1
/
5

インフルエンザウィルスと新型コロナウィルスとの同時流行と、「ウィルス干渉」

日本では今、新型コロナウィルスの流行 “第3波” の真っ只中。日々現場に立たれている医療従事者の皆さまには、本当に感謝の念しかございません。

今年の秋頃には、新型コロナウィルスCOVID-19と季節性インフルエンザウィルスとの同時流行が懸念されていました。ところが予想に反して、2020年インフルエンザウィルスの罹患者は非常に少なく、前年比0.07%(12月13日時点、厚生労働省資料)と報告されています。

季節性インフルエンザウィルスの罹患者が少ない。挙げられる理由は・・・

・感染症対策の徹底:昨年までであれば、多少の体調不良を感じても通勤・通学を優先し、結果、感染を広めてしまうことがありました。

・インフルエンザの症状:感染症状がはっきり現れる為、「無症状者」による感染拡大という事態がほぼありません。

これらにより、インフルエンザウィルスの流行が抑制されていると考えられます。

ただ、衛生対策や移動制限などが功を奏したとすると、COVID-19の感染拡大を止められなかったのは、 なぜ?という疑問が・・・

そこで、「ウィルス干渉」が起こっている可能性も考えられます。

ウィルス干渉

既に流行しているウィルス①がある場合、後から流行するウィルス②の感染が抑制されるという現象。 これは、後から流行するウィルス②が増殖するために必要な場所に、既に流行しているウィルス①が存在する(陣取っている)ので必要な成分を利用できず増殖が抑制されてしまう、というものです。

新型コロナウィルス流行 “第3波” の中で迎えるこの年末年始、密を避け、マスク着用・手洗いなど基本的な行動を徹底し、特にやむを得ずの外食の場面では、感染予防対策に充分に心がけて下さい。

vol.7 2020.12.25 TJ博士


▶vol.6 ノーベル化学賞:クリスパーキャス9「CRISPR-Cas9」って何が凄いの?

▶vol.5 【COVID-19】日本でコロナ感染少ない・・・「ファクターX」ある??

▶vol.4 【COVID-19】新たなる治療法:血清療法とは?

▶vol.3 【COVID-19】「変異型ウィルス」なぜ流行する?

▶vol.2 「PCR検査」高感度なのに、精度60%~70%は何故?

▶vol.1コロナウィルスワクチン開発に時間が掛かる訳

注目のストーリー

CHUBU SCIENCE site


続きは、TJ博士の相談室 へ。 *2022年9月から別サイトで続編を掲載しております。

中部科学機器株式会社からお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
中部科学機器株式会社では一緒に働く仲間を募集しています
3 いいね!
3 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

TJ 博士さんにいいねを伝えよう
TJ 博士さんや会社があなたに興味を持つかも