国内の大手企業へ人工知能(以下、 「AI」)ソリューションを提供する株式会社シナモン(代表取締役社長CEO:平野未来 以下、シナモンAI)は、東京海上グループのダイレクト損害保険会社であるイーデザイン損害保険株式会社(取締役社長:桑原茂雄 以下、イーデザイン損保)が2021年11月18日から発売する最新テクノロジーを活用してお客さまに新たな体験を提供する新自動車保険「&e(アンディー)」(以下、&e)に、保険証券の自動読み取りを目的として、AI-OCR「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」の提供を開始します。アップロードされた保険証券をAIが読み取り、データ化することで、スムーズな保険の切り替え手続きを支援します。
<事業背景>
&eでは、一人ひとりのお客さまに寄り添い、一人でも事故にあうお客さまを減らすために、IoTセンサーとスマートフォンを連携した安全運転支援サービスなどを提供します。&eは、(1)AIを駆使したシンプルでわかりやすい保険サービス、(2)「1タップ事故連絡」 をはじめ、IoTセンサーなどの最新テクノロジーで新たな体験を実現、(3)お客さまの安全運転を後押し、お客さまのカーライフをサポート、4)お客さまと自動車事故のない世界を共創、と言った特徴があります。このうち、シナモンAIでは、最短60秒で保険料試算完了など、あらゆる手続きがスマートフォンで完結するためのコア技術であるAIによる保険証券の自動読み取り技術を提供します。なお、&eはビジネスモデル特許を出願中です。
&e の公式サイトはこちら。
<技術背景>
シナモンAIでは、非構造化データの認識・活用に関する継続的な技術開発を行っております。保険証券は、保険会社各社ごとに異なるフォームや内容が記載されていますが、シナモンAIのAI-OCR「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」では、これら多様な保険証券を読み取る技術を実現しております。また、直近では、帳票や文書からの情報抽出技術にクエスチョン・アンサリング・アプローチを適用し新しいネットワーク構造を考案することで、従来の手法と比較し、精度向上と2~5倍の処理速度向上を実現しています。これらの実績は国際会議でも高く評価をされており、ICDAR2021(International Conference on Document Analysis and Recognition、文書解析と認識に関する国際会議)にてBest Paper Awardを受賞いたしました(*)。本プロジェクトにおいても、平均5秒未満での保険証券読み取りを(AI-OCRモデル内での処理スピード)実現しており、&eにおける優れた顧客体験の創出に貢献しています。
*IDCAR2021 Best Paper Award を受賞した論文(英文)はこちらでご覧いただけます。
https://arxiv.org/pdf/2106.00952.pdf
<今後の展望>
東京海上ホールディングス株式会社は、東京海上グループのダイレクト損害保険会社であるイーデザイン損保を新たにグループのデジタルR&D拠点として位置付け、インシュアテック保険会社へ変革させることで、グループ全体のデジタルR&Dをさらに加速させるとともに、お客さまと社会に新たな価値を創造していきます。
シナモンAIは、当社が企業の成長戦略の核として提唱するハーベストループ(データが自動的に蓄積され事業の持続的な成長力につながるループ型のビジネス構造:アーキテクチャー)を軸に、イーデザイン損保のパーパスドリブンなAI成長戦略の実装を推進するため、イーデザイン損保との連携を強化してまいります。
【イーデザイン損害保険株式会社 会社概要】
社 名:イーデザイン損害保険株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2
設 立:2009年1月26日(イーデザイン損保設立準備株式会社として設立)
代表者:取締役社長 桑原茂雄
【株式会社シナモン 会社概要】
社 名:株式会社シナモン
所在地:東京都港区虎ノ門3-19-13 スピリットビル6階
設 立:2016年10月
代表者:代表取締役社長CEO 平野未来
採用ページ(募集職種および応募方法はこちらをご参照ください):
http://cinnamon.is/recruiting/
■事業内容:人工知能コンサルティング事業、人工知能プロダクト事業
シナモンAIは、「創造あふれる世界を、AIと共に」をミッションとし、高度なビジネスAIソリューションの開発に取り組んでおり、多数の国内大手企業への提供実績を有しています。また、人工知能研究所をベトナム(ハノイ・ホーチミン)および台湾に構え、大量のAI技術者の獲得に成功しています。直近では、AI OCR「Flax Scanner」に加えて、特化型音声認識技術「Rossa Voice(ロッサ・ボイス)」の商用化も始まり、大手企業を中心に販売を開始しております。また、シナモンAIでは、”Digitize(デジタル化)” “Structure(構造化)” “Understand(理解・活用)” という3つの独自の研究領域に基づき、高度なAIアルゴリズムを数多く保有し、業界特有の非構造化データを活用するビジネスAIソリューションの開発を継続的に行っております。
■AI-OCRエンジン「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」の概要
日常で使われているビジネス文書はほとんどが非構造的であるため、業務システムに取り込むために人の力が必要となっており、ホワイトカラーの業務に多くの無駄が発生しています。シナモンでは、人工知能文書読み取りエンジンを活用し、ホワイトカラーの業務を抜本的に改革いたします。対象となる文書は、PDF、Wordファイル、印字・手書きなどの紙文書など様々な文書に対応が可能です。現在は、金融・保険業界をはじめとした、多数の大手企業様へエンジン提供をしております。