目の前の仕事において、「火花が散る瞬間」と聞いたら、何を想像されますか?
私は、お菓子を受け取ってパァッと晴れやかなお客さまの顔や、オーブンからお菓子を取り出すスタッフさんの生き生きととした姿が思い浮かべました。
”「車体のパーツが最終的に組み合わさる瞬間、火花が飛ぶ。この瞬間だけが付加価値を生み出す」
『どんなビジネスにも火花が出る瞬間、つまり付加価値を生み出す本質』がある。」(一部抜粋)”
過去にスターバックスコーヒージャパンCEOを務めた岩田 松雄氏が、日産自動車に在籍していた際、上司から聞いた言葉だそう。
私がこの言葉を知ったのは、海外ストア運営部へのインタビューの時でした。部長の森 麻美さんが仕事に対して大切している言葉で、「オープンしたら終わりではありません。いかに火花を散らし続けていくかを考え、現場に伝えていくのが私たちの仕事」と言います。
国内外に新店オープンが続くBAKEグループ(以下BAKE)。そのスピード感に負けないパワーで現場を盛り上げているのが、「海外ストア運営部」です。なかでも趙 凱(ちょう がい)さんは、大胆で陽気な性格とスピーディな仕事っぷりに、部長の森さんも太鼓判を押す存在。
実は趙さん、一度はBAKEの内定を断っていたのだそう。一年越しにBAKEで面接を受け、入社にいたった経緯とは?さっそく、その理由や今の仕事、これまでのキャリアについてインタビューをお届けします。
一度断った会社に、転職を決意したワケ
ーー改めて、趙さんがBAKEに入社を決めたのはどんな理由があったのでしょう?
趙:一年ほど前BAKEで内定をもらっていたのですが、個人的な事情で辞退しました。
月日がたって転職活動を始めたとき、またBAKEの求人を見つけました。「あ、知ってる会社だな」と。
ーーまぁ、そうですよね。
趙:入社を決めた理由は、日本のマーケットを中国に進出させる、というミッションにこれまでの経験が生かせると思ったからです。事業規模も初めて面接を受けたBAKEより、ずっと大きくなっていてワクワクしましたね。
ーーなるほど。趙さんのご出身は中国ですか?
趙:はい。実家はハルビンという中国の北の方にある都市です。冬はマイナス20度だからすっごく寒い!いつかBAKEのお店を実家の近くにオープンさせるのが夢です。
ーー素敵な夢です…!前職ではどんなお仕事をされていたのでしょうか。
趙:1社目は大手カフェチェーン店を運営する会社に勤め、日本国内の新店の立ち上げ業務を主に担当していました。2社目では全国約30店舗の居酒屋を運営する会社に務め、そのうち中国4店舗を担当をしていました。現地でFCを募集し、説明会を開いたり、法人の設立を担当していました。
ーー裁量のある仕事をされていたのですね。現在BAKEでの仕事内容はどうですか?
森:ここからは私がお話しますね。趙くんはいま入社5ヶ月なんですが、日本の新店の立ち上げにも携わり、現場で課題をキャッチアップしています。つい最近までクロッカンシューザクザク天神地下街店の立ち上げをやってくれていました。
↑クロッカンシューザクザク天神地下街店のオープン時の趙さん。すぐにスタッフとも打ち解けます。
森:現場のスタッフに「お父さん」と呼ばれていたり「またうちの店舗来てよ!」と、どこに行っても人気者です(笑)。
ーーみんなに愛されるキャラクターですね!
海外はオープンラッシュ。新店立ち上げの課題は?
森:アジアでは立て続けにクロッカンシューザクザクとRAPLがオープンします。趙くんには4月に開店する海外のザクザクをメインに担当してもらう予定です。今は海外の新店オープンにむけてスタッフ育成に取り組んでいます。
趙:ちょうど先週、海外のスタッフに研修を受けてもらいました。
↑開発ラボにて器械の説明を行っている様子。
趙:BAKEの会社紹介、各ブランドのアイデンティティ、店舗オペレーションや接客マナーなどを全てを伝えます。私の仕事は、彼らが各国で店舗スタッフを教育できるよう、育成することなんです。
ーー各国のブランドで核となるスタッフにBAKEの魂をもってかえってもらうわけですね!ちなみに、海外の新店立ち上げにおけるBAKEの課題は何でしょう?
趙:そうですねぇ。海外だと「オープン前の研修プログラム」が確立されていません。海外は工事の大幅な遅延など、日本では考えられないことが起こります。店舗研修を余裕を持ってできるよう、改善していきたいですね。
森:ずっと長く愛されるお店をつくるために、店舗研修はもちろん、関係部署とのスケジューリングをきっちりプログラム化していくことがすごく大切だと思ってて。今まさに趙くんと取り組んでいるところです。
ーー入社5ヶ月という短い期間で、目覚ましい活躍ぶりですね。趙さんの第一印象はどうでしたか?
森:最初のミーティングで、「オペレーションは理解した?」と聞くと「あっ、もう完璧です」とあまりにも軽い返事で、なんだか不安だなぁ…なんて思っていたんです。
ーーえ、今では想像できません。良い意味で期待を裏切ってきたわけですね!
森:そうなんです!立ち上げサポートをしに行くと、店長さんから「フランクに話せて場が和む」「できれば趙さんにこのままお店に残ってほしい!」という声が届きます。趙くんはアルバイトも、上司も、海外のスタッフにも分け隔てなく接してくれる、本当にナイスガイです!今では大きな信頼を寄せています。
海外ストア運営部では、新しいメンバーを募集中です!
ーーどんなメンバーと一緒にBAKEを盛り上げていきたいですか?
趙:できる、できない、はそんなに求めていません。私は英語が話せないけど、他のメンバーが助けてくれるし、自分の得意なことを軸にどんどん行動していってほしい。モチベーションが高くて、忙しい毎日を楽しめる人がいいですね。僕は今最高に楽しいです!
ーー森さん、良いチームを作られていますね。
森:ありがとうございます。私が部長になってすぐ、「BAKEで一番面白いチームにするつもりなので、ついてきてね!」と宣言しました。国際色豊かなメンバーで、時には意見がぶつかることもありますが、建設的なディスカッションができる環境です。
ーー森さんはどんな人と働きたいですか?
森:ズバリ、心から店舗や現場を愛せる人です!将来つきたいポジションのために、一時的に現場に出る、という心構えでは、他のポジションへのキャリアチェンジも厳しいです。「現場がとにかく好きだ!」と言えるメンバーと、いいチームをつくって、お客さまとの間に見えない火花を散らしていきたいですね。
ーー趙さん、森さん、ありがとうございました。
文:金子未和・松野千鶴
編集:名和実咲