度の導入につながったこともありました。
――社長と直接やりとりできるのは、メンバーにとっても心強いですね。組織としての一体感を高めるために、会社として取り組んでいることはありますか?
積極的な「チーム化」を進めています。1つの現場を複数名で担当することで、縦や横のつながりが生まれてメンバーの育成にもつながりますし、お客様にとってもメリットが大きいと考えています。
ほかにも、数年前からさまざまなアンケートを取るようにしています。たとえば、会社が掲げるミッション・ビジョン・バリューについてどのくらい知っているのか、知り合いにどのくらい勧めたい会社か、などの項目を全社員に尋ね、経年比較を行っていて。ただアンケートを取るだけでなく、それぞれの項目にKPIを設け、1つ1つの活動に紐づけながら改善できるように取り組んでいます。
――村上社長として、ウェブフロンティアの社員に期待することは?
「自分のために生きてほしい」ですね。チャレンジしたいことがあるのであれば、どんどん声に出して発信してもらいたいと思っています。会社のために頑張るのではなく、自分が実現したいことのために頑張る。それが結果として、会社、そして社会貢献のために繋がるはずだから。そのために必要な支援は、惜しみなく行いたいですね。
――今後、どのような人と一緒に働きたいですか?
まずは当社のミッションやビジョンに共感していただける方。そして、今後の新たな事業展開にもぜひチャレンジしたい、アイデアを出したいと思ってくださる方と一緒に働きたいですね。
失敗を恐れずチャレンジしていく、そんな意気込みを持った方に来ていただければ嬉しいです。