2016年3月、僕は京都大学を卒業しました。
ビジネスの世界におけるピッカピカのプラチナチケット「京大卒」を手に入れました。
しかし、僕はそのプラチナチケットを冷めた目で見ていました。
なぜなら、在学中、大学1年の夏には次のことに気がついていたからです。
学歴だけでは大した価値はない
そう思ったきっかけは、バイトの面接に10連続ぐらいで落ちたことでした。そんな訳ないと思うでしょうが、塾講師の面接も2つ落ちました。本当です。今でも泣きそうです。
涙を拭いながら自分なりに問題を分析してみると、結局、アルバイトに期待することは、
- ・たくさんシフトに入ってくれること(量)
- ・社員の手が回らないところを補ってくれること(便利さ)
- ・余計なことはしないこと(面倒臭くない)
この3点なんだろうなと思います。
居酒屋アルバイトにおけるヒエラルキーの頂点は、
深夜のシフトに泣き言も言わずに入って、
120本焼き鳥を焼き続けられるフリーターで、
週2回、平日の夜だけしかシフトに入れないくせに、
これからイチから仕事を覚えないといけない京大生ではないのです。
若干20歳にして突き付けられた世の中のリアルです。
こんな経験をした僕から、我々高学歴と言われる人のために何か伝えられることがあるのでは?と思い、今日はペンを取った次第です。(ペンじゃなくてキーボードだろとか言わない)
学歴ホルダーが社会に出てから痛い目に合う5つのポイントを挙げてみました。
【1】 知識で勝負する癖が抜け切らない
高学歴な人にありがちなのが「やたらなんでも詳しい」パターン。
ITでも歴史でも英語でも何でも詳しくて、聞かれたことには何でもポンポン返すような、生き字引的なヤツ=優秀だと思われているフシがあります。
でも、社会に出て評価されるのは知識量ではありません。
経験の伴った知識のみが評価されます。
大学受験までの「子どもの世界」では、
英単語を100個覚えた人 よりも、英単語を101個覚えた人の方がエラい という物差しで世界が測られます。
でも、大学受験以降、特に社会人になると、この物差しが崩壊します。
英単語を101個覚えた人 よりも、覚えた英単語を1個でも外国人相手に使ったことがある人の方が評価されるのです。
なぜなら、
「1回上手く行った経験をした人なら、2回目3回目と任せてもきっと成功するだろう」と世の中の大人は判断するからです。逆に1回も使ったことの無い知識は「使えるかどうかも分からないし何か怖いな」と思うのです。
たった1個の英単語でも、それが役に立つかどうか、役に立たないなら次どうするかを経験した人間が優遇されるのです。
持っているだけの知識には何の価値もありません。知識を持っているだけでは、いつまでたっても「やったことがある」人間には敵いません。
【2】 最後は大学ブランドでなんとかなると思っている
おそらく地元の友人や近所のおばちゃんから「◯◯大なら就職なんて余裕でしょー」と言われている人が多いと思います。
でも、これを真に受けてはいけません。
確かに、有名大学なら数千社受ければどこか拾ってくれることはあるでしょう。でも、自分が行きたいと思った企業にどこでもスッと入れる、なんてことはありえません。就職はよく結婚に例えられますが、会社と求職者が相思相愛になったときはじめて、内定が出ます。つまり、こちらがいくら好きでも、会社に好かれないと内定は出ません。
たとえどれだけイケメンでも、「俺、イケメンだから」とあぐらをかいている男にいきなり「結婚して下さい」と言い寄ってくる女性はまずいないでしょう。(よっぽどのメンクイならありえますが、、、)
それと同じで「俺、◯◯大だからぁ」と言っている人に近づいてくる企業はいません。逆にそれで近寄ってくる企業はキケンです。ブラックです。
華麗なキャリアは一旦忘れて、生身の素材で勝負する。
この覚悟を持たなければ、いつしかダサい大人になってしまいます。
【3】 テスト2週間前で詰め込めば巻き返せると思っている
この勘違いも多い。
学歴ホルダーは頭がいいので、期末テストの2週間前から詰め込んでも本1冊ぐらいは処理しきれる脳みそを持っています。
ただ、社会人になってから評価されるのは、そんな脳の瞬発力ではなく、脳の持久力です。
- 社員A 任されてから2週間は放置して、〆切2週間前から一気に畳み掛けて仕上げる
- 社員B 1ヶ月間ちょっとずつ上司に相談しながら前日に完成品を仕上げる
この2人のどちらに任せたいと思うでしょうか。
Aでもそこそこの仕事は出来るのでしょうが、おそらく安心して任せられるのはBです。
そして、Bタイプの人間は「いつか機会があれば役員にぶつけてみたいなぁ」と温めているアイデアが1~2個あったりするものです。
なぜなら、Bは「仕込む」ことに慣れているから。
いつか打席が回ってくると信じて、素振りを欠かさない習慣が身に染み付いているからです。(そして、そういう人にこそ、ホントにチャンスは回ってくるものです。)
こうなってくるとBの評価はうなぎのぼり、Aが敵う余地は1ミリもありません。
これが脳みその持久力です。毎日全力ダッシュする必要はないのです。
毎日10分でも考えて、常に頭の片隅にはプロジェクトのことを考えている
そんな人間が評価されるのが「大人の世界」です。
【4】 思考力・論理性だけで勝てると思っている
この思い込みもキケンです。
これだけは断言できるのが、「大人になってからは、思考力で稼げるのは100点満点中50点まで」です。
残りの50点は間違いなく「コミュニケーション能力」。それも単なる会話力ではなくて「提案力・説明力」です。
どれだけ立派なビジネスモデルを考えついても、最後にお金を支払ってくれるのは他人です。つまり、自分以外の人間の脳みそを納得させられないとどんな名案も机上の空論です。
よく「この商品の良さが分からないなんて消費者はバカだ」なんていう人がいますが、これはとんだ勘違い。中学生でも分かるように説明し、他人を納得させられる能力が足りていないだけです。
簡単なことを簡単にしか伝えられないのは「お子ちゃま」
難しいことをそのまま難しく伝えているうちは所詮「凡人」
「一流」と呼ばれる人は難しいことをチョー簡単に伝えます。
相手の脳みその回転数に合わせられる
そんな人間こそが評価されます。
【5】 失敗するのが恥ずかしい
学歴人間は、裏を返せば失敗経験が圧倒的に少ない。
100点満点のテストで70点80点を当たり前に取っていた人には出来るだけ失点を減らす感覚が染み付いています。
ただ、社会に出たら評価方法は真逆。
加点式、打率みたいな考え方になります。
僕の周りの優秀な社員や経営者が口をそろえて言うのは
- 「3つ企画を出して、1つ当たればエース」
- 「100個アイデアを出して99個スベるのが当たり前」
- 「当たりが出るまで、愚直にくじを引き続ける奴が勝つ」
こんなことばかりです。
絶対売れるとわかっている商品なんてこの世にありません。
社会に出てから頭でひねり出すものの大半は「誰もやったことない」「誰も考えたこともない」ことばかりです。
じゃあ、誰も分からないんだから、さっさと試しにやって、ダメなら次また考えようというのが優秀な人の思考法です。
学歴人間にありがちなのは、1打数0安打で野球を辞めてしまうパターン
社会で評価されるのは
100打数でも1000打数でもいいからバッターボックスに立って1本でもヒットを打つ人です。
そこのスピードと軌道修正力こそが、評価の分かれ目です。
まとめ
いやー、書いてて自分の心にもグサグサささる内容でした。
自分もダメージを受けています。凹んでます。
(じゃあ書くなよとか言わない)
でもこれが社会のリアル。実際に学歴を手に入れてみて気づいた真実です。
では、まとめのひと言
学歴でチヤホヤしてくれるのは中学の同級生と近所のおばちゃんだけ
デキる人間へのルートは学歴を捨てるところから始まる
いいこと言うなぁ。
以上です。