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NY最大のアクセラレーターであるERAの投資責任者に聞いた、「最も効率的な投資用デッキの作り方のためのガイド」

ERAの投資責任者に投資家向けのピッチデッキの作り方を教えてもらいました。

「これまでありとあらゆるピッチデッキを見てきました。この経験を生かして、投資家視点で何が大事か、という話をしたく思います。アメリカの投資家にとって海外(ここでいう海外は日本が含まれる)に対しても積極的ですが、アメリカへのコミットは求めるというのが通例です。」

「キーセクションは12スライドくらいに済ませましょう。わかりやすく、説明することが重要で、細かすぎないようにしましょう。投資家は普通、あなたの業界に関する知見はありませんので、わかりやすく伝えることはかなり重要です。

オーバービューをうまく作うやり方もあります。ここでは、機会・プロダクト・いつからはじめているか・キーメトリックス・ニューヨークとの関係性・マーケットサイズなどを入れましょう。」

ニューヨークとの関係性を入れるというのがニューヨークの投資家らしい…。例としては4月にニューヨークでもサービスを開始するなど。

「良い売上やグロースがある場合は、なるべく先頭に入れるようにしてください。OPPORTUNITY HIGHLIGHTSなどと書くと良いでしょう。」

「写真は重要です。Facebookに載せているような肩を抱き合っているようなよくわからない写真にしないようにしましょう。ここについてはあまり多くを書く必要はなく、ロゴなどを貼って紹介する方が望ましいでしょう。あるチームは若いチームで、その、あまり経験がなかった。そこで、スライドの作り方を工夫した」

「誰がどこに所属しているかよくわからない感じにしたんですね・・・(笑)まあ、こういうのも一つのアイディアです。」

「テック系の場合はこんな感じのスライドに…。+5Hackersみたいな書き方をしてたりします。」

「PROBLEMを書くのは非常に重要です。例えば、こんな感じ。アパレルは50%の値下げをしているのに、ネット上だと15%までしか値下げをしていない、など。

もしくは、個人の喫茶店は、大手カフェに押されてロイヤリティープログラムを作れていない、など。

問題を伝えたら、何がプロダクトを伝えましょう。いかに誰もがわかる形で説明するかが大事です。行動しやすいインサイト(Actionable insights)を出すよ、など。」

「次はなぜプロダクトが問題を解決できるか、を語りましょう。ここでBefore-Afterを出すと効果的です。」

「次は市場規模です。ここには完璧な市場規模データというのは存在しない、と考えて作った方がいいでしょう。ぴったりな調査データ探しに終始するのはやめましょう。良い例ですが、このスライドは、会社のサイズによって市場規模を割り出していて、Total Annual Spendを企業サイズごとに表示しています。市場規模はAddresable marketなどと表現するのが良いでしょう。」

「次はCompetitive Landscapeです。何が差別化かを語る必要があります。最も典型的なのは、4象限で語るやり方です。このやり方の場合、軸の切り方を考えれば、ありとあらゆる差別化を思いつくことができます。このスライドでは、とても余白を入れて、自分たちの優位性を示していますが、まあ、その、あんまりやりすぎると怒られるでしょう(笑)」

「こういうやりかたもあります。まあ、僕は正直嫌いなんですが・・・。多くのデッキでは見ますね。投資家はこれを見て、ほうほう、これならいいね、とは思わないと思うんですね。投資家はもっと頭がいいですから。まあ、これは私の一意見ですけど。」

「こういうグラフを使ったものもあります。これはビジュアルは良いですね。ですが、直感的には何が差別化なのか、よくわからないという問題があります。」

「そして、Market Ecosystemです。これは顧客も競合も、データプロバイダーも入ります。ステークホルダー全体を示そうとしているわけですね。投資家は業界全体のことを知っているわけではないので、全く別の業界の会社と同じとみなされてしまったりします。そのときに、そこはむしろ競合ではなく、パートナーだ、と伝えつつ、カオスマップを見せる、みたいな方が良いでしょう。見せずに説明すると、どうしても対立ぽくなってしまいますからね。」

「GO-TO-MARKETでは、CACとLTVの関係を語りましょう。ここの距離が多ければ大きいほど、評価が高くなります。また、どのくらいの期間で元が取れるのかという視点が重要になります。」

「FINANCIALSについては、簡略版をパワポに入れましょう。3年から5年の計画を入れるのが望ましいと言えます。」

「これは私のパートナーは嫌いと言っていましたが、僕は好きなものです。HEADCOUNTは人数を表します。」

「こんな風にピッチデックを作ると良いでしょう。ですが、ぶっちゃけ投資家によって好みは違います。最後は自分を信じて、頑張りましょう!」

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